悪文退治!国語力がない社会人のための「文法知識」学び直し講座

悪文退治!国語力がない社会人のための「文法知識」学び直し講座

文章力を身に付けたい社会人は多いはずだ。メール、企画書、プレゼン資料、謝罪文、ブログ、SNSなど、社会人が文章を書かない日はない。毎日書きすぎだし、書かされすぎだ。

ビジネスでは論理的な文章を書く能力が要求される。論理的な文章力には文法知識が欠かせない。つまり国語力だ。国語力がないと、正しい文章は書けない。読み手に伝わりにくい文章になる。悪文と言われるものだ。

文章を書く機会はこれからも増えることはあっても、減ることはない。ぜひこの機会に学び直してもらいたい。

国語力を身に付けるには、文法が重要だ

新しい言語を学ぶとき、はじめに覚えるのは文法だ。語学学習には文法の知識が欠かせない。文法知識が弱い人は、SNSで短いコメントはつぶやけても、長いレポートを書いたり、繊細な感情を相手に伝えたりするのはむずかしい。

日本語の学び直しでも、文法知識はとても重要だ。社会人には国語の授業のような細かな部分まで覚える必要はない。「文の基本的な構造」と「文を作る要素」の2つを理解できれば、悪文を書かなくて済む。どこを直せば文がわかりやすくなるのか、わかるようになる。

文の構造は、文章の骨格(主語・目的語・述語)+修飾語

文の構造

上の図は文の基本構造だ。文の骨格をつくるのは主語+目的語+述語。特に主語と述語は、家を建てるときの骨組みのようなもの。欠かすことができない部分だ。

主語と述語がはっきりしない文は、迷路のようなものだ。その時点で、わかりやすく説明するための条件を欠いている。どの主語とどの述語が対応しているのか、受け手に伝わるのが良い文だ。

日本語は主語を省略できる。日常会話では、主語を省略しても通じることが多い。だが基本的には、前の文と同じ主語のみ省略するのが正しいと覚えておきたい。主語が変わっているのに「相手に察してほしい」というのは、ただのわがままだ。

主語、目的語、述語は事実を表す。その3つを詳しく説明するのが修飾語だ。修飾語は意見・感想を示すことが多い。そのため、修飾語は削ることができる。

文字数が少なく短い文はわかりやすい。これは文章術の本で必ず指摘されるほど、文を書くときの基本だ。長い文をすっきりとわかりやすい文にするときに、まず削除するのが修飾語だと覚えておきたい。

文を作る要素(品詞)それぞれの機能・役割

文を作る要素

文の構造は品詞で成り立っている。品詞にはそれぞれに機能・役割がある。

名詞・動詞

名詞はモノ・コトを、動詞は動作・存在を示す。この2つの語彙が豊富なら、より多くのモノゴトを人に伝えられる。木がたくさん生えている状態を「林」「森」「木立」「密林」のどの名詞で表現するかで、受け手の印象は変わる。

形容詞・形容動詞・副詞

形容詞・形容動詞・副詞はおもにモノゴトの状態を表す。この3つは修飾語に使われることが多い。そのため、推敲のときの見直し対象になりやすい。主観的な文章になってしまうので、ビジネス文書では多様を避けたい品詞だ。

接続詞

接続詞は前後の文をつなぐ役割を果たす。順接(だから)、逆接(しかし)、並列(また)の関係を示し、論理展開をはっきりさせる。適切に使えば読み手・聞き手を思い通りに導ける。だが多用すると、読み手を混乱させる。

ビジネスメールが苦手な社会人のための「接続詞」使い方講座

2018.03.19

社会人が文章を書くとき気をつけたい悪文8例

文才がないのが悪文を書く理由ではない。文の構造か品詞の使い方がおかしいから、悪文になるのだ。悪文を書くのは文法知識の問題なのだ。

1一文二意

日本の原油輸入は8割以上が長期契約となっており、中東ドバイ原油の平均価格を基準に決められる契約形態が大部分である。

文章の前半は契約期間を、後半は契約価格を説明しており、言いたいことが異なる。ひとつの文ではひとつのことしか言わない「一文一意」がわかりやすいとされている。

2複文

国内部門については、建設機械市場において、新製品などの売り上げの増加はあったが、引き続き建設工事の現象があったことから、全体としては売上高が減少した。

「主語A(主語B+述語B)+述語A」という重なった構造になっており、読み手を混乱させる。「主語+目的語+述語」の順で並ぶ日本語では、主語と述語が離れている複文はわかりにくい。

3主語の登場が遅い

高齢化社会の進展に伴って年々膨張を続ける社会保障財政に対し根本的な対策を求められている政府は、今度の国会で関連法の修正法案を提出する方針だ。

修飾語が長く主語がなかなか出てこないため、わかりにくい。主語はなるべく早く出したほうがいい。述語とあまり離れないように短い文にするのが無難だ。

4主語と述語のねじれ

新サービスはインターネット上で話題となった上、実際に導入した先からも好評を博したことにより、前年度比15%の売り上げを期待しています。

主語の「新サービス」と述語の「期待しています」が対応していない。述語は「売り上げが期待されています」とするべきだ。主語と述語が離れているとねじれが起こりやすい。

5述語の脱落

低価格を「売り」とする企業の収益構造を調べたら、安さの秘密は従業員にサービス残業を強いていた。

この文の主語・主題は「秘密は」なのに述語が抜けている。文末に「ことだった」とつけるのが適切だ。日本語は主語が欠けていても伝わる場合が多いが、述語の脱落はダメだ。

6あいまいにかかる修飾語

アナウンサーだったA氏のよき伴侶、B夫人はA氏のよき飲み友達でもあるらしい。

アナウンサーだったのはB夫人なのか、それとも夫のAなのかがはっきりしない。前後の文脈から捕捉できないのであれば不親切な表現だ。どの語にかかるのかわからない修飾語は避けたい。

7修飾の順序

Aが私の親友のBに私がいらだつほど大嫌いなCを紹介した。

長い修飾語は原則として避けるべきだが、長くなった場合は先に記したほうがいい。「私がいらだつほど大嫌いなCを私の親友のBにAが紹介した」であれば、すっきり読める。

8接続表現の多用

法改正でかなりの規制が出てくるわけですが、マネーロンダリングとかに関してはいいのかもしれませんが、国がビットコインにお墨付きを与えたという認識が広がってしまうのではという危惧があるんですよね。

逆接の助動詞は話し言葉だと多用しがちだ。ひとつの文章を短くすれば少なくできる。助詞の「を」や「の」もひとつの文章で使いすぎないようにしたい。

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