仕事のストレスの3つの原因と上手く付き合える人になる方法

仕事のストレスの3つの原因と上手く付き合える人になる方法

ここ数十年のあいだ、ITやインターネットが大きく進化して、1日に対処すべき情報量が増えた。毎日の仕事のストレスで、ビジネスパーソンたちはすでに死に体である。

学生時代とは打って変わり、今では空気中の成分の80%が情報で、残りの20%が二酸化炭素だと感じる。呼吸とともに入り込んだ多くの情報は、あっという間に酸化し、ストレスという物質に変化するのだろう。息苦しい世の中になったものだ。

仕事のストレスはどこまでも追いかけてくる

時間や場所は関係なくなってしまった。あと10年も経てば会社に行くとか、仕事をするとか、就業時間とかいう概念自体がなくなるのではないかと不安になる。日本の春と秋が短くなってきたのと同じように、起きているけれど仕事をしていない時間がなくなってしまわないか心配になる。小学生の遠足みたいに、おはようからおやすみまでが仕事ですという世の中がやってくる予感がする。せめておやつだけは自由にしてほしい。

毎日、どうしてこんなにしんどいのだろう? 仕事のストレスを感じるのだろう?

それはITやインターネットと違って、人間の脳や体がほとんど進化していないからである。現代のビジネスパーソンは容量の少ない旧スペックのパソコンだ。YouTubeの動画を見るだけで大きな排気音と熱を出す。それなのに最新のアプリケーションを放り込んで動かそうとしている。仕事のストレスを感じるのも、健康でいられないのも当たり前である。いつ電源が落ちてしまってもおかしくない状態なのだから。

サルからホモ・サピエンスに変化したときのように、そろそろホモ・サピエンスの次の姿に進化してくれないと旧スペックのままではきびしい。

生活しているだけもストレスはたまっている

パソコンの使用や、スマートフォンの普及などによって、現在のビジネスパーソンの脳には持続的な負荷がかかっている。目に見えるストレスを感じていないとしても、心と体はダメージを受けているのである。普通の生活をしているだけで、ストレスを入れるコップにはある程度の量の水がすでに注がれている。まったくからっぽではないのだ。わずがなストレスが加えるだけで、コップから水はこぼれてしまうのである。

仕事でトラブルが発生すると、体内ではアドレナリンやステロイドホルモンが多量に分泌される。血管が細くなって血圧が上がる。心と体には余分にストレスがかかる。

まず大切なのは、適度に休息して脳を休ませ、持続的にかかっている負荷を減らすことである。そして次に、仕事のトラブルに上手く対応できる方法を身につけるとともに、先手を打ってトラブル自体を減らすことである。

職場のストレスの原因は3種類ある

ひとつめは仕事の量。これは説明の必要はないだろう。長時間労働は大きなストレスになる。

ふたつめは仕事の内容。仕事の内容が自分に合っていないとそれだけでストレスを感じる。人と話すのが苦手なのに営業部に異動になる、手先が不器用なのに細かい作業を要求されるなどである。また、マネージャーに昇進するなどして部下を指導する立場になると責任が増える。それがプレッシャーとなり、負担を感じることも多い。

さいごは人間関係。いつの時代も職場のストレス界のキングに君臨している。人間関係のストレスが多くの人を苦しめるのは、どんな人間になっても当てはまるからだ。空気を読むと気疲れしてしまうし、空気を読まないとまわりとの関係が悪くなり孤立する。それならばと空気を読むと読まないの中間を探るものの、その行為自体がすでにストレスである。職場には逃げ場はないのだ。

さらに人間関係の悩みは多様化してきている。定年までひとつの会社で勤め上げるのが当たり前だった頃は、その会社に馴染めるかどうか、その職場で働く人とうまくやっていけるかがストレスの中心だった。村八分にされないように振る舞うのが心配事だった。

だけど最近では人材の出入りが多くなってきた。転職するのも以前ほど抵抗はないし、派遣などの新しい働き方をする人も増えてきた。仕事に対する考え方が多様化している。この変化が部下とのコミュニケーションや、新しい職場環境への適応に悩む人を増やしている。

高負荷のストレス状態が続くと体も脳も壊れる

ストレスへの対応は男女で違いがある。男性はストレスがかかっていること自体に気づかず、無理をしてしまうのに対して、女性はストレスを感じていることがわかっていても、まわりに合わせようと頑張ってしまう人が多い。

長期間に渡ってストレスを感じ続けていると、健康に影響がでるのは知られている。強い疲労感、不眠、過食や拒食といった症状である。うつになってしまう人もいる。

健康被害以外にも、脳にとりかえしのつかない変化が起こるというデータがある。記憶を司る海馬が萎縮するなどの症状である。ストレスは体だけではなく脳も壊してしまうのだ。

仕事のストレスと上手く付き合える人になる

働き方改革など政府主導での法整備が進められている。企業の社員の健康についての考え方も変わってきている。しかし、体の変化をいちばん近くで感じているのは自分自身である。政府や企業が守ってくれる、気づいてくれるのを待つのでは手遅れになってしまうかもしれない。自分の体は自分で守るという意識を大切にしたい。

体に変化が出る前に先手を打つことが、健康にも仕事にもプラスになる。人にとって休息は欠かせないものだ。ストレスがかかると仕事の生産性は確実に下がる。スポーツ選手と同じように、ビジネスパーソンにとっても適度に休むことは仕事の一部なのである。

スポーツの世界でも、ビジネスの世界でも、一流の人間は高いパフォーマンスを発揮しつづける。自分の心と体の変化に気を配って、意識して休憩を取るように心がけているからである。ビジネスパーソンには徹夜で仕事をするなど、無理をして働かなくてはいけない時がある。それは仕方のないことだ。だが、その状態をいつまでも続けるとストレスがたまって健康を損なう。一流はビジネスパーソンは、がんばるべき時と休むべき時の見極めが上手なのだ。

仕事のストレスと上手く付き合える人は、休息の大切さを理解して、それを実行できる人といえる。まわりの目を気にするよりも、自分の体に目を向けることのほうが重要であり必要なのだ。

脳に負荷のかからないリセット方法を心がける

パソコンやスマートフォンなどのデジタル機材は、脳への刺激が強い。長時間使い続けていると、脳がオーバーヒートしてオンとオフの切り替えが上手くいかなくなる。常にギラギラとした状態になって、休もうと思っても効果的な休息を取るのがむずかしい。たとえまだ作業を続けられそうでも、集中できていたとしても、適度に休憩を入れたほうがいい。

脳の過活動を抑えるのが良質な休憩である。パソコンでの作業の合間に、スマートフォンでYahoo!ニュースなどの情報サイトを見るのでは脳は休むことができない。ずっとストレスを感じたままだ。ストレッチをする、お風呂に入る、暖かい飲み物を飲む、気のおける友人と話すなど、脳に負担のかからないリセット方法を心がけたい。

仕事のストレスに対して、自分の健康を守るためにも先手先手で対応していこう。仕事でも、健康でも、問題が起きてからあせって対応するのでは、ビジネスパーソンとして失格なのである。

仕事のストレスの3つの原因と上手く付き合える人になる方法