【年代別の心構え】一流ビジネスパーソンの条件

【年代別の心構え】一流ビジネスパーソンの条件

会社では、年代によって置かれている環境も、求められる役割も違う。一流のビジネスパーソンとして社内で存在感を発揮し続けるためには、20代〜50代の各年代で何を優先し、どのように行動すべきなのだろう?

20代はとにかくチャレンジ! 失敗を恐れず、経験を積もう

20代のビジネスパーソン20代は社会人としてのノウハウやスキルがまだ少ない時期。仕事で失敗をして傷ついたり、悩んだりすることも多い。

思い描いていた一流のピジネスパーソンの姿と、現実の自分の仕事ぶりとのギャップにがっかりするかもしれないし、入社時に想像していた理想の社会人生活との違いに会社を辞めてしまいたいと考えるかもしれない。

だけど、20代だからこそできることがある。

若さという武器を最大限に発揮する

新しいプロジェクトの話が出たときには「やらせてください」とまっさきに手をあげる。20代は実績もないし、自信もない。手をあげるのをためらってしまう気持ちはわかる。

だけど、勇気を出して手をあげないとチャンスはつかめない。さまざまな仕事に挑戦をして経験を積んでいくことが実績となり、自信につながる。

やる気を買われてチャンスをもらえたら、失敗を恐れず全力でチャレンジする。スポーツと同じで、上司がもっともがっかりするのは、期待した選手がやる気のない姿勢を見せること。

野球だったら三振を恐れずに思いっきりバットを振る。サッカーだったら積極的に声を出してボールを呼び込む。見逃し三振やバックパスといった消極的なプレーだけは、決してやってはいけない。

失敗するのは誰だって怖い。だけど、思いっきり失敗ができるのは20代の特権。同じ失敗をくり返さないかぎり、上司は大目に見てくれる。懸命にチャレンジする姿を見せれば、「次のチャンスをあげよう」という気持ちになる。

むしろ20代でたくさんの失敗をしておいたほうがいい。30代、40代になったときにその経験を活かして、大きな失敗をしなくて済む。

チャンスが来たときのために、日々の努力は欠かさない

ただ手をあげるだけではチャンスは得られない。ビジネスパーソンとしての基本がしっかり身についていないと、チームの他のメンバーに迷惑をかけてしまう。

仕事を任されるには、ビジネスのマナー、業界のルール、業務の基礎知識は最低限身につけておきたいところ。実績がないのは仕方がない。だけど、基本の仕事だけはしっかりとこなせるように努力を欠かさず、準備をしておこう。

目標は高く設定する

20代は伸び代が大きい。「ちょっと無理かもしれない」と思うくらい高い目標を設定したほうが、大きく成長できる。

同期のライバルより、仕事のできる先輩や上司を目標にして、そのレベルを目指すほうが成長のスピードは速い。社内の人物だけではなく、取引先の社員など社外からも、仕事ができる人の長所を見つけて、積極的に取り入れる。自分が目指すべき一流のビジネスパーソン像ができあがってくるはず。

達成したい夢や目標は、積極的に口に出していこう。「実現できたらいいな」と考えているだけでは夢は叶わない。周りの人に話すことで「実現しなければいけない」というプレッシャーをかける。

得意分野を見つける

どんなことでも構わないので、他の人には負けない得意分野を作ること。20代は経験が浅いので、ピジネスパーソンとしての総合力は低い。同じ土俵で戦っていては先輩を追い越すことはもちろん、同期に差をつけるのにも時間がかかる。

ほんの小さなことでも、上司や先輩の役に立てれば名前を覚えてもらえる。新規のプロジェクトの際には声をかけてもらえるかもしれない。自分が必要とされていると感じることで、自信にもつながる。

むずかしい資格でなくてもいい。ExcelやWordのちょっとしたテクニックを知っているだけでも、40代以上の上司には重宝される。

これから何かを学ぶとすれば、スマートフォンやSNSなど、上の世代の人たちが苦手とする分野が狙い目だ。

30代はメンツを捨てて、周りの人との信頼関係を築こう

30代のビジネスパーソン30代になると、徐々に出世に差がつき始める。20代までは、同期が横一線で昇進していくという企業が多い。ところが、30代になるとその列が乱れ始める。一足先に管理職になる同期が現れる。

最近では、年功序列が崩れはじめている。年下の後輩が先に管理職に昇進するといったケースが当たり前になってきた。女性の社会進出が進み、女性管理職も増えてきた。自分の上司が同期の女性といったケースも起こり得る。

このような社会の変化にうまく適応できない30代の男性は多い。「年下の言うことなんて聞けない」「女性の下でなんか働けない」など、彼らはひと昔前の価値観にしばられている。悪い意味でプライドの高い人物だ。

会社は根拠のない個人のプライドを尊重してはくれない。組織の決定を守ろうとしない態度は評価を下げる。はやい段階で頭を切りかえてしまわないと、40代50代と同じ会社で生き残るのはむずかしくなる。

できないことは素直に認める

一流のビジネスパーソンは、自分の「メンツ」にはこだわらないし、見栄もはらない。自分のできないことは「できない」とはっきりと言う。知ったかぶりをしないし、自分を大きく見せようとはしない。

できる振りをしていても、いつかは化けの皮がはがれる。周りの人からは「かわいそうな人」として冷たい目で見られるだろう。自分の弱さをさらけ出せるからこそ、周囲の人たちに助けを求め、協力を得ることができる。

自分以外の人の実力を素直に認め、その人から学ぼうとする意欲と謙虚さを持つこと。相手が年下だろうと、女性だろうと常に態度を変えない。とっつきやすいことで、周りの人が知恵や力を貸してくれる。

同期や後輩が上司になっても、嫉妬したりせず、チャンスだと考える。もともとは同期や後輩なのだから、言いたいことははっきりと伝えられるはず。考え方次第では、普通の上司部下より良好な関係を築くことができる。

役に立たないプライドは捨てて、上司をサポートする。チームを成功させることができれば、自分自身の評価につながる。

人材育成は最重要課題だと認識する

30代はプレーヤーから管理職への選別がはじまる時期。企業が成長を続けるためには、人材の育成が肝心だ。会社はマネージャーに対して、仕事で成果を上げる以外にも、「人を育てること」を期待している。

人を育てることの重要性を理解して、それを自分のミッションとして考えられるかどうかが、これから先の出世の分かれ道になる。チームプレーができない個人プレーヤーは、昇進のコースからは足を踏み外してしまう。

重要なのは、やはりメンツを捨てること。メンツにこだわらなければ、部下とのあいだには壁ができず、腹を割って話ができる。意思の疎通がスムーズになれば、部下の強み弱みをしっかりと把握したうえで的確な指導ができる。信頼関係が生まれると、部下に思い切って仕事を任せられるようになるし、部下は上司の言葉を素直に受け入れるようになる。

部下との日々のコミュニケーションは欠かさない。部下は上司が自分を気にかけてくれているかどうかを気にする。「がんばっているな」とひと声かけてあげるだけで、距離は縮まり、部下のモチベーションも上がる。

40代は仕事の進め方を見直して、自分の時間を確保しよう

40代のビジネスパーソンビジネスパーソンにとって、40代は最大の転機となる。仕事もプライベートも充実させることができる人がいる反面、どちらも中途半端になって後悔する人も多い。

40代は、30代までとは比べものにならないほど忙しい

順調に昇進していればリーダーやマネージャーなどの役職に就いている年代。中間管理職になると、自由に使える時間はめっきり少なくなる。役員に説明をしたり、部下に指示を出したりということに多くの時間を割かれる。

若手のときは、上司や先輩といった「上」を相手にしているだけでよかった。ところが、中間管理職は「上下左右」の人たちを相手にしなければいけない。取引先とは、大きな交渉をする機会が増える。

ひと昔前の管理職とは違い、現在のマネージャーの多くは自らも実務を行う「プレイングマネージャー」。仕事量は30代の2〜3倍に増えたように感じるはず。

30代のときは、時間内に仕事が終わらなくても、残業や休日出勤をすれば、なんとか帳尻を合わせることができる。だが、40代になると、そのやり方では増えた仕事を消化しきれなくなる。今までと同じ方法では仕事が中途半端になってしまう。

プレイングマネージャーは自分の担当する実務と部下の育成を両立させないといけない。そもそもの時間が足りない中で自分の実務を優先させれば部下の指導がおろそかになる。部下の育成に力を入れれば、自分の実務に手が回らなくなる。

仕事の進め方を根本的に見直す

限られた時間のなかで結果を出そうとするなら、仕事のやり方、時間の使い方を根本的に見直すしかない。まずは、成果に結びつく仕事を優先し、その仕事に取り組むためのまとまった時間を強制的に確保すること。

スケジュールを調整してひねり出すのではなく、予定として先にスケジュールに組み込んでしまう。たとえば「水曜日の午後は、新規顧客の開拓に充てる」というようにだ。

部下には「水曜日の午後は重要な商談がある」と伝える。そうすれば、他の仕事が割り込んでくることはない。このように毎週水曜日の顧客訪問を続けて、固定の仕事にしてしまう。まわりの社員や取引先も予定を合わせてくれるようになり、その時間が自分のモノになる。新規の顧客を獲得するといった実績をあげてさえいれば、上司は何も言ってこない。

スケジュールを綿密に管理する

40代は忙しいので、スケジュールはきちんと管理したい。そのためには、ひとつひとつの業務の作業時間を正確に把握する必要がある。実際に作業を行ったら、かかった時間を記録して、予定していた時間と比べてみる。時間を見積もる精度が高まる。

仕事の計画を厳守して、作業が中途半端だったとしても、時間がきたらいったん切り上げて次の予定に移る。きりのいいところまで進めようと仕事を続ければ、あとの予定が気になるし、次の仕事の移ればおわっていない仕事が気になる。どっちにしろ気になるので、スケジュールだけでも守ったほうがいい。

区切りのいいところまで進めるより、途中でおわらせておくほうが、気持ちがリセットされない。作業を再開したときにエンジンがかかりやすいはずだ。

50代は、人生後半のスタートダッシュを決める準備期間にしよう

50代のビジネスパーソン最近の50代は若い。枯れるには早すぎる年齢だ。男性の平均年齢は約80歳だから、人生はあと30年も残されている。30年といえば、社会人になったあとの年月と同じ。学生時代を社会人になるための助走期間と考えると、50代は折り返し地点に過ぎない。

たしかに、ビジネスパーソンとしてのゴールは近づいている。「現在の会社でいつまで働き続けるのか」という選択を自分の意思で決められるように準備をはじめる時期だ。

どの分野でも通用するスキルを身につける

50代は守りに入る年齢ではない。会社を去るのはゴールではなく、新しいことをはじめるためのスタートだ。そのための自由を手に入れたと考えるほうがいい。

現在の職場で再雇用をされる、転職をする、起業を試みるなど、進む道はいくつもある。10年後にどの道を選んでも大丈夫なように自分の能力を高めておくことが重要になる。

大切なのは勤めている会社、あるいは別の会社から求められるスキルを身につけること。たとえば、コミュニケーションやロジカルシンキングという能力はどこの企業でも通用する。社会保険労務士やファイナンシャルプランナーといった公的な資格を取得するのもいい。

スキルをみがき、資格を取得するには、多くの時間とお金がかかる。老後に備えてお金を貯めておきたいと考えるかもしれない。だが、貯金はインフレになれば価値が目減りするが、一度身につけた能力は環境が変わっても揺らがない。

経験がない分野の仕事に挑戦する

50代はまだまだ現役世代。それなりに仕事は忙しい。勉強をするにしても、土・日・祝日を上手に活用するしかない。最近は副業を認める企業も増えてきている。週末を使ってスキルアップをはかるのもいいかもしれない。

自分がこれまでに培ってきたノウハウを生かせる仕事でもいいが、せっかくなら経験がない分野の仕事にチャレンジしたい。経験がない分野の仕事では、新たな知識や技能を身につける必要がある。報酬も少ない。

だが、新しい分野への挑戦は、人生を豊かなものにする可能性を秘めている。スキルや資格を身につけることで、60代以降に思わず道を切り開けるかもしれない。

社外の友人を作る

会社員として働いていると、同じ会社の人たちとの付き合いがどうしても多くなる。上司と部下では対等な関係とは言えないし、話題も偏りがちだ。

50代は足腰も元気で、活動範囲も広い。今のうちに交際範囲を広げておくのはどうだろうか。社外に目を向けて、しがらみのない友人関係を築いておくと、60代以降を豊かに過ごせるだろう。

同年代はもちろんだが、年上、年下の友人を作るのもおすすめだ。年下の友人は同年代とは違った価値観を持っている。いっしょに過ごすことが刺激になり、自分の感性を若々しく保つことができる。自分より先を歩いている人生の先輩との付き合いは、今後自分が何を準備しておくべきかを教えてくれるはずだ。

【年代別の心構え】一流ビジネスパーソンの条件