祝儀袋・不祝儀袋の書き方と選び方|結婚式や葬式で恥をかかないマナー

祝儀袋・不祝儀袋の書き方と選び方|結婚式や葬式で恥をかかないマナー

結婚式などの慶事の祝儀袋や、葬式など弔事で用いる不祝儀袋の選び方・書き方には、いくつかのルールがある。

慶事や弔事では、贈る用途や相手、状況にあわせて、その場にふさわしい形式の祝儀袋や不祝儀袋を選べるようにしておきたい。

祝儀袋・不祝儀袋の選び方

水引の結び方

水引(みずひき)とは、祝儀袋や不祝儀袋の飾りひものこと。水引(みずひき)の結び方には次のものがある。

  • 結び切り  「再びないように」という意味で、ほどけないように結び切る
  • あわび結び 結び切りの一種で、結婚祝いや弔事など、幅広く用いられる
  • ちょう結び 「何度あってもよい」という意味で、一般の慶事に用いられる

祝儀袋の選び方

一般の慶事では、水引が赤白のちょう結びの祝儀袋を選ぶといい。結婚のお祝いには、結び切りかつあわ結びで、金銀など華やかな水引の祝儀袋が好まれる。祝儀袋は、基本的にのし付き。

不祝儀袋の選び方

弔事では、結び切り、あるいはあわ結びで、白黒の水引の不祝儀袋を選ぶのが一般的だ。忌明け後の仏教の行事では、白黄、双銀、双白などがよく使われる。不祝儀袋には、のしはつけない。

相手の宗教や宗派がわからないときや迷ったときには、「御霊前」の不祝儀袋を選ぶといい。御霊前は宗教に関係なく使える。ただし、ハスの花が描かれている不祝儀袋は仏教専用だ。

仏教の最大宗派である浄土真宗では、正式には「御霊前」は使わないとされる。相手が仏教だとわかっているときには、「御香典」の不祝儀袋を選ぶのがおすすめだ。

金額に合った祝儀袋・不祝儀袋を選ぶ

祝儀袋・不祝儀袋ともに、中に入れる金額に合わせた格式のものを選ぶのがルールだ。封筒に水引などが印刷されている簡略版は、5000円以下で使うのが好ましい。

祝儀袋・不祝儀袋の表書きの書き方

表書きを書くときのポイント

  • 表書きは毛筆で書くのが基本
  • 表書きは字をくずさない楷書体で丁寧に書く
  • 祝儀袋では濃い墨、不祝儀袋では薄い墨を使う
  • 連名は3名まで
  • 連名が3名のときは代表者名を書き、他一同とする(名前は中袋に並べて書く)
  • 連名のときは年長(地位)順に右から並べる

慶事の表書きの書き方

  • 御祝     一般の慶事
  • 寿      結婚・賀寿(長生きのお祝い)
  • ご結婚御祝  結婚 ※御結婚祝は4文字なので避ける(忌み言葉)
  • 御祝儀    祝いごとの心づけ
  • 御受賞御祝  勲章や褒章を受けた方へのお祝い
  • 内祝     身内のお祝いごとやお祝い返し

お見舞いの表書きの書き方

  • 御見舞    病気やケガ、災害などのお見舞い
  • 近火御見舞  近所で火事が起きたときのお見舞い
  • 類焼御見舞  他の火事が燃え移ったときのお見舞い
  • 陣中御見舞  選挙事務所や繁忙期のお見舞い

弔事の表書きの書き方

  • 御霊前    通夜・葬儀一般 ※宗教がわからないとき
  • 御仏前    仏教の法要(四十九日の忌が明けたあと)
  • 御香典    仏教の通夜・葬儀・法要
  • 御玉串料   神道の通夜・葬儀・法要
  • 御花料    キリスト教の通夜・葬儀・法要
  • 志      参列者へのお礼や香典のお返し

その他の表書きの書き方

  • 御礼     一般的なお礼
  • 寸志     目下の人への謝礼
  • 御餞別    転勤・栄転・送別

表書きに金額を書くときの漢数字

表書きに金額を書くときには、大字(旧字体)の漢数字が使われることもある。

  • 一 → 壱
  • 二 → 弐
  • 三 → 参
  • 五 → 伍
  • 十 → 拾
  • 千 → 仟
  • 万 → 萬
  • 円 → 圓
  • 寿 → 壽
  • 霊 → 靈
  • 仏 → 佛
  • 典 → 奠

祝儀袋・不祝儀袋の中袋の書き方

中袋には住所や名前、金額を書く。慶事と弔事では中袋の書き方は変わる。市販もので、中袋に記入欄があるときには、それに従って書く。 

金額は旧字体で書くことが多いが、大げさに見えるときには、略式でもかまわない。高額のときには、金額の下の「他」をつける傾向がある。

祝儀袋の中袋の書き方

慶事では、中袋の表に金額を書き、裏に住所と氏名を書く。祝儀袋に包むときは、後ろの重ねる部分が上向きになるようにかぶせる。

不祝儀袋の中袋の書き方

弔事では、中袋の表には何も書かず、裏に金額と住所、名前を書く。不祝儀袋に包むときは、後ろの重ねる部分が下向きになるようにかぶせる。

お見舞いなどの中袋の書き方

お見舞いなどの中袋の書き方は、慶事と同じで表に金額を書く。裏の住所や氏名は書かなくてもよいとされている。

祝儀袋・不祝儀袋のお札の入れ方

祝儀と不祝儀では、お札の入れる向きを変えるという説がある。これは、慶事と弔事をしっかり分ける発想からきたものだ。ただ、不祝儀には向きを逆さに入れる、裏向きにするなど、いろいろな意見があるため、気にせず通常の入れ方でかまわない。

祝儀袋のお札の入れ方は、通常の封筒に入れるときのマナーと同じだ。お札の表の顔が上にくるように入れる。お札はなるべくきれいなものが好ましいが、不祝儀では新札は半分に折り目をつけることもある。

ふくさの包み方

祝儀袋・不祝儀袋はかならずふくさに包んで持っていくのがマナー。紋がついているのが正式のふくさだが、一般には紋がついていないものでも十分だ。

慶事用には、赤系の明るい色が好まれる。弔事用には、グレーや紺など、地味な色が選ぶといい。むらさき色は、慶事弔事ともに使えるため、一枚持っておくと便利だ。

ふくさの包み方は、慶事と弔事では逆になるので、気をつけたい。祝儀袋・不祝儀袋は、受付の前でふくさから取り出し、表書きを相手に向けて差し出す。

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