集中力を高めるトレーニング|一点集中法で勉強のスイッチを入れよう!

集中力を高めるトレーニング|一点集中法で勉強のスイッチを入れよう!

短時間でより多くのことを効率的に記憶するには、集中力が必要だ。だが、勉強以外のことが気になり、いざ勉強しようとしても集中できない。「どうすれば勉強のスイッチが入るのだろう?」と悩んでいる人は多いはずだ。

そこで集中力を高めるトレーニング「一点集中法」を紹介したい。姿勢と呼吸を整え、ある一点をじっと見つめるだけで勉強のスイッチが入る。勉強のたびに一点集中法を繰り返すと、集中力を持続できるようになる。

勉強のスイッチを入れる儀式「一点集中法」

集中力とは、自分のすべてのパワーをある一点に集める力のことだ。勉強をするときには、他のことをまったく考えず、勉強だけにパワーを集中させたい。それができれば、短時間でより多くのことを効率的に記憶できる。

では、どうすれば勉強に集中できるのか。大切なのは、すぐに勉強を始めないことだ。

勉強する直前まで、食事をしたり、テレビをみたり、ネットをしたりなど、勉強以外のことを行なっている。また、その日起きた出来事なども頭の中でぐるぐる回っている。それら勉強以外のモノゴトを引きずったまま勉強を始めても、集中できない。

勉強に集中するためには、机に向かう前に頭と体を勉強モードに切り替える必要がある。勉強のスイッチを入れるためのおすすめの儀式が「一点集中法」だ。

一流のアスリートは集中するための儀式(ルーティン)を持っていることが多い。集中力を高める儀式を試合前あるいは試合中に行ない、高いパフォーマンスを発揮する。

有名なのはシアトル・マリナーズのイチロー外野手のルーティンだ。

  1. バッターボックス直前で屈伸する
  2. 打席に入ったあと、足場をならし、バットを足元で左右に揺らす
  3. ビッチャーとの距離を確かめるように、肩口を左手で抑えながら、バックスクリーンに向けてバットを立てる

イチロー選手はバッターボックスに入るたびにこのルーティンを繰り返す。集中力を高めるためだ。ルーティンが終わるころには、きっと相手のピッチャーしか見えていない。その後、信じられないほどの集中力でボールをヒットゾーンへ打ち返すのはご存知のとおりだ。

アスリートはこうしたルーティンをスイッチとして、意識を実戦モードに切り替える。勉強も同じだ。勉強を始める前のルーティンを作り、それを繰り返すことで、自然と勉強のスイッチが入るようになる。頭と体が集中モードに切り替わる。

集中力を高める「一点集中法」トレーニング

勉強のスイッチを入れるルーティンとしておすすめなのは「一点集中法」だ。一点集中法は集中力を高めるトレーニングとしても有効だ。

人間は焦っているときや動揺しているときなど、目がキョロキョロと上下左右に動く。目が泳ぐといわれる状態だ。

目が泳ぐのは、心の状態と目の動きが連動しているからだ。その証拠に落ち着いているとき、視線は定まっている。視線を安定させれば、心も落ち着き、その結果として集中状態に入りやすくなる。

ある一点をじっと見つめるトレーニングを行うことで、視点が安定するようになり、集中力を高めることができる。

では一点集中法のやり方を説明する。

集中力を高める呼吸法

集中力を高めるには姿勢が大事だ。姿勢が悪いと呼吸が浅くなり、脳の酸素が不足する。頭がぼーっとし、集中力が低下する。まずは深呼吸をし、脳に酸素を送ってあげることで、集中しやすい状態を作る。

  1. 椅子に浅く腰をかけ、肩をぎゅっと上げたあと、ストンと落とし上半身を脱力させる
  2. ひざの上に手を置き、手のひらを上に向ける
  3. 軽く目を閉じ、空気を体のすみずみまで行き渡らせるイメージを持ちながら、鼻から5秒間、大きく息を吸い込む
  4. 次に3秒間息を止める
  5. 頭の中のもやもやを体の中の空気とともに吐き出すイメージで、8秒かけて口から息を吐く
  6. 一連の動作(5秒間息を吸い込む→3秒間息を止める→8秒間息を吐く)を3回ほど繰り返す

一点集中法のやり方

呼吸法でリラックスできたら、自分の手や指の一点をじっと見つめながら、20秒ほど息を吐く。手のひらや紙にペンで小さな点を書いても、遠くのある一点を見つめてもいい。

一点への集中力が高まってくると、目を動かさなくても認識できる範囲(周辺視野)が広がっていく。周辺視野が広がると、一度に多くの情報をインプットできるようになる。

テキストを読んでいるとき、目で追っている文字だけでなく、まわりの文章も頭の中に入ってくる。テキストから頭に入ってくる情報が増え、一度で多くのことを記憶できる。

視点を定めず、ぼんやりとテキストを眺めているだけでは、読んでいる文章さえ上の空のはずだ。

集中力を持続させるには一度リセットする

「集中力が続かない」と悩む学生や社会人は多い。しかし、集中力が持続しないのを思い悩む必要はない。長時間、机に向かって勉強をしたり資料を作ったりしている人も、じっさいはずっと集中しているわけではない。集中するのが上手な人は、集中とリセットを短時間のあいだに繰り返している。

さきほど、イチロー外野手がバッターボックスに入るときのルーティンを紹介した。そのとき書いたとおり、イチロー選手はピッチャーが一球投げるごとに打席を外し、再度ルーティンを行う。一球ごとに集中力をリセットし、もう一度ルーティンを行うことで集中のスイッチを入れ直す。すべての投球に対して集中力を高めたまま望めるのは、集中とリセットを繰り返しているからだ。

勉強でも、ずっと集中を持続させる必要はない。問題集に取り組むときは、大問を1問解くごとに一度集中をリセットする。次の問題に望む前に姿勢と呼吸を整え、一点を見つめる「一点集中法」を行う。心が落ち着き、また集中力が戻る。

テストなどで問題が解けなかったときにも、一点集中法が役立つ。解き方がわからなくて「どうしよう」とあせると鼓動が速くなる。きっと目も泳いでいるはずだ。そこで気持ちをリセットするために、背筋を伸ばし呼吸を整える。再度、一点集中法を使って集中し直せば、まっさらな気持ちで次の問題に取り掛かることが可能だ。

このように集中とリセットを交互に繰り返すほうが、集中できていない状態で歯を食いしばりながら机にかじりついているよりも、よっぽど効率よく勉強できる。長時間勉強を続けても、飽きずに済む。

集中力を高めるトレーニングを続ける

一点集中法をはじめたばかりころは、集中力を持続させるのがむずかしいかもしれない。それでも、あきらめずにトレーニングを続けると、集中力は高まる。

大切なのは「集中できない」と自分を責めないことだ。5分でも10分でもいいので、集中できた自分をほめてあげる。あせらずに少しずつ集中できる時間を延ばしていけばいい。

まずは小さな目標を立ててそれをクリアすること。「集中できた」という成功体験を積み上げていくのが大事だ。勉強なら、テキストを1ページ読む、問題を1問解く。小さなゴールを設定し、少しずつゴールまでの距離を伸ばしていく。毎日繰り返すうちに、濃度の高い勉強時間を過ごせるようになるはずだ。

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