生産性の向上する整理アイデア20 仕事がデキる人の「毎日5分」の習慣

生産性の向上する整理アイデア20 仕事がデキる人の「毎日5分」の習慣

生産性の向上には整理が欠かせない。散らかった机は集中力を削ぎ、探し物には時間がかかる。スムーズに仕事が進まず、ストレスも溜まる。

このような環境では生産性の向上は望めない。まわりがアスファルトを走っているのに、ひとり砂浜を走っているのだから。タイムが出ないのもうなづける。

働き方改革で仕事の効率化が話題となる昨今、ビジネスパーソンにとって整理が苦手なのは大きなハンデとなる。

だが、考えなしにオフィスを片付けても生産性の向上にはつながらない。それどころか、仕事の効率がかえって悪くなる。

生産性の高い人たちが実践する、簡単で、すぐに効果がでる20の整理術を紹介する。

整理はなぜ、生産性を向上させるのか?

「また散らかして。部屋を片付けなさい」。小さい頃に母親によく言われた。床に散らばった洋服や雑誌をクローゼットに押し込んだ。とにかく見た目を整えた。経験のある人も多いだろう。

見た目を整えるのは確かに整理だ。でも、仕事で求められるのはそういう整理ではない。

「 生産性の向上を目指した結果として見た目もきれいになる」。仕事で必要となる整理の考え方だ。「生産性の向上」が先にきて、「見た目のきれいさ」があとに続く。順番を間違えてはいけない。

書類のペーパーレス化が進んでいる。書類を電子化してクラウド上に保存すれば、紙の書類が減り、オフィスが片付く。パソコンが軽くなる。環境に優しく、経費削減にもなる。

だけど、ペーパーレス化の本来の目的は紙を減らすことではない。仕事を効率化して生産性を向上させることだ。キーワードで検索するだけで必要な情報がすぐに取り出せるシステムを作り、外出先でも仕事ができる環境を作ることだ。オフィスがきれいになったり、環境に優しかったり、経費が削減できたりするのは、 「生産性の向上を目指した結果としてそうなった」という副産物に過ぎない。

整理自体に時間や手間をかけるのは、生産性の向上とは真逆の行為だ。必要以上に書類を細かく分けたり、ファイルにきれいにラベルを貼ったりする必要はない。「整理すること」が目的になっている。

「使用頻度が高いものを使いやすい場所に置く。それ以外のものは目につく場所に出さない」。生産性を向上させる整理の基本となる。欲しい時に、必要な情報や仕事道具がすぐに見つかる環境を整えれば、オフィスはおのずときれいになる。

また、最近では頭のなかの整理も必要になってきた。ITが進化して、目や耳から入ってくる情報が大きく増えた。

だが自分が思っているほど、人は多くの情報を処理できない。人間の脳は進化していない。手書きで書類を作り、新聞の記事をはさみで切り取ってファイリングしていた頃のままだ。

情報の取捨選択が必要となる。膨大な情報の中から仕事で役立つ情報を見つけ出す力が、現代のビジネスパーソンには必須といえる。

情報の整理能力も求められる。必要な情報を必要なタイミングで取り出せなければ、宝の持ち腐れとなる。

なにが必要でなにが不要なのか、情報や仕事道具を取捨選択すること。さらに、すぐに使えるように整理することが仕事では大切になる。

生産性の向上する整理アイデア20

では生産性の向上する整理のアイデアを紹介する。次の順番で進めていく。

・ 整理を始める前に
・ 机周りの整理
・ 書類の整理
・ 本棚の整理
・ 鞄の整理
・ 名刺の整理
・ パソコンの整理
・ スマホの整理

整理を始める前に:目的をはっきりさせる

「なぜ片付けるのか」。片付けを始める前に整理の目的をはっきりさせる。

たとえばデスクを整理するなら「残業を減らすデスク」「定時で帰るデスク」「売り上げが増えるデスク」など、目指すデスクの姿を思い描き、イメージを言葉にしてみる。

「どうしたら目指すデスクが完成するか」という方向に意識が向かう。「片付けること」自体が目的にならずに済む。整理のアイデアも浮かびやすくなる。

整理を始める前に:片付ける場所を付箋に書き出す

「どこから手をつければいいかわからない」。整理が苦手な人はスタートからつまづく。

まずは走り出す準備だ。片付ける場所を付箋に書き出す。「デスクの上」「上段の引き出し」「ペン立て」など、付箋1枚にひとつずつ分ける。5〜10分で終わる作業する。

付箋は重ねて毎日1つずつ順番にやる。日めくりカレンダーの要領だ。付箋の束が薄くなっていく様子は達成感を得る。苦手意識が次第になくなり、整理が習慣になる。

整理を始める前に:朝のルーティンを決める

整理が苦手な人は片付けの優先順位が低い。使ったものを元の場所に戻すことすら面倒くさがる。あるいは殿様にでもなった気でいるのかもしれない。下々の者が片付けるよ、と。

整理の習慣が必要だ。朝のルーティンを組もう。仕事前に毎朝10分間やることを決める。そのなかに片付けを組み入れる。

朝のルーティンの例をあげる。

  1. タイマーを起動する(10分)
  2. ゴミ箱を空にする
  3. 机の上のものをどける
  4. 机の上を拭く
  5.  名刺を整理する
  6.  名刺を補充する
  7. 不要な書類を捨てる
  8. 机の上に仕事道具を並べる
  9. コーヒーを入れる

朝のルーティンは仕事モードに切り替わるスイッチになる。スポーツ選手がよく取り入れている。眠るように仕事に入っていけるようになる。羊を数える必要はない。

机周りの整理:毎日使うものを使いやすい場所に置く

机の上には不要なものを出さない。探し物が増えて時間が取られる。

なにが必要でなにが不要なのかは、次の方法で決める。まずは机の上のものを3つに分ける。

  • よく使うもの
  • たまに使うもの
  • 使うかもしれないもの

2日に1回以上使うものは「よく使うもの」だから机の上に置く。ペン立てには、よく使う筆記用具だけを入れる。

それ以外のものは机の下に紙袋やボックスを用意してその中に入れる。この状態で1ヶ月ほど様子をみる。

1ヶ月後にもう一度分類し直す。紙袋から取り出す頻度が高かったものは「よく使うもの」に昇格させ、机の上に置く。「たまに使うもの」は引き出しに入れる。1ヶ月間でまったく使わなかったものは「使うかもしれないもの」となる。捨てるか、同僚の引き出しにこっそり入れる。

また、人には使いやすい配置がある。たとえば右利きの人はパソコンを中心として書類立ては右で電話は左。ペン立ては右、コーヒーカップは左だ。

無駄な動きは集中を妨げる。右側のものを左手で取ったり、右手でとって左手に持ち替えたりするのはストレスとなる。初めから左側に置く。動きがスムーズになり、集中力が途切れにくくなる。

配置が決まったらその場所をマスキングテープで囲う。使用後に元に戻す意識が働きやすくなる。

机周りの整理:引き出しは仕事道具と私物を分ける

引き出しにもルールを設ける。上段には筆記用具やポストイット、修正テープなど文具を入れる。仕切りになるケースを入れて、よく使う文具を手前にもってくる。使う機会が少ない文具は総務部に返すか、同僚に進呈する。

中段には目薬や手帳、チョコレートなど私物を入れる。ここは細かく分ける必要はない。

下段には保管書類を入れる。横置きタイプのファイルボックスに立てて入れる。

机周りの整理:引き出しの書類は個別フォルダで管理する

引き出しで書類を管理するときは個別フォルダが便利だ。

個別フォルダには見出しがついている。見出しが見えるようにボックスファイルに入れれば、引き出しをあけるだけで目当ての書類が見つかる。見出しには「定例営業会議」「A社見積もり」「B製品原価計算」など書類の内容を書く。

中身の書類がすぐに取り出せるのも個別フォルダのメリットだ。厚紙ファイルやバインダーは、中身を見るのに本体ごと取り出す必要がある。机の上に出した時もかさばる。

新しく書類をしまうときも楽だ。挟むだけで済む。穴を開けるなど面倒な作業がない。保管を後回しにしなくなる。

書類の整理:捨てる判断に迷う書類は保留箱に入れる

残すか捨てるか、判断に迷う書類がある。

法律や社内のルールで保管期間が決まっている書類以外は捨てて構わない。ほとんどの書類はパソコンで作ったデータを印刷しただけ。元データを管理している人物がわかっている場合は必要ない。紙の書類で残すくらいなら元データをもらう。場所を取らず管理も楽だ。

それでも迷う書類は「保留箱」を作って入れる。保留期間は一ヶ月と決める。期間内に一度も使わなかった書類は処分するか、データ化する。

書類の整理:机の上の書類は3種類に分ける

机の上で保管する書類は3種類に分ける。ブックエンドやボックスファイルで区切る。

左側には、プロジェクトに関する企画書など「進行中の書類」を入れる。

中央には、急いで処理するように上司から頼まれた仕事など「緊急で処理する書類」を入れる。なにも入っていないのが理想だ。

右側には、進行中のプロジェクトで参考になる雑誌や書籍など「緊急性はないが目を通す必要がある書類」を入れる。

以上の条件に当てはまらない書類は机の上に出さない。捨てるか、引き出しにしまっておく。

これで仕事が「見える化」できる。仕事の優先順位や、抱えている仕事量がひと目でわかる。やるべき作業がはっきりして、次になにをするか迷わない。書類を探す時間も大幅に減る。

書類は案件ごとにクリアファイルに入れる。すべての案件が透明のクリアファイルだと見分けづらい。色や柄を変えたり、マスキングテープを貼ったりして区別する。

本棚の整理:共有資料は収納場所と背表紙に目印をつける

職場で共有する書籍や雑誌があるべき場所で見つからないことがよくある。まったく関係のない棚で見つかったりする。むかつく。

読み終わった後に戻さな人が120%悪いのだが、戻す場所がわかりにくいのも原因のひとつだろう。

資料の背表紙と収納場所に目印をつける方法がある。

たとえばファイルボックスに収納する場合は、資料の背表紙とボックスに同じ色のマスキングテープを貼る。あるいは太めのマジックで色をつける。目当ての資料が見つかりやすく、戻す場所もわかりやすい。

本棚の整理:読みおわった本は逆さまにして右側から戻す

参考資料で本や雑誌に目を通すことがある。本棚はすぐに満席になる。やむなく横置きで積み上げる。読んだのか読んでないのか、まだ必要なのか処分していいのかわからなくなる。

そこで本棚に3つのルールを設ける。

  1. 本は横に寝かさない
  2. 読みおわった本は上下逆さまにして右端から本棚に戻す
  3. 読みかけの本を本棚に戻すときは逆さまにせずに右端から戻す

このルールで重要度が見える本棚になる。読まない本は左側に流されていく。よく手に取る本は右側に残る。本棚が埋まったら左端の本から処分を検討する。

本棚の整理:本棚の2列目はティッシュ箱で底上げする

本が増えると前列・後列に分けて本棚に収納することがある。前列の本に隠れて後列の本はタイトルが見えない。目当ての本を探すのに時間がかかる。前列の本を動かしつつ探すのもめんどうだ。

後列の本の下にティッシュ箱を置いて底上げする方法がある。ティッシュ箱の短辺は文庫や新書サイズで、高さは10センチほど。タイトルの前半部分が見えるようになる。

鞄の整理:帰宅後は鞄の中身をトレーに出す

忘れ物が多い人は決まって鞄の中が整理できていない。使わないものが入れっぱなしで余計な荷物が増えていく。鞄の中に何が入っているかわからなくなる。名刺の補充を忘れたり、ボールペンのインクがなくなっていたり、うっかりミスが起きる。

忘れ物をなくすには帰宅後に鞄の中身をすべてトレーに出す。スマホは充電器に本は本棚にと、トレーの中身を確かめながら定位置に戻していく。「名刺が減っている」「ボールベンのインクが切れそう」といった不備に気がつく。

毎日持っていくものはチェックリストを作り、トレーといっしょに置く。チェックリストは翌朝、鞄に入れる順番で並べる。項目を飛ばすと入れ忘れる。どこに入れるのか、鞄の中の定位置も決める。

追加で必要なものは付箋に書いてチェックリストに貼る。翌日のスケジュールを見て前日のうちに確かめておく。「新幹線に乗るからアイマスクとモバイルバッテリーを入れる」「プレゼンだからのど飴を持って行く」など思いつく。翌日の行動のクオリティーが上がる。

鞄の整理:荷物は定位置に縦に入れる

鞄の中で荷物が行方不明になり手間取ることがある。手帳やデジカメがすぐに取り出せずにタイミングを逃したり、面談相手を待たせたりする。

荷物は鞄の中で定位置を決めておく。持ち歩くものは毎回決まっている。名刺やメモ帳、電卓といった細かい荷物は鞄の中のポケットに入れるか、ポーチにまとめる。大きな荷物は書類を仕切りにして上下に分ける。上にパソコンを入れて下にデジカメや充電器のポーチを入れる。

荷物は縦に入れるのもポイントだ。積み上げるから鞄の奥へ隠れて見えなくなる。一部が見えるように差し込むように入れていく。

鞄の整理:バッグインバッグを持ち歩く

フリーアドレス制のオフィスで働く人や、会議や打ち合わせが多い人はバッグインバッグが便利だ。手帳や筆記用具、目薬、充電器といった必需品がまとまる。

社内ではバッグインバッグを持ち歩く。「あれがない、これがない」と移動先で困らない。移動のたびに準備する手間も省ける。

名刺の整理:名刺には日付スタンプを押す

名刺は「検索」できるように保管する。交換した日を日付スタンプで押しておく。社名や名前が思い出せなくても手帳には会った日が書いてある。その日付で探せば目当ての名刺が見つかる。

整理方法はアナログとデジタルがある。アナログで整理する場合は日付ごとに並べて輪ゴムで止める。同じ会社の複数人と交換したときは、いちばん印象が深い人の名刺を先頭に置く。記憶がよみがえりやすい。ボックスを用意して時系列順に入れる。

デジタルで管理する場合は、名刺をスキャンしてPDFにする。検索しやすいように、PDFのタイトルには日付を入れる。データ化が済んだ名刺は捨てる。「Eight」などの名刺管理ソフトを使う方法もある。

どちらの方法で管理するかは働き方で変わる。内勤の人はすぐに名刺本体が確認できる。アナログ管理で十分だ。外出が多い人は名刺が手元にないことが多い。デジタル管理がおすすめだ。

名刺の整理:名刺は3年で捨てる

名刺は捨てにくい。「いつか連絡する機会があるかも」。そう考えてコレクションが増えていく。だがその機会は定年まで来ない。

名刺の保管は3年が目安だ。多くの企業は2〜3年ごとに人事異動をする。つながりが必要なら相手から連絡がくる。こちらも連絡をする。どちらからも連絡しないのは、お互いに相手を必要としていないからだ。

名刺は年単位でまとめておき、交流なく3年が過ぎたら捨てる。

パソコンの整理:保存先が未定のファイルは「一時保存」フォルダに入れる

ファイルやフォルダでデスクトップが埋め尽くされる。保管場所が決まっていないのが原因だ。メールの添付ファイルや、ワードやエクセルで作った文書を「とりあえず」デスクトップに保存している。

一時保存ファルダを作ると、デスクトップがすっきりする。保存先が未定のファイルはすべて一時保存フォルダに入れる。ファルダ内は時系列順に並ぶように設定しておく。あとでファイルが探しやすい。

ただし一時保存フォルダはあくまで仮置きの場所だ。入れっぱなしにするのではなく、定期的に整理する。「3日に1回」「火曜日と木曜日」など、保存期間や片付ける曜日を決めて、新しい保存場所に移すか、ゴミ箱に入れる。

パソコンの整理:フォルダは3階層に分ける

データは3階層のフォルダで管理するのがおすすめだ。3つの項目でフォルダを作る。

  • 企画書・請求書など「書類の種類」
  • 社名・顧客名など「相手先」
  • 月次・年度など「時系列」

階層を作る順番は仕事によって変わる。ルート営業など特定の顧客への提案が主な仕事の場合は、「顧客名」>「月次」>「書類の種類」の順番で並べる。ファイルが探しやすい。

たとえば「A社」>「2019年10月」>「見積書」とする。

スマホの整理:スマホはケースに立てて机の上に置く

書類の下に隠れてスマホはよく行方不明になる。着信音は聞こえているのに見つからない。電話にでるのが遅くなる。慌てて机の上が乱れる。

スマホの定位置が決まっていないのが原因だ。じか置きはやめてケースに立てて置くようにする。誰からの電話なのかがすぐにわかり、会話までの流れがスムーズに進む。机の上も乱れない。

スマホの整理:アプリをまとめた画面を目的別に作る

スマホには便利なアプリがたくさんある。「これ、無料でいいの?」。ときにお宝アプリに出会う。ついつい、ダウンロードを繰り返してしまう。スマホの画面にはアプリがずらり並び、目的のアプリを探すのに時間をとる。

アプリを目的別にまとめる方法がある。「勉強用のアプリ」「出張用のアプリ」「クーポン付きのアプリ」など、画面ごとにテーマを決めてアプリを集める。

フォルダを作る方法もあるが、ファルダを開かないとアプリが見えない点でいまいちだ。スッキリ度は高い。

まとめ 5分の積み重ねが生産性を向上させる

生産性が向上する整理アイデアを紹介してきた。

生産性を向上させる方法は2通りある。パソコンで書類を作るケースを例に説明する。

ひとつはスキルアップ。文章力が上がったりタイピングが速くなったりすれば生産性は向上する。

もうひとつは集中できる環境づくり。キーボードから両手を離さずに済む環境を作れば生産性は向上する。その環境を作るのが整理であり、この記事で紹介したアイデアだ。

紹介した整理アイデアはせいぜい5分程度の時短にしかならない。がっかりした人も多いだろう。

だけど、その5分の積み重ねはバカにできない。相乗効果を生むからだ。無駄な動きを省いたり、探し物を減らしたり、ちょっとの工夫で集中力が昨日より長く続くようになる。

さて、今日はどこを整理しようか。

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