東京五輪マラソン競歩の札幌開催をIOCバッハ会長が強行【経緯まとめ】

東京五輪マラソンと競歩の札幌開催をIOCバッハ会長が強行【経緯まとめ】

IOC(国際オリンピック委員会)は16日、2020年東京五輪のマラソンと競歩で会場を札幌への変更を検討すると発表した。すでに大会組織委員会や国際陸連には伝えているという。30日から東京で予定されるIOCの東京大会調整委員会で話し合う。

大会期間中の気温が東京より5〜6度低いことを変更の理由としてあげた。6日に閉幕した陸上の世界選手権ドーハ大会が気温30度・湿度70%を超える過酷な環境のなかおこなわれ、マラソンで棄権者が続出したことが背景にあると思われる。

東京五輪のマラソンは女子が8月2日、男子が8月9日、競歩は7月31日と8月7、8日で、都内で実施する予定だった。当初の計画よりスタート時間を早めるなど対策をとってきたが、選手の健康を心配する声が絶えなかった。開催まで10ヶ月を切った状況でIOCが強行した形だ。

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IOCが危機感をもった世界陸上ドーハ大会の様子

東京五輪の開催まで10ヶ月を切ったいまになってIOCがマラソンと競歩の札幌開催を言い出した背景には、9月の陸上世界選手権ドーハ大会を見ての危機感がある。

ドーハ大会は酷暑の中で開催された。気温30〜40度、湿度70〜80%の悪条件が続いた。マラソンや競歩が深夜に実施される異例の運営だった。

暑さ指数(WBGT)は熱中症の危険が高まる29.5度で、大会前から中止や延期を求める声があった。コース上の給水所を増やすなど対策で、予定通りに実施した。

国際陸連のコー会長はドーハ大会を総括して「重大な問題はなかった」と語ったが、それは建前だろう。

深夜開催となった女子マラソンは、スタート時で気温32.7度、湿度73.3%ときびしい条件だった。立っているだけで息苦しさを感じるほどだったという。

途中棄権者は出場選手の4割に及んだ。出場68人中28人が最後まで走りきれなかった。ゴール後に不調を訴える選手もいた。

日本陸連の女子マラソン担当である天満屋監督・武冨豊⽒は「⼆度とこういうレースは選⼿に⾛らせたくない。昼間にやったら死人が出でいるのではないか」と話した。

女子マラソンだけではない。男子50キロ競歩でも失格者をのぞく42人中14人がゴールできなかった。

深夜のレースも棄権者が増えた要因のひとつだろう。選手の調整をむずかしくした。男子50キロ競歩で27位だった勝木隼人選手は「3日前くらいから食べ物を受け付けず、眠れなかった。昼夜逆転の生活はむずかしい」と語った。

異例の運営、東京の教訓=酷暑対応、深夜レースで波紋-世界陸上 – 時事ドットコム

深夜に異例のレース=「一番過酷なマラソン」-世界陸上 – 時事ドットコム

札幌で開催するのは東京より気温が5〜6度低いから

ドーハ大会を受けて、抜本的な改革が必要だと考えたのだろう。

IOCは変更の理由として、五輪開催中の札幌の日中の気温が東京よりも5〜6度低いことをあげた。札幌には毎年8月に北海道マラソンを開いている実績もあるとした。

東京都はこれまで酷暑対策を進めていた。マラソンの開始時間は7時半から7時、そして6時と繰り上げてきた。テスト大会のMGCでは給水ポイントを増やした。氷も配った。小手先の対策では不安はぬぐいきれなかったようだ。

マラソン、競歩の札幌実施検討=東京五輪、IOCが猛暑懸念 – 時事ドットコム

バッハ会長は「アスリートファースト」を強調

IOCのバッハ会長と国際陸連のコー会長はともに「アスリートファースト」を強調した。

IOCのバッハ会長は「選手の健康がわれわれの関心の中心」で、マラソンと競歩の会場を札幌に移すという提案は「われわれがいかにこの懸念を真剣に受け止めているかを示している」と語った。

コー国際陸連会長は、IOCと大会組織委員会と協力して作業を進めるとして「選手のパフォーマンスにとって最高の舞台を提供することが、すべての大きな大会の軸になる」と話した。

東京五輪マラソン・談話 – 時事ドットコム

暑さ対策以外の課題は山積み

会場の変更は暑さ対策への秘策となる。その一方で短期間で解決すべき課題は増えた。

チケットの問題がある。マラソンでは、発着地点である国立競技場で観戦できるチケットを販売していた。購入手続きはすでに済んでいる。チケットの払い戻しや変更が必要になる。

コースも決めないといけない。札幌は4月ごろまで積雪が残る。テスト大会は実施できるのか。選手や観客の移動と宿泊の問題もある。

危機感強めたIOC=ドーハでの惨状も背景=東京五輪マラソン – 時事ドットコム

札幌市は確認を急ぐ

札幌市役所では職員らが情報収拾に追われている。大会組織委員会に確認の問い合わせをしているが、16日の時点ではまだ連絡がとれていないという。

市のスポーツ局国際大会担当部の幹部も知らされていなかった。「ニュースを見てはじめて知った。これまで話にでたこともない」と驚きを語っている。

秋元克広札幌市⻑は歓迎しているようだ。「アスリートファーストの視点での検討」は「最大限尊重すべき」として「大変ありがたいこと」と話した。

驚く幹部ら、確認急ぐ=東京五輪マラソンの会場変更案で-札幌市 – 時事ドットコム

MGCが無駄になった 日本陸連が戸惑い

日本陸連の幹部は戸惑いを隠せない。

五輪代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)を9月に開催した。テスト大会をかねて、スタートとゴール付近以外は五輪本番と同じコースでおこなった。

五輪代表となる男女各2名が決まった。気温が30度近くまであがるなか、暑さに強い選手が勝ち抜いた。

マラソンの札幌開催で、東京五輪で勝てる選手を代表に選ぶという思惑が水の泡となった。

距離・マラソンディレクターである河野匡⻑氏は「何も聞いてなかった。チケットも売られ、現実的に変更可能なのか」と首をひねる。

尾県貢⽇本陸連専務理事は「札幌に移すと決まったわけではなく、検討に入ったということ。真相はわからない。われわれはレースを主管していく立場で、決定には関与しない。情報がなく、なんとも言えない」と意見を述べた。

戸惑い隠せない日本陸連=五輪テストの前提覆る=東京五輪マラソン – 時事ドットコム

大会組織委員会は困惑

大会組織委員会の関係者も困惑している。

武藤敏郎事務総⻑は会場変更を知ったのは「ごく最近」として、「非常に唐突だと思う」と語気を強める。

マラソン発着地点の新国立競技場のチケットがすでに販売されていることに触れて、「向こう(札幌)に移ったらどういう問題があるのか。これからやらなくてはいけない」と話した。

小池百合子東京都知事がIOCに十分な説明を求めていることについては、「もっともだ。IOCが言っていることで、われわれは説明する立場にない」と賛同した。

組織委員会の幹部は今後の見通しについて「バッハ会長があれだけ言っている。(札幌への会場変更を)くつがえすのはむずかしいだろう」と語った。

「非常に唐突」「覆すの難しい」=マラソン札幌変更案に組織委困惑-東京五輪 – 時事ドットコム

東京五輪マラソンの札幌開催はすでに合意済み?

バッハ会長は17日、ドーハで行われた各国オリンピック委員会連合(ANOC)の総会のあいさつで「IOCと大会組織委員会とで決めた」と両者がすでに合意したとの認識を示した。

札幌開催案を提案した理由として「日本の気温はここ数年で上昇している。選手を第一に考えなければならない。札幌は東京よりも気温が5〜6度低い。選手の健康にとって重要な一歩だ」と説明した。

バッハIOC会長、合意の認識=マラソン、競歩の札幌開催案 – 時事ドットコム

札幌ドームが発着点で、北海道マラソンを参考に

バッハ会長は札幌ドームを発着点にする意向を示している。大会組織委員会の森喜朗会長が17日に明かした。

⽇本陸連の尾県貢専務理事も、札幌開催になった場合も発着点で観戦できるチケットが販売されるだろうとして、「札幌ドームを使うしかないのでは」とバッハ会長に同意した。

また、北海道マラソンのコースを「かなりの部分使うしかない」として、参考になると話した。

「言われたらやるしかないが、現実的にちゃんと警備できるのかなど、ものすごく大変」と運営側の準備態勢を心配した。

バッハ会長、札幌ドーム発着の意向=北海道マラソンも参考に-東京五輪 – 時事ドットコム

北海道陸上競技協会の幹部は不安を口にする。札幌では積雪で4月ごろまでコース設定がむずかしい。本番までにテスト大会ができない可能性がある。「選手が安心して力を発揮できないかもしれない。暑さと湿度だけがアスリートファーストなのか」と語った。

マラソン、札幌で歓迎と戸惑い=コース設定、運営に不安も-東京五輪 – 時事ドットコム

札幌市長は歓迎

札幌市の秋元克広市長は17日、受け入れる姿勢であることを改めて明かした。「IOCから札幌という具体的な名前がでて驚いた。光栄に思う」として「東京五輪の成功に最大限協力したい」と話した。

2030年の冬季五輪招致に有利に働くとの思惑もある。「五輪にふさわしい街と認識してもらうことが、30年の招致につながるのでは」と語った。

東京五輪まで10ヶ月を切っているという点には「コース選定から始めるとなると、時間はかなりタイトだ」と述べた。30日から東京でおこなわれるIOCの調整委員会を待たずに、北海道や警察など関係機関と実務レベルで検討を進めるという。

札幌市長「名前が出て光栄」=東京五輪マラソン会場変更案で – 時事ドットコム

小池百合子知事はIOCに十分な説明を求める

東京都の小池百合子知事は17日、「アスリートファーストは重要だ。どのような形がベストなのか話し合っていきたい」と話した。

また、計画変更に関してIOCに十分な説明を求める考えを強調した。「計画が唐突な形で発表された。このような進め方については多くの課題を残す」と述べた。

東京都は自治体と協力して暑さ対策を進めてきた。「コースとなっている各自治体は盛り上がって、準備をしてきたという事実がある」と指摘した。

小池都知事「ベストな形話し合う」=「光栄」と札幌市長-東京五輪マラソン会場変更 – 時事ドットコム

小池都知事「多くの課題残す」=東京五輪マラソン – 時事ドットコム

涼しいところなら「北方領土で」と小池知事が発言

IOCの突然の発表に文句のひとつも言いたくなったのだろう。

小池知事は「涼しいところなら『北方領土で』と声を上げていただければ」と発言していたという。「今回突然の札幌と、北のほうだったので、一案として申し上げた」と発言の意図を説明した。

小池都知事、マラソン「北方領土で」=東京五輪会場変更案に:時事ドットコム

森喜朗会長はIOCの札幌開催案を受け入れる構え

2020東京五輪・パラリンピック組織員会の森喜朗会長は17日、「組織委としては受けなくてはいけない」と語った。東京都と日本陸連の考えもあるとして、30日からのIOC調整委員会で話し合うとした。

札幌開催にはIOCの強い意向があったことを明かした。「IOCがバッハ会長の判断で札幌に移すしかないと決めた。暑さ対策の一環で、やむをえない」と話した。

発売済みのチケットに関しては「代金をお返しする」とした。また、札幌開催にともなう追加の費用はIOCに負担を求めるという。

森会長「受けなくては」=マラソン、競歩の札幌開催案-東京五輪:時事ドットコム

与野党は東京五輪マラソンの札幌開催を評価

与野党から17日、東京五輪のマラソンと競歩を札幌で開催する案を評価する声が上がった。

茂木敏充外相は「選手が最高の状態で参加できるにはどうしたらいいかとの観点から判断される」として、「それが正しい」と語った。

岡田克也元外相も「一考に値する案だ」として「他にも類似のものがあればIOCに言われる前に日本として検証してほしい」と注文した。

共産党の志位和夫委員長は「アスリートの健康確保を最優先に考えることは必要だ」と語った。

与野党、東京五輪のマラソン札幌開催を評価 – 時事ドットコム

菅義偉官房長官は17日の記者会見で「IOC、組織委員会などの関係者による今後の検討状況を注視したい」と述べた。

準備期間の短さや選手への影響については「暑さ対策はアスリートファーストの観点から重要な課題であり、政府としても関係機関と連携し、しっかり取り組みたい」とした。

東京五輪のマラソン札幌実施、状況を注視=菅官房長官 – 時事ドットコム

購入済みのチケットは「優先割り当て」または「払い戻し」で対応する方針

東京五輪のマラソンが札幌で開催される場合、新国立競技場でマラソンを観戦するチケットを買った人に優先的に割り当てる案が出ている。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の鈴木秀紀チケッテッング部長は18日、「丁寧に検討して、お客さまに寄りそった形で対応したい」と話した。払い戻しにも応じる方針という。

「優先割り当て」含め検討=マラソンチケット、札幌実施なら-東京五輪 – 時事ドットコム

「もっとはやく決めるべき」会場の札幌変更に海外から批判の声

マラソンと競歩の札幌解散案について、ツイッター上で海外の陸上関係者から批判の声が上がっている。

2008年の北京五輪女子マラソンで6位に入賞した元英国代表のマーラ・ヤマウチ氏は、「選手は五輪に向けて数年がかりで準備している」として「9ヶ月前ではなく2、3年前に決めるべきだ」と、突然の方針変更を批判した。

9月に酷暑のなかおこなわれたドーハ世界選手権の男子50キロ競歩で銅メダルを獲得したカナダのエバン・ダンフィー選手は「暑さに対しては、適切に準備すればなにも恐れることはないと知っている」として「20年間夢見てきたメダル獲得のチャンスが減らされる」と不満を明かした。

2018年のボストンマラソンで女子の部で優勝した米国のデジリー・リンデン選手は「五輪スタジアム(新国立競技場)でゴールできるのは魅力だった」と、東京で開催されないことを落ち込んだ。

マラソン・競歩の札幌変更案、海外から不満も=2、3年前に決めるべき-東京五輪 – 時事ドットコム

橋本聖子五輪相はIOCを信頼 納得のいく説明があることを期待

スピードスケートと自転車の選手だった橋本聖子五輪担当相は18日、「(選手は)コースをイメージしながらトレーニングをしてきていた」として「戸惑いはだれもがある」と選手の気持ちをおもんばかった。

30日からのIOC調整委員会などの協議で「納得のいく説明」がされることを期待した。

また、「元アスリートという立場からすると、(会場が)どういう結果になっても受け止めらければならない」とも話した。

札幌変更案、納得できる説明を=橋本五輪相 – 時事ドットコム

IOCを信頼しているという。「プロフェッショナルの集団が決めた場所というのは、それだけいろいろな調査がされてきてのこと」と述べた。ドーハ世界陸上で棄権者が続出したことで「相当な危機感を持って決断した」と推測した。

橋本五輪相、札幌開催案に理解=「プロフェッショナルが決めた」 – 時事ドットコム

東京都の小池百合子知事は徹底抗戦の構え 東京五輪のマラソンは「東京で」

東京都の小池百合子知事は18日、2020東京五輪のマラソンと競歩の会場を札幌に移す案をIOCが検討していることに不満をあらわにした。

30日からのIOC調整委員会で東京開催を主張する可能性が高まった。小池知事は選手ファーストは理解するとしたうえで、「開催都市と協議もなく突然、提案されたことに疑問を感じざるをえない」と強く批判。「これまで準備を重ねてきた。東京で、という気持ちに変わりはない」ことを強調した。

やりきれない思いもある。IOCの発表は、テスト大会であるMGCの検証結果をもとに、休憩所などを増やすなど改善策を決めた直後だった。MGCでは、応援に訪れた50万人以上の観客に、日よけテントの設営や冷却グッズの配布などの対策をおこなった。

税金もかかっている。東京都はこれまでマラソンや競歩など路上競技の暑さ対策としてコースの路面温度を抑える舗装工事を進めてきた。整備予定の136キロのうち129キロがすでに終わっているという。

小池知事、不満あらわ=マラソン会場変更案-東京都 – 時事ドットコム

在日ロシア大使館が小池都知事の北方領土発言に不快感を示す

在日ロシア大使館は18日、小池知事の「北方領土」発言に対して、たとえ冗談でもスポーツを利用すべきではないと不快感を示した。

2020東京五輪のマラソンと競歩の札幌開催案に対して、小池知事は「涼しいところなら北方領土で」という趣旨の発言をしていた。

フェイスブック上で「日本には十分に涼しい土地があると確信する。ロシアの南クリール(北方領土のこと)は(日本に)属していない」と書いた。

都知事「北方領土」発言に反発=在日ロシア大使館 – 時事ドットコム

札幌市長「いち早く方向性を出して」

2020年の東京五輪のマラソンと競歩の会場を札幌に移すIOCの計画について、札幌市の秋元克広市長が21日、「いち早く方向性を出してほしい」と求めた。

18日に、札幌市と北海道が大会組織委員会宛に文書で問い合わせをしたところ、「正式には決定していない。(30日からの)調整委員会で議論させる」と電話で返事があったという。

東京都の小池百合子知事がIOCの札幌開催案に不満を表明していることには理解を示した。「この時期にきての変更はかなり特殊。準備を進めてきた東京都などの関係者が戸惑いや困惑をもつのは当然のことだ」と話した。

札幌開催となると、ボランティアの確保やコース選定など、課題が山積みである。「具体的に実現させるとなると時間的にかなりタイトで、新たな施設をつくるのは対応が間に合わない。最大限協力したい」と語った。

札幌市長「いち早く方向性を」=五輪マラソン会場変更案 – 時事ドットコム

札幌開催で選手や観客が熱中症になる危険性が大きく低下

東京五輪のマラソンと競歩を札幌で開催すると、選手や観客が熱中症になる危険性が大きく下がる。中京大スポーツ科学部の松本孝朗教授が25日、日本生気象学会大会の公開講座で述べた。

松本教授は環境省のデータで、過去10年間の8月6日の東京と札幌の暑さ指数(WBGT)を比べた。

マラソンが午前6時にスタートすると、WBGTは東京では「警戒」から「厳重警戒」まであがるが、札幌では「注意」で済むという。

東京五輪のマラソン、札幌開催で危険低下=中京大の松本教授が指摘 – 時事ドットコム

東京五輪のマラソンと競歩は「東京に戻ることはない」 IOCコーツ調整委員長

IOCのコーツ調整委員長と東京都の小池百合子知事が25日、東京都庁で会談した。

会見後にコーツ氏は「意思決定はされている。東京に戻ることはない」とはっきり言い切ったという。

札幌開催にかかる費用の負担については、準備している予備費を当てるべきとの考えを示した。「予定しない状況に備えた資金がかなりあるはずだ」と述べた。

IOCが札幌開催を決めた理由としては、世界陸上ドーハ大会で棄権者が続出したことと、記録が低調だったことをあげた。「IOCはショックを受けた。アスリートの健康を常に念頭に置き、コース変更を決定した」と語った。

マラソンと競歩の開始時間をさらに早める方法はとらないという。日の出前の時間帯ではヘリコプターでレースを撮影できないことをあげた。

札幌を選んだ理由については北海道マラソンが毎年行われていることと、札幌ドームで東京五輪のサッカーが行われるため開催の準備を進めていることをあげた。

マラソン札幌開催は「決定事項」=IOCコーツ氏が小池都知事と会談 – 時事ドットコム

札幌開催の費用はIOCが負担するべき 大会組織委員会

大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は25日、札幌開催にともなう経費はIOCに負担を求める考えであることを示した。「IOCから投げかけた。われわれの主張として筋が通ってる」と語った。

マラソン札幌開催、IOCが負担を=東京五輪組織委 – 時事ドットコム

まとめ:東京五輪マラソンと競歩の札幌開催をIOCバッハ会長が強行【経緯まとめ】

もっとはやく決められなかったのか。「東京で」という条件の中で、アスリートファーストを最大限に考えてきた人たちがいる。知恵をしぼり、汗を流してきた人たちがいる。

彼ら彼女らにひと言ないのか。アスリートファーストという耳触りのよい言葉ばかり並べる人たちを見ると、やるせない気持ちになる。

東京五輪マラソンと競歩の札幌開催をIOCバッハ会長が強行【経緯まとめ】