オンライン会議やオンライン飲み会といった、スマホやパソコンのアプリを使って離れた相手と画面越しに会話をする機会が増えてきた。
だけどみなさんまだ慣れていないのか、いろんなトラブルが起きている。「相手がなに言ってるのかわかんない」という音声の問題もそのひとつだ。オンライン会議において聞こえづらいというのは大きなストレスとなる。
とはいっても、なんども聞き返すのは空気が読めていないみたいだし、あるいはイジメてるみたいだし、「聞こえないんですけど」なんてそもそも上司には言えないし、逆になんども聞き返されると画面から消えたくなるし……。こんなんじゃ仕事にならない、というときがある。
オンライン飲み会でも同じだ。会話のキャッチボールがうまくいかないと、楽しめるものも楽しめない。「オンライン〇〇」においては、クリアな音声というのは最低限のマナーなのだ。
ということで、この記事ではオンライン会議のマイクとイヤホンの選び方を、おすすめの商品とともに紹介する。
mokuji
オンライン会議でノートパソコン内蔵のマイクは使わないでください
ノートパソコンの内蔵マイクをオンライン会議で使うのは、相手に対する嫌がらせといってもいいだろう。ノートパソコンの内蔵マイクというのはそれほど性能が低い。一応つけときますね、という程度のおまけである。
内蔵マイクはディスプレイに向かってまっすぐにしゃべっているときの声しか拾ってくれない。ちょっと顔がずれるだけで、相手には聞こえないか、あるいは聞きづらいのである。
たとえば、机に置いた資料をみながら発言するときには、ディスプレイと資料のあいだを顔が行ったり来たりするけれど、相手には声が近づいたり遠ざかったりというふうに聞こえているわけである。
またオフィスのように広いところでは、自分の声があたりに拡散する。ちゃんとマイクに向かって大きな声でしゃべってくれないとまったく聞こえない。それ以上に、ノートパソコンに向かって懸命に話しかける姿というのは、まわりからみるとかなりこっけいである。
じゃあどうすればいいんだよ、というと、新しくマイクを買えばいいのである。というか、お願いだからそうしてください。
オンライン会議でおすすめのマイクとイヤホンの選び方
オンライン会議でおすすめのマイクとイヤホンといっても、その選択肢はけっこう広い。
オンライン会議にだけ使うなら安いヘッドセットやピンマイクでいいし、プライベートと兼用したいとか、スマホでも使いたいとかいうなら、ちょっと高いけれどワイヤレスのイヤホンのほうがいい。
ということで、オンライン会議でしか使わない人とそれ以外でも使いたい人の2パターンで、おすすめのマイクとイヤホンをみていくことにする。
オンライン会議にしか使わない人は「ヘッドセットやピンマイク」がおすすめ
オンライン会議でしか使わないという人には、コールセンターで使うようなヘッドセットや、胸もとにくっつけるピンマイクがおすすめである。
ピンマイクは服にこすれると、がさがさという雑音が入ることはあるけれど、小さな声でもきちんと拾ってくれるし、オフィスなど雑音の多いところでもストレスなく使える。
オンライン会議で使うヘッドセットやピンマイクは、高いものをわざわざ買わなくていい。有線(コードつき)にはなっちゃうけれど、Amazonで2000円くらいで売っているもので不足はない。
ヘッドセットはAmazonの「PC用ヘッドセットの売れ筋ランキング」があるので、そちらを参考にしてください。髪型が崩れちゃうのイヤという人には、オーバーヘットタイプよりネックバンドタイプがおすすめだ。
ピンマイクのおすすめはAmazon任せにせずにきちんと紹介する。2000円前後でコスパが高いものを選んだ。
OKWINT『コンデンサーマイク』
Amazonの「マイク・クリップホルダー」部門でベストセラー1位。全指向性のマイクで、360度どこからでも声を拾う。コスパは最高なので、使えればどれでもいいよ、という人はこれがいい。
OLYMPUS『単一指向性マイクロフォンセット ME52W』
単一指向性で正面からの音以外は拾わないから、自分の声だけを伝えられる。騒がしいオフィスや子供のいる家など、まわりの雑音が気になる環境でオンライン会議をする人はこれがいい。
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SONY『コンデンサーマイクECM-PC60』
Amazonの「コンデンサーマイク」部門ベストセラー1位。卓上マイクだけど、取り外すとピンマイクとして使える2wayタイプ。体にくっつけるのイヤとか、デスクにおいて使いたいとk、そういう人はこれがいい。
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iGOKU『ピンマイク』
USBでPCと接続するタイプ。USBをPCに差し込むだけで内蔵マイクからピンマイクに切り替わる。電池もいらないので、めんどうくさいこと嫌い、という人はこれがいい。
仕事以外でも使いたい人でiOSとMAC OSユーザーは「AirPodsシリーズ」がおすすめ
AirPodsシリーズは、オンライン会議で声が聞き取りやすいと評判である。
AirPodsシリーズには、自分がしゃべる声とまわりの雑音とをマイクが聞き分けて、そのバランスをとってくれるという機能がある。相手には自分の声だけがはっきりと聞こえる。
値段はちょっとお高いけれど、iOSとMAC OSユーザには、これ一択でしょ、といってもいいイヤホンである。
iPhoneに付属している白いイヤホンは声がこもってしまうと評判があんまりよくないので、オンライン会議で使うのはおすすめしない。
Apple『AirPods』
iOSとMAC OSユーザーにとってはベストバイ。接続するのも音声を設定するのも、とにかくかんたん。ワイヤレス充電器ケース付きのモデルもある。
Apple『AirPods Pro』
他社を圧倒するノイズキャンセリング機能で、騒がしい屋外でも自分の声だけを相手に届けることができる。まわりの雑音が気になる人はこっちがいい。
仕事以外でも使いたい人は「ブルートゥース対応のワイヤレスイヤホンやヘッドホン」がおすすめ
AirPodsシリーズもそうだけれど、ブルートゥース対応のイヤホンやヘッドホンはオンライン会議以外でも使える。
たとえば音楽を聴いたり動画を観たりと、普段使いができるというのは魅力だ。値段は少し高くなっちゃうけど汎用性に優れる、というのがヘッドセットやピンマイクとの違いである。
ブルートゥース対応のイヤホンやヘッドフォンは、使っているスマホとメーカーを合わせておくのもひとつの手だ。同じメーカーだと接続や設定がかんたんになる。たとえばGalaxyには「Galaxy Buds+」、AQUOSには「AQUOS サウンドパートナー」がある。
ワイヤレスイヤホンは、左右のイヤホンのマイクとスピーカーが独立しているタイプが便利である。片耳だけにつけると、まわりの声が聞こえるし、交互に充電できるからバッテリー切れの心配もしなくていい。このタイプはだいたい5000円くらいから手に入る。
まわりの雑音を完全に消し去りたい人には、ノイズキャンセリング機能のついたモデルがおすすめだ。ノイズキャンセリング機能付きのものは15000円くらいから売っている。
また、ワイヤレス充電や急速充電の機能がケースについていると、さらに便利だ。オンライン会議が連続したりするとイヤホンのバッテリーが心配になってくる。バッテリーが途中で切れちゃったりすると、社内の人ならドンマイで済むけれど、取引先が相手だとちょっとややこしいことになるかもしれない。
シャープ『AQUOSサウンドパートナー』
重量88gと、かなり軽量な首かけタイプのマイクとイヤホンである。オンライン会議が長引いても、耳が痛くならないのはうれしい。1日中つけてたって快適に過ごせる。
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Anker『Soundcore Liberty Air 2』
左右のイヤホンを別々に使えるタイプで、ワイヤレス充電にも対応している。急速充電ができて、10分間の充電でおそよ2時間使える。片方ずつ充電すれば、ワイヤレスイヤホンにありがちな「充電切れちゃった」問題から卒業できる。
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カジュアルな職場やオンライン飲み会では「ゲーミングヘッドセット」もおすすめかも?
オンラインゲーム用のゲーミングヘッドセットも、人によってはおすすめできる。ゲーミングヘッドセットはオンラインゲームを長時間プレイすることを想定して設計されている。装着感に優れていて疲れを感じにくい。
また、オンラインゲームはチームのメンバーとの会話も楽しみのひとつなので、マイク・スピーカーともにかなり高音質に作られている。
ある一部の人にしかおすすめできない理由は、ちょっと大きくてデザインも威圧感があるからである。オンライン会議ではちょっと使えない。ただし、カジュアルな職場やオンライン飲み会で使う分にはほんとうにおすすめである。
Razer『Kraken』
マイクとスピーカの音質だけではなく、装着感にもこだわったモデル。イヤーパッド(耳あて)には、Razer 独自開発の冷却ジェルを内蔵されているので耳がムレない。夏でもヘッドホン派におすすめ。ほかのゲーミングヘッドセットに比べるとデザインは控えめ。
有線のマイクやイヤホンをスマホに接続する方法
iPhoneはライトニング端子で、AndroidのほとんどはUSB-TypeCと、スマホの接続端子はミニジャック接続のマイクやイヤホンに対応していない。スマホでも使いたいときには変換アダプターが必要になる。
変換アダプターは「DAC機能」付きのものを選ぶ。DAC機能とはデジタル信号とアナログ信号に変更する機能である。ヘッドセットやピンマイクによっては、この機能がないと使えないことがある。
Apple『Lightning-3.5mmヘッドフォンジャックアダプター』
iPhoneの人はこれにする。ミニジャック対応の安いヘッドセットやピンマイクもかんたんに接続できる。
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エレコム『ヘッドフォンアダプター変換ケーブルAD-C35SDBK』
USB Type Cしか端子のないスマホにはDAC機能のあるこれがおすすめ。変換アダプターはもっと安いものもあるけれど、そのほとんどはDAC機能がついていない。間違えて買っちゃうとかなしい。
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Glazata『Type C to 3.5MM イヤホン変換アダプタ2-in-1』
ミニジャックにマイクやイヤホンを接続しながら同時に端末の充電もできる。オンライン会議が長びいてもバッテリー切れの心配がないのは心強い。会議によく出席する人はこれがおすすめ。
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オンライン会議でワイヤレスイヤホンを使うときの注意点
ワイヤレスイヤホンは電波の干渉をうけることがある。2.4GHzの周波数のブルートゥースはテレビや電子レンジ、無線マウス、同じ周波数のWi-Fiと干渉しやすい。
音の途切れを雑音を耳もとで感じたときには、これらの電化製品から距離をとるようにする。いすの位置をちょっとだけ動かすだけで解消されることが多いので、気にするほどのことではない。
オンライン会議のマナー
マナーというとちょっと大袈裟だけれど、オンライン会議ではこれやっといたほうがいいよ、という行動を紹介する。
オーディオ設定を確認する
オンライン会議の前にはアプリ側で音声のチェックを済ませておく。
たとえばZoomでは、オーディオ設定画面でマイクの音声テストができる。マイクの音量は「入力音」のところで調整する。自分の声を聞いて小さいと感じたときはマイクの感度をあげる。
それと、使用するマイクやスピーカーを選ぶことも忘れないように。スマホやパソコンときちんと接続されているなら、オーディオ設定画面のプルダウンメニューから選べる。
声の大きさを参加者に確認する
ルームに入ってあいさつをするときに、「声の大きさはこれでいいですか?」と相手に確かめる。こちらから聞くと、ちょっとうるさいとか、聞こえないとか、教えてもらえる。オンライン会議では、こういうちょっとした気遣いを大切にしたい。
オンライン会議中に席を離れるときはイヤホンをはずす
ワイヤレスイヤホンを使っている人は、席を離れるときにイヤホンをはずすか、ミュートにする。そうしないといろいろな音が参加者に聞こえてしまう。具体的には言わないけれど、恥ずかしい思いをするのでぐれぐれも気をつけてください。
オンライン会議におすすめのマイクとイヤホンの選び方 まとめ
この記事をまとめるとこうなる。
- オンライン会議や飲み会では、なに言ってるかわからない、という音声のトラブルがよく起こる
- ノートパソコン内蔵のマイクは低スペックである
- オンライン会議でしか使わない人には、安いヘッドセットやピンマイクがおすすめ
- アップル好きの人には、AirPodsシリーズがおすすめ
- 仕事以外でも使いたい人には、ブルートゥース対応のワイヤレスイヤホンやヘッドホンがおすすめ
- ゲーミングヘッドセットもおすすめだけど、オンライン会議では使いづらい
- オンライン会議がはじまる前にアプリ側で音声テストをする
- オンライン会議がはじまったら、声の大きさがちょうどいいか聞く
- オンライン会議を途中で離れるときはワイヤレスイヤホンをはずす
- オンライン飲み会ではワイヤレスイヤホンをわざとつけたままトイレにいくと盛り上がる