仕事で必要なのは5種類だけ! グラフの種類と使い分けの基準を解説

仕事で必要なのは5種類だけ! グラフの種類と使い分けの基準を解説

Excelなどの表計算ソフトでは、いろいろな種類のグラフが作れる。だが、そのほとんどは一生作る機会がないグラフばかりだ。

仕事で使うのは、だいたいが次の5種類だ。(技術職の人は別だけど)。

・ 縦棒グラフ
・ 横棒グラフ
・ 折れ線グラフ
・ 円グラフ
・ 複合グラフ

この5種類さえマスターすれば、グラフ作成には定年まで困らない。裏を返すと、この5種類のグラフが使いこなせないと、話にならないのだ。

この記事では、仕事で使う5種類のグラフと、使い分けの基準を解説する。

グラフの種類と使い分けの基準

グラフ作成では、データに適したグラフを選ぶのが最初のステップだ。データは、見せ方を誤ると、読み手に情報が正しく伝わらない場合がある。手持ちのデータにぴったり合うグラフを選ぶのが、なにより大切なのだ。

具体的には、グラフにしたいデータが「量」や「大きさ」なのか、「割合」なのか。「時系列」で比べるのか、「項目ごと」に比べるのか、を見極める。

言葉にすると難しそうだが、そんなことはない。グラフ作成には、「このデータには、このグラフを作る」といったお約束があるからだ。そのお約束を守れば、見やすいグラフが作れるのだ。

では、5種類のグラフと使い分けの基準を順に見ていこう。

縦棒グラフ

縦棒グラフは、縦に棒が並んでいるグラフ。数あるグラフの中でも、もっともスタンダードなかたちだ。

縦棒グラフは「量」や「大きさ」を「時系列」で伝えるのに適している。たとえば、「年度ごとの売上高の推移」や「月ごとのお客さんの人数」といったデータをグラフにするときに使う。

縦棒グラフ

また、「量」や「大きさ」を「項目ごと」に比べるのにも適している。たとえば、「営業部メンバーごとの今月の契約取得数」や「商品ごとの問い合わせ件数」などをグラフにするときに使う。

縦棒グラフ

普通の棒グラフ以外では、積み上げ縦棒グラフがよく使われる。

積み上げ縦棒グラフは、同じ項目内の要素を縦に積み上げた棒グラフだ。データ全体の合計値と、その内訳を示すのに向いている。

積み上げ縦棒グラフ

積み上げ縦棒グラフは、全体の数値の推移を見ながら、それを構成する個々のデータの数値も把握できる。「全体では増えているが、この項目は減っている」といった情報が読み取れる。

横棒グラフ

横棒グラフは、縦棒グラフを横向きにしたグラフだ。縦棒グラフと同様に、次の用途で使う。

  • 「量」や「大きさ」を「時系列」で比べる
  • 「量」や「大きさ」を「事柄ごと」に比べる

横棒グラフは、「量」や「大きさ」を比べるという点では、縦棒グラフと同じだ。縦棒と横棒は、基本的にはどちらを使ってもいい。

ただし、なかには横棒グラフのほうが適している場合がある。アンケートの回答内訳のように、「項目を大きい順に並べたい」ときや、「項目の文字数が多い」ときだ。理由は、横棒グラフのほうが項目名の幅を広くとれるからだ。縦棒グラフで作るより、見やすいグラフができあがる。

横棒グラフ

普通の横棒グラフ以外では、100%積み上げ横棒グラフがよく使われる。

100%積み上げ横棒グラフは、横軸の合計が100%で、それぞれの要素は構成比(割合)を示す。項目ごとの構成比の違いや、時系列で構成比がどのように変わったのかを比べるときに便利だ。帯グラフとも呼ばれる。

100%積み上げ横棒グラフ

割合を見るグラフには、円グラフがある。円グラフは、1つのグラフで1つの項目を比べるグラフだ。複数の項目を見比べたいときは、上の図のようにいくつも作る必要がある。これは手間だし、不便だし、見づらい。円グラフとの使い分けは、比べたい項目が複数あるかどうかが基準になる。

折れ線グラフ

折れ線グラフは、データの数値を点と点で結んだグラフだ。線の傾きでデータの推移を表す。

折れ線グラフはデータの増減を線で表現するため、グラフがすっきりする。長期の傾向を見たり、いくつかの項目の推移を比べたりする場合には、棒グラフではなく折れ線グラフを使う。

下の図は、同じデータから作った縦棒グラフと折れ線グラフだ。複数の項目を時系列で比べるのは、折れ線グラフのほうが優れている。

縦棒グラフと折れ線グラフ

折れ線グラフは、複数の「量」や「大きさ」を「時系列」に比べるのに適している。たとえば、「『同業3社』の年度ごとの売上高の推移」や「『各支店』の月ごとのお客さんの人数」などをグラフにするときに使う。

折れ線グラフ

また、複数の「量」や「大きさ」を「項目ごと」に比べるのにも適している。たとえば、「営業部メンバーごとの5ヶ月間の売上の推移」や「商品ごとの年別の問い合わせ件数」などをグラフにするときに使う。

折れ線グラフ

普通の折れ線グラフ以外には、スロープグラフがよく使われる。

スロープグラフは、2点間の推移を比べる折れ線グラフ。傾きぐあいで見比べるため、前後のデータを比べるのに適している。たとえば「当社と競合他社の利益率の比較」や「A、B、Cの体重の増減」などをグラフにするときに使う。シンプルで見やすいグラフだ。

スロープグラフ

円グラフ

円グラフは、1周を100%として、それぞれの構成比を扇型で示すグラフだ。全体に含まれる各要素の割合を見ることができる。

円グラフは、全体に占める「割合」を比べるのに適している。たとえば、「意識調査の『はい』『いいえ』「どちらでもない』の回答割合」や「社員の年代別構成比」といったデータをグラフにするときに使う。

円グラフ

他のグラフに比べると、円グラフはアレンジの幅が広くないが、柔らかい印象を与える。また、インパクトもある。割合の大小がひと目でわかりやすい。

複合グラフ

複合グラフは、異なる種類のグラフを組み合わせたグラフ。縦棒グラフと折れ線グラフをかさねたグラフがよく使われる。

複合グラフは、「量」と「比率」など、なんらかの関連があるが単位が異なる2つのデータを比べるのに適している。たとえば、「売上高(円)と成長率(%)の推移」や「1ヶ月ごとの身長(cm)と体重(kg)の変化」などをグラフにするときに使う。

複合グラフ

仕事でよく使うグラフ5種類と、使い分けの基準を解説した。

グラフ作成は、経験を積むほどうまくなる。そのうち、データを見るだけで「これは棒グラフにしよう」とか、「円グラフが適しているな」とか判断できるようになる。グラフの使い分けが感覚でわかるようになる。

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