学生にも社会人にも勉強法は必要だ。寿命が伸び、定年が延び、誰もが60歳を超えても働く時代になった。この時代で自由に生きていきたいと願うなら、歳を取っても勉強をつづけ、人生の選択肢を広げるべきだ。そのためには、自分の性格に適した勉強のやり方を見つけることが大事。その助けになるのが「勉強法診断テスト」だ。
紹介するのは「ビリギャル先生」で有名な坪田信貴先生が開発した「9タイプの性格分類による勉強法」。心理学のエニアグラム理論をベースに他の学説を混ぜ合わせたスペシャルな勉強法だ。
坪田氏が経営する坪田塾でも、入塾するときに同様の性格診断テストを受け、その結果に基づいた勉強法で指導を行う。成果がでるのは、坪田塾の人気からも明らかだ。
ここでは、簡易版の勉強法診断テストを紹介する。あくまで簡易版なので、参考程度にしてほしい。詳しく知りたい方は記載のURLからリンク先に飛び、本格的な性格診断テストを受けてみてほしい。きっと、性格にぴったりの勉強のやり方が見つかるはずだ。
勉強法診断テスト
この勉強法診断テストでは、次の9つの質問を10点満点で採点し、いちばん点数の高かった番号を自分の性格タイプとする。同じ点数の質問がある場合、複合タイプとして両方のアドバイスを参考にしてほしい。
- 任された仕事は責任を持ってしっかりやり遂げるタイプである。
- 人生にとって一番重要なことは、親密な人間関係だと思う。
- 人と競争してこそ何かを達成しやすくなるし、そこにやりがいがある。
- 本当の自分を理解できる人は、周囲には少ないと感じている。
- 行動する前によくよく考えたい。それからでないと動きたくない。
- みんなで議論して、総意を決めてから実行するほうが安心できていい。
- 好奇心旺盛で、いろいろなことに気軽にチャレンジしていくことが好きである。
- 上司や偉い人の言うことでも、おかしいと思うならしっかり反論する。
- 人間関係において波風を立てることは絶対に避けるべきだ。
より詳しい勉強法診断テストを受けたい人は、次のリンクからどうぞ。

勉強法診断テスト – ビリギャル坪田先生の「人間は9タイプ」判定アプリ
9タイプの性格分類による勉強法
1完璧主義者タイプ
完璧主義者タイプは理想が高く、いちど「勉強する!」と決めたらとことん集中できる。その反面、自分の思い通りに勉強が進まないと、とたんにやる気をなくす。
この性格タイプに適した勉強法は、アドバイスをくれる師匠を見つけることだ。学校の先輩や先生、会社の上司などの中から尊敬できる人を見つけ、その人に勉強の指導役をお願いする。自分が学びたい分野の詳しい知識を持っている人を選びたい。
その人に勉強のやり方を手とり足とり教えてもらう。目標や計画はどうやって立てるのか、何から手をつけるべきなのかなど、とにかく聞き、その通りにやってみる。勉強の進み具合を詳しく報告し、アドバイスをもらうとばっちりだ。
このタイプはひとつの勉強法に集中しすぎ、全体が見えなくなりやすい。たとえばTOEICの勉強なら、読む・書くの勉強ばかりして、リスニングとスピーキングの訓練をおろそかにする。テキストとにらめっこするのも大切だが、ときにはネイディブの人と実際に会話して、聞く・話すの勉強をしたほうがいい。勉強のやり方はひとつではないのだ。
2献身家タイプ
献身家タイプは人に喜んでもらえることが自分の幸せだと考えるナイスガイな性格だ。
この性格タイプにおすすめの勉強法は、いっしょに勉強できる仲間を集め、勉強グループを作ること。グループのメンバーで勉強する範囲を分担し、それぞれが勉強してきたことを教え合いっこする。
友人の役に立てるのがモチベーションとなり、ひっしに勉強できる。友人に勉強を教えることで、学んだ知識がより記憶に定着する。同じ性格の友人でグループを作ると、相乗効果が生まれ、さらに効果的だ。
3達成者タイプ
達成者タイプは上昇志向が強く、パワフルな性格。根っからの頑張り屋なので、独学でもモチベーションを保ち、勉強を続けることができる。でも、いちど成長が感じられなくなったり大きなミスをしたりすると、強いストレスを感じ挫折してしまうことも。
この性格タイプに適した勉強法は、短期の目標を決めること。「15分かかる問題を12分で解く」「3問解きおわるまで席を立たない」など、小さな目標をいくつも用意するのがモチベーションを継続させるコツだ。目標をひとつ達成するたびに、どんどんやる気が高まっていく。
むずかしい目標を立てるのは禁止だ。「1ヶ月で簿記1級に合格する」「今週中に企画書を10枚作る」など、高すぎるハードルは、達成できなかったときに大きくモチベーションを下げる原因となる。避けるべきだ。
4芸術家タイプ
芸術家タイプは独自の価値観をもち、こだわりが強い。高い地位を手に入れるより、個性的であることに魅力を感じる。多くの人に評価されるモノゴトには興味を示さず、地位やお金がモチベーションになることもない。さきほどの達成者タイプとは正反対の性格だ。
この性格タイプにおすすめの勉強法は、目的を意識することだ。「この分野の知識をつければ、あんなことやこんなことができる! きっと面白いはず!」と考える。その野望を達成するための手段として勉強が必要だと感じる方向に持っていくのだ。その目標が自分にしかできないことであればあるほど、モチベーションが高まる。
いちどやる気を出せば、どこまでも走っていけるのもこのタイプの特徴だ。計画など立てずに、自分が思う通りの方向に突き進んでいけばいい。楽しみながら学べるはずだ。
5研究者タイプ
研究者タイプは勉強が好き。知識を得ることに喜びを感じ、知識を飲み込むスピードもはやい。しかし、勉強することが目的となり、当初の目的を見失ってしまいがちだ。学びたい気持ちを抑えきれず、勉強の虫になってしまうことも。
この性格タイプに適した勉強法は、学びたい気持ちを調整すること。資格試験などでは最低合格点を調べ、「ここまで勉強すれば大丈夫」というラインを決める。そのラインまで到達したら勉強の手を止める。
教科書や参考書を読みはじめるといつまでもやめられないので、「問題集を解く」をメインの勉強法にするのがおすすめだ。この問題が解ければ試験に合格できるというところで勉強をやめる。
勉強自体が目的になるのはもったいない。学んだ知識を人のために役立てるのも大切なことだ。
6堅実家タイプ
堅実家タイプはまじめで責任感が強い。ルールを守り、なにごともコツコツ積み重ねていくのが得意だ。欠点は、優柔不断で、リスクを負うのを怖がること。勉強をしていても、「この勉強のやり方で大丈夫かな?」と不安になり、あれこれ勉強法に手を伸ばす。その結果、ますます混乱してしまうことも。
この性格タイプにおすすめの勉強法は、勉強のルールを決めること。参考書はこの1冊、勉強時間は1日3時間、このルールの運用期間は1週間などと決め、ひとつずつ試してみる。ルールを守るのが得意な性格を勉強にも応用するのだ。
試した勉強法のデータを取るのも大切だ。どのテキストを使ったか、勉強した時間帯はいつか、何時間勉強したか、テキストを読んで覚えたのか、書いて覚えたのか、などの記録をとっておけば、うまくいかなかったときの原因がわかる。成功への道筋が見えてくるはずだ。
7楽天家タイプ
楽天家タイプは好奇心旺盛で楽しいことが大好き。興味や関心を持ったモノゴトには果敢にチャレンジする。でも、飽きるのもはやい。集中力が続かないのが欠点だ。
この性格タイプに適した勉強法は、わくわくするような目標を立てることだ。「かっこいい」「楽しそう」「モテそう」「おもしろそう」など、ちょっと軽い感じのキーワードが心に火をつける。あとは飽きっぽさを抑えるために、塾や教室に通って強制的に勉強すれば完璧だ。
楽天家タイプは暗記などの退屈な勉強は大嫌いだ。暗記が必要なときは「ここまで覚えたらご褒美にチョコレートを1粒食べる」などのニンジン作戦がおすすめ。他には「暗記は退屈な勉強」を「丸暗記するだけの楽な勉強」に発想の転換を試みるのもよい。いちど楽だと思い込むことができれば、高いテンションでやり切れるのが楽天家タイプの強みだ。
8統率者タイプ
統率者タイプは根っからのリーダー気質。グループの中心となり、人をまとめるのが得意だ。とくに欠点は見当たらないが、ひとりだとリーダーとしての能力が発揮できないのが欠点といえるかもしれない。
この性格タイプにおすすめの勉強法は、友人と勉強すること。献身家タイプのような助け合いではなく、自らがリーダーとなり、クループの仲間を仕切っていくイメージだ。
勉強の計画を立てたり、テキストを選んだりする役割を引き受け、メンバーには勉強する範囲を振り分ける。勉強の成果を発表する勉強会を主催するのもリーダーの役目だ。リーダーとして振舞うことを認めてもらうためにも、メンバーとのあいだには強い信頼関係を作っておきたい。
9調停者タイプ
調停者タイプはまわりの人といさかいが起こらないよう、常に気を配る平和主義者だ。しかし、勉強においてはこの優しさが弱みとなる。闘争本能に欠けるため、目標に向かってかんばるのが苦手なのだ。
このタイプは完璧主義者タイプと同じく、アドバイスをくれる師匠を見つけ指導してもらうのが好ましいのだが、それがむずかしい。自分の意見をはっきり伝えるのを「相手が傷つくのでは?」とためらい、指導があわなくても我慢してしまう。日頃から気持ちを抑えるのが当たり前になっているため、我慢しているという事実すら気づかないまま時間を無駄にしてしまうことも。
この性格タイプに適した勉強法は、さまざまな教室に体験入学してみることだ。「この人といるときは自然体でいれる」と感じる指導者に出会えるまで数を打つ。きっといつか出会えるはず。その師匠は一生ものだ。
無理をしすぎないことも大事だ。まわりに調子を合わせるのは疲れる。自分がどうしたいのか意識し、自分らしさを見つけてほしい。自分らしさを発揮し、まわりから認めてもらえれば、もっと成長したいと思う。勉強にも力が入るはずだ。