字が汚い人必読!きれいな字を速く書く「六度法」の3つのルール

字が汚い人必読!きれいな字を速く書く「六度法」の3つのルール

パソコンでの文章作成が当たり前になっても、手書きで文字を書く機会は多い。会議、商談、電話などのメモ書き、ハガキなどの宛名書き、年賀状の一言書きは、今も手書きだ。

忘れてはいけないのが履歴書。デジタル機器と共に育った世代が、一生懸命に字を書いているのを想像すると、なんだかおかしい。日本には手書き文字に対する大変なこだわりがあるようだ。字が汚いのは、いつの時代も肩身が狭い。

ビジネスの現場では、きれいに速く書くことが求められる。速く汚い字では、見返すとき読みづらい。ゆっくりきれいに書けば、話し手から置いてけぼりを食らい、飛び飛びのメモになる。

きれいに、速く字を書くためのルールとは何か。「六度法」の3つのルールを紹介する。

六度法とは

六度法は、富澤敏彦氏が国語教員時代に初めて考え出した、日本初の字形整正技術だ。宮澤氏は『実用のための書写教育ー六度法』で第54回読売教育賞最優秀賞を受賞している。

宮澤氏によると、「美文字」と「きれいな字」は別物。何を美しいと感じるかは、人によって変わる。読みやすい「きれいな字」には、「美しい字」とは違い、法則性や規則性があり、ルールさえ身につければ、誰にでも習得できるという。

その「きれいに」、かつ「速く」書くルールをまとめたものが六度法だ。

→ 六度法公式ホームページ

六度法の3つのルール

六度法には次の3つのルールがある。

  1. 右に六度上げて書く
  2. 右下に重心をかける
  3. 平行する線は等間隔に

それぞれのルールを説明する。お手本を見ながら読み進めてもらいたい。

1右に六度上げて書く

漢字の横画の傾きを右上がり6度にする。「小」のように縦画が並んでいる字は、それぞれの画(かく)の始点を右上がり6度に並べる。

漢字

六度法で書いた漢字の例1

横画を右上がり6度に。横画や店のスタート位置も右上がり6度で並ぶようにする。左右のパーツが分かれている場合も、横画や点が右上がり6度に並ぶように。

ひらがな

六度法で書いたひらがなの例

漢字のルールと同じく右に6度上げて書く。ただし、「く」「こ」「の」「へ」は例外。

カタカナ

六度法で書いたカタカナの例

漢字のルールと同じく右に6度上げて書く。ただし、「イ」「ト」「ノ」「ヘ」「ム」「メ」「レ」は例外。

2右下に重心をかける

右に上げただけでは字が傾いてしまう。右下で書き終わる部分を「引っ張る」ことで中和させる。

六度法で書いた漢字の例2

 右下に向かう縦画を「引っ張る」。右斜め下に向かう右払いも「引っ張る」。右下コーナーに向かう線や点は伸ばす。

3平行する線は等間隔に

「用」「皿」などの字で平行している線の間隔を等しくする。

六度法で書いた漢字の例3

平行する線の間隔を等しくする。

字が汚い人は「右に上げ、右下に引っ張るだけで、字の形は整う」と覚えよう。専用の練習ノートを使わなくても、何文字か書いてみるとコツがつかめる。簡単なルールに従うだけなので、書くスピードも速くなるはずだ。

iPhoneアプリでも練習できる。 六度法できれいな字

六度法+行書でさらに速く書く

行書の例

六度法を習得し、さらに速く書きたいと思うなら、文字の点や画を「連続・変化・省略」する方法を身につけるとよい。行書を手本にした「つなげて書く」方法だ。

速く書こうとすると、ペン先を紙にぶつけるような書き方になりがちだが、殴り書きは速くもないし、きれいな字も書けない。きれいで速く書くには、紙の上にペン先を滑らせるようにつなげて書くことだ。

まずは行書の手本を見ながら研究することだ。そして実際に書いてみる。上達すれば、かなり速く字を書けるはずだ。

字が汚い人必読!きれいな字を速く書く「六度法」の3つのルール