日本企業に就職する外国人留学生が過去最多2.6万人に【グラフで解説】

日本企業に就職する外国人留学生が過去最多2.6万人に【グラフで解説】

出入国在留管理局は23日、日本の大学や専門学校を卒業したあと日本国内で就職するために在留資格を変更した外国人留学生が25,942人にのぼったと発表した。2017年を3,523人(前年比15.7%)上回り、過去最多という。

人手不足で外国人労働者に対する企業の需要が高まっているようだ。日本にくる外国人留学生も増えているという。

▼参考記事はこちら

外国人留学生、就職過去最多18年2万5千人、人手不足 – 共同通信

▼詳しいデータはこちら

平成30年における留学生の日本企業等への就職状況について – 法務省

外国人留学生の日本企業への就職状況

外国人留学生が日本で働くには在留資格を「留学」から就労目的の資格に変更する必要がある。

日本で就職する外国人留学生が増えている

2018年度に日本国内の企業への就職を目的として在留資格を変更した外国人留学生は25,942人だった。在留資格を変更をした人は、2014年からの5年間で2倍以上になっている。

在留資格は「技術・人文知識・国際業務」もっとも多く、全体の93.2%

日本で就職するための在留資格は「技術・人文知識・国際業務」が24,188人で、全体の93.2%を占める。機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師などの仕事に就くことができる。

日本で就職するための在留資格は「技術・人文知識・国際業務」が全体の93.2%

▼在留資格について詳しくはこちら

技術・人文知識・国際業務とは – 法務省

国籍別では「中国」がもっとも多く、全体の42.0%

国籍・地域別では中国(香港およびマカオをのぞく)がもっとも多く、10,886人で全体の42.0%を占める。ベトナム、ネパール、韓国、台湾の順でつづく。

国籍別では中国がもっとも多く全体の42.0%

伸び率がもっとも高かったのはネパールで44.8%だった。ネパールでは日本に留学したい学生が増えているという。

  1. 中国   10,886人 前年より560人(5.4%)増えた
  2. ベトナム   5,244人 前年より611人(13.2%)増えた
  3. ネパール   2,934人 前年より908人(44.8%)増えた
  4. 韓国     1,575人 前年より  88人(5.9%)増えた
  5. 台湾     1,065人 前年より255人(31.5%)増えた

地域別では「アジア」がもっとも多く、全体の95.3%

地域別では、アジア諸国で24,720人と全体の95.3%を占める。

地域別ではアジアがもっとも多く全体の95.3%

業種別では「非製造業」が多く、全体の 81.6%

業種別では非製造業が28,139人(81.6%)で、製造業は6,327人(18.4%)だった。

非製造業では、コンピュータ関連サービス2,876人(8.3%)と商業(貿易)2,827人(8.2%)が上位である。

外国人留学生が就職する非製造業 TOP 5

製造業では、一般機械967人(2.8%)と電機932人(2.7%)、食品887人(2.6%)が上位である。

外国人留学生が就職する製造業 TOP 5

職務内容は「翻訳・通訳」がもっとも多く、全体の23.6%

職務内容は翻訳・通訳が9,884人(23.6%)ともっとも多い。販売・営業5,615 人(13.4 % )、海外業務3,753 人( 9.0% )、技術開発(情報処理分野)2,717 人(6.5%)の順につづく。これら4つの職務内容で21,969人と全体の52.5%を占める。

就職先の業務内容は「翻訳・通訳」がもっとも多く23.6%

月額報酬は「20万円〜25万円」がもっとも多く49.7%

月額報酬が20万円以上25万円未満が12,896人ともっとも多く、全体の49.7%を占める。20万円未満が8,546人(32.9%)、25万円以上30万円未満が2,739人(10.6%)の順で続く。

月額報酬は「20万円〜25万円」がもっとも多く全体の49.7%

就職する企業の資本金は「500〜1000万円」がもっとも多く、全体の18.1%

資本金500万円以上1,000万円以内の企業に就職した留学生が4,690人(18.1%)ともっとも多い。

就職する企業の資本金は500〜1000万円がもっとも多く、全体の18.1%

就職する企業の従業員数は「50人未満」がもっとも多く、全体の36.7%

従業員数が50人未満の企業に就職した留学生が9,533人(36.7%)ともっとも多い。従業員が100人未満の企業に就職した留学生は12,148人と全体の46.8%を占める。

最終学歴は「大卒以上」が全体の66.4%

大学卒の留学生が11,285人(43.5%)ともっとも多く。専修学校卒が7,190人(27.7%)と続く。修士号または博士号をもつ留学生は5,931人(22.9%)いる。大卒以上の留学生が全体の66.4%を占める。

最終学歴は大卒以上が全体の66.4%

就職する企業の所在地は「東京」がもっとも多く、全体の46.1%

所在地が東京である就職する留学生が11,971人(46.1%)ともっとも多く、大阪2,598人(10.0%)、神奈川1,618人(6.2%)と続く。そのあとは愛知県、埼玉県、千葉県の順となる。

まとめ

ここまで外国人留学生の就職に限定してきたが、日本で働きたい外国人全体が増えている。

2018年に「技術・人文知識・国際業務」の残留資格を受けた外国人は41,510人で、前年比で11,445人(33.1%)増えている。

国籍別にみると、次の順になる。

  1. ベトナム 9,927人
  2. 中国   8,209人
  3. 韓国   4,606人
  4. インド  3,341人
  5. 台湾   2,316人

日本企業に就職する外国人留学生ではネパールが3位だったが、全体ではトップ5を外れた。

留学生に限定したデータと、外国人全体のデータでは傾向が違うところがある。比較してみるのも、おもしろい。

▼詳しくはこちらから

平成30年における日本企業等への就職を目的とした在留資格「技術・人文知識・国際業務」に係る在留資格認定証明書交付状況について – 法務省

 

 

 

日本企業に就職する外国人留学生が過去最多2.6万人に【グラフで解説】