夏は体臭が気になる季節だ。とくに女性にもてたい(あるいは嫌われたくない)男性とっては体臭の問題は大きなネックになる。
男性向け脱毛クリニック・メンズリゼの調査によると、80%以上の女性は、「外見が好みだが体臭のある男性」より「外見は好みではないがいい匂いがする男性」を選ぶという。調査対象は22〜45歳の女性150人である。

体臭は、人物評価の大きなパーセンテージを占めるのである。夏の体臭予防は必須なのだ。
男性のニオイは30歳からきつくなる。この記事では男性の体臭の原因とその予防方法をまとめた。
男性の体臭の原因
ここでは男性の体臭の原因をまとめる。汗臭と、中高年特有のニオイであるミドル脂臭、加齢臭、イメージ臭である。
ワキガ体質の人を除くと、男性の体臭がきつくなるのは、おおむね30歳からである。汗臭さはすべて年代の男性に当てはまるが、中年になるとプラス別のニオイが混ざりはじめるからだ。
汗臭
汗をだす汗腺には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類ある。
エクリン汗腺はからだ中のいたるところにある。体温調整のための汗をだす。エクリン汗腺からでる汗はニオイがしない。99%が水分でさらさらとしている。
アポクリン汗腺は、耳の中や脇の下、隠部や肛門といった場所にある。アポクリン汗腺からでる汗はネバネバとしている。ネバネバの理由はタンパク質や脂質、糖質といった栄養を含んでいるからである。栄養が豊富な汗は、皮膚の常在菌を繁殖させやすいため、ニオイの原因となる。
日本人は外国人と比べて体臭は控えめだ。白人は70〜90%、黒人はほぼ100%がワキガといわれている。日本人でワキガ体質の人は10〜15%しかいない。アポクリン汗腺の数は人種や遺伝で決まる。ワキガ体質の人はアポクリン汗腺が多い。
エクリン汗腺の機能は年齢とともに衰える。老化したエクリン腺は休眠状態になる。エクリン腺には汗のニオイの原因となるミネラル分を再吸収する機能があるが、休眠状態になるとミネラル分を含んだベタベタした汗になる。皮膚の常在菌が増えてニオイを発するようになる。
さらさらした汗を「良い汗」と表現するなら、これは「悪い汗」である。汗がべたべたして塩辛くなっている人は汗腺が老化している。
良い汗はまったく臭わないかというとそうでもない。さらさらの汗も時間が経つと常在菌が繁殖して臭くなる。子どもや若い人が汗臭いのは、運動した後に汗を拭かずに放置しているからだ。汗をかきやすい脇の下と足の裏はとくに臭う。
ミドル脂臭と加齢臭
男性は40代に入るとミドル脂臭に、50代以降は加齢臭に悩まされることになる。
皮膚には汗腺以外に皮脂を分泌する皮脂腺がある。体臭とは皮脂と汗が混ざり合って生じるニオイをいう。皮脂の分泌量は30代でもっとも多くなる。男性の体臭が30歳からきつくなるのは、これが理由だ。
40代に入るとミドル脂臭が目立ちはじめる。ミドル脂臭は40歳前後の男性が頭部から発するニオイである。古くなった油のようなニオイがする。ミドル脂臭は化粧品メーカーのマンダムが見つけた。汗臭、加齢臭につづく第3のニオイとして注目を浴びた。
マンダムによると、ミドル脂臭の強烈なニオイは、ジアセチルという物質が皮脂と混ざることで発するという。ジアセチルは、汗に含まれる乳酸が頭皮のブドウ球菌によって代謝・分解されると発生する。
加齢臭は歳をとると発生するニオイである。ミドル脂臭と入れ替わるように50歳くらいから存在感を増す。青臭くて脂っぽいニオイがする。加齢臭の原因は2-ノネナールという物質である。2-ノネナールは皮脂の脂肪酸が酸化したもので、化粧品メーカーの資生堂が見つけた。
加齢臭のニオイはミドル脂臭ほどきつくはない。ニオイの発生場所は頭部や首の後ろ、耳のまわり、胸や脇といった上半身である。
男性に体臭のきつい人が多いのは、男性ホルモンに皮脂の分泌を活発にする働きがあるからだ。女性も閉経すると男性ホルモンが優位になるため、加齢臭が強くなる。年齢を重ねると男女ともに体臭はきつくなるのである。
イメージ臭
嗅覚は視覚や聴覚に影響されることがある。これをイメージ臭という。
たとえば、清潔感のない髪や服装の人を見かけると臭そうだなと思う。見た目以外では、電車のなかでゲップをしたり、靴を脱いだりといった行動もそうだ。
人間の嗅覚は意外とあいまいなものだ。それを証明する実験がある。
若い男性と中年男性の靴下のニオイを女性たちに嗅いでもらった。結果は圧倒的に中年男性のほうが臭いというものだった。しかし別の女性たちに目隠しをして同じ実験をしたところ、80%の女性が若い男性の靴下のほうが臭いと判定した。
イメージ臭対策はかんたんだ。臭いと思わせなければいいのである。清潔感のある見た目をして、マナーを守った行動をすれば、臭そうとは思われない。
男性の体臭の原因となる生活習慣
ここでは男性の体臭の原因となる生活習慣をまとめた。当てはまる数が多いほど体臭はきつくなる。
- 不規則な生活
- 睡眠不足
- 運動不足
- 便秘気味
- 疲れがたまっている
- ストレスがたまっている
- 肉や脂っこい食べ物を好む
- 野菜や果物をほとんど食べない
- 満腹になるまで食べる
- タバコを吸う
男性の体臭の予防方法
ここからは体臭の予防方法をまとめる。
体臭予防で大切なのは、生活習慣の見直しである。偏った食事や運動不足、ストレス、喫煙といった病気になりやすい生活習慣を改善すれば、健康を維持できるとともに、体臭の原因となるニオイ物質も抑えられる。
体臭予防は、他人へのエチケットだけが理由ではない。体臭は健康のバロメーターでもある。体臭の原因には内臓の不調や病気が隠れている場合もあるからだ。
たとえば腸の釣果機能が低下すると、腸内の食べ物が異常発酵を起こして悪臭物質が増える。悪臭物質は健康な人なら肝臓で無臭化されて排出される。しかし肝機能が低下していると、血液中に取り込まれて汗が臭くなる。
健康な人は、体臭も少ないのである。
食生活に関しては、次の3つを守る。
- 脂肪をとり過ぎない
- 抗酸化作用のある食品を食べる
- 腸内環境をよくする
抗酸化作用のある食品とは、たとえば次のものである。
- ビタミンCやEを豊富に含む野菜や果物
- カテキンを含む緑茶
- ポリフェノールを含む赤ワイン
腸内環境を整えるには、発酵食品やオリゴ糖、食物繊維をとる。
おすすめはメカブだ。メカブのネバネバ成分であるフコイダンには、腸内のアンモニアや硫化水素といったニオイ成分を包み込み、排出してくれる働きがある。また、フコイダンには消化管の粘膜を維持する働きもある。ニオイ成分が体内に吸収されるのを防いでくれる。
なかには間違った体臭予防をしている人もいる。たとえば、汗や皮脂を落とそうとせっけんでごしごしと体を洗いすぎるのは逆効果である。
皮膚の表面は、皮脂と常在菌が作る保護膜で守られている。せっけんで洗いすぎると、その保護膜が傷ついて雑菌が繁殖しやすくなる。また、肌が乾燥すると皮膚を守るために皮脂が余分に分泌される。体臭はかえってきつくなる。
体を洗うときは、皮膚を傷つけないように優しく洗う。
ほかには、汗臭くならないようにと運動を避けたり、冷房をキンキンにかけたりするのもよくない。
エクリン腺の機能は、汗をかかないとますます衰える。これでは悪い汗しかかけなくなる。
良い汗をかくには、眠っている汗腺を目覚めさせる必要がある。そのためには汗をかく習慣をつけなくてはいけない。
汗をかくには、有酸素運動を20分以上続けるのがいちばんいい。そして運動後はシャワーで済ませずに、ちょっと熱め(42℃くらい)の湯船に15分ほど入る。こうすることでコップ1杯分くらいの汗がでる。
運動が苦手な人はサウナでもいい。はじめはべたべたした汗しかかけなくても、しだいに汗腺が鍛えられてさらさらした臭わない汗に変わっていく。
体臭チェッカーは体臭予防におすすめ
日本の社会はニオイに異様にきびしい。日本人は嗅覚が敏感とか、きれい好きとかいわれている。
それは広告の影響もある。テレビを筆頭にいろんなメディアが除菌・殺菌・消臭をうたう商品を盛んに宣伝している。行き過ぎた無臭信仰はもはや病的である。
こうした無臭化社会では自分の体臭に敏感にならざるをえない。実際にはまったく臭くないのに、まわりから臭いと思われていると思い悩んでしまう人もいる。この状態がひどくなると、自臭症と呼ばれる心の病を発症して対人恐怖症になる。
とはいっても、体臭がまわりの人にとって迷惑なのは事実だ。ある程度の体臭予防はやはりエチケットである。
体臭予防のむずかしさは、自分のニオイの程度がわからないところにある。人の嗅覚は危険なニオイを見分けるために、日常的なニオイには鈍感になっている。自分の体臭は自分ではわからない。
そこでおすすめなのは体臭チェッカー「Kunkun body」である。Kunkun bodyは世界初の体臭を見える化する装置である。精密機器メーカーのコニカミノルタが2018年に発売した。本体のサイズは10×5センチほどである。
Kunkun bodyを体に近づけると、スマホに体臭の測定結果が表示される。汗臭とミドル脂臭、加齢臭のそれぞれのレベルと総合値がわかる。対策法もリンクから調べられる。
自分の体臭のレベルがわかれば、対策をとるのはかんたんだし、見えない敵と戦う不安はなくなる。あとはKunkun bodyを参考にして、デオドラント剤や消臭スプレー、消臭効果のある肌着といったアイテムで体臭を予防するだけだ。
体臭をコントロールできれば自信を持って夏を満喫できる。
男性の体臭の原因と予防方法 まとめ
この記事をまとめる。
- 体臭は人物評価に大きく影響する
- とくに女性は男性の体臭をひどく嫌う
- 男性の体臭の原因は、汗臭とミドル脂臭、加齢臭、イメージ臭である
- 汗臭はすべての年代に当てはまる
- 体臭とは皮脂と汗が混ざり合って発するニオイをいう
- 30代は皮脂の分泌量がもっとも多くなる
- 40代はミドル脂臭が目立ちはじめる
- 50代は加齢臭が存在感を増してくる
- 見た目や行動が臭そうな人はイメージ臭に気をつける
- 体臭の予防は生活習慣を改善することである
- 健康な人は体臭も少ない
- 体臭予防のむずかしさは自分のニオイがわからないところにある
- Kunkun bodyという体臭チェッカーを使えば、ニオイが見える化できる
- ちょっとお高いけれど、体臭にお困りの方は買ってみるのもいいかもしれない
体臭予防のついでにスキンケアをはじめてみるのはどうでしょう? 肌がきれいだと女性に一目置かれます。
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