伝えたいことを書けば書くほど、読みづらい文章になってしまう……。
そんな人は、文章の書き方の基本的なルールを知らないだけかも。
語順や言葉の選び方、句読点の打ち方など、簡単なポイントを押さえるだけで「伝わらない」「読みづらい」文章の原因はスッキリ解消されるはず。
mokuji
1一文は短くする
文章を書くときは、基本的には「一文一義」にしたほうがいい。一文一義とは、ひとつの文では、ひとつの要素を伝えるということだ。
たくさんの要素を文中に詰め込みすぎると、内容が複雑になって意味が伝わりにくくなる。
原則として一文は「60〜100文字」以内にまとめる。長くなりそうだったら、文を分ける。
接続詞をうまく利用すれば、文章の展開がすっきりしてわかりやすくなる。
斉藤さんと雪さんの出会いは10年前だが、当時大学生だった斉藤さんは都内の親戚宅で居候中で、親戚家族には2歳年下の真紀子ちゃんという女子高生がいて、彼女には友人が多く家にもよく遊びに来ていた中のひとりが雪さんで、ふたりが出会った日に運命を感じたのは斉藤さんだけで、片思い日々が続いたけれど、出会ってからちょうど2年後のある日に斉藤さんの猛アタックがついに実り、雪さんが首を縦に振ってくれて、8年が経った今でもふたりは仲良しだ。
斉藤さんと雪さんの出会いは10年前。当時大学生だった斉藤さんは、都内の親戚宅で居候をしていた。親戚家族には、2歳年下の真紀子ちゃんという女子高生がいる。彼女には友人が多く、家にもよく遊びに来ていた。その中のひとりが雪さんだ。 ふたりが出会った日、運命を感じたのは斉藤さんだけだった。片思い日々が続いた。しかし、出会ってからちょうど2年後のある日、斉藤さんの猛アタックがついに実った。雪さんが首を縦に振ってくれたのだ。 8年が経った今でも、ふたりは仲良しだ。
2読点は意味が伝わるところに打つ
息継ぎのタイミングで読点を打てば、リズムが良くなる。しかし、リズムを意識するのは、きちんと伝わる文章を書いたあとだ。
読点は要素の区切りや強調したい語句のあとに打つと、文章の意味がわかりやすくなる。リズムよりさきに、伝わる文章を書くことを意識しよう。
3こそあど言葉や接続詞は使いすぎない
こそあど言葉は言葉の重なりをさけて、文を読みやすくする。しかしうまく使わないと、締まりのない文章になってしまう。
接続詞も同様で、多用すると文章のテンポが悪くなる。「まず」「そして」「さらに」など、文をつなぐだけの接続詞の多用はひかえよう。
ただし、省略しすぎると、今度は話の展開がわかりにくくなる。とくにビジネスでは、上手な文章を書く必要はない。美しさよりも、伝わる文章を優先しよう。
猫がいた。その猫は生まれたばかりだろう。その生まれたばかりの猫は、おびえた目で僕を見ている。
生まれたばかりの猫がいた。おびえた目で僕を見ている。
僕は彼女を信頼していた。そして、彼女も僕を信頼してくれているはずだった。だけど、彼女には他に男がいた。さらに、僕と付き合ったのは金のためだと言う。
僕と彼女は互いに信頼しているはずだった。だけど、彼女は他に男がいて、僕と付き合ったのは金のためだと言う。
4主語と述語は近づける
長い文章では、複数の主語と述語がででくる。気をつけないと、主語と述語が互いにかみ合わない「ねじれた文」を書いてしまう。
要素を分解して短い文に整理すると、主語と述語の距離は近づく。文意がはっきりして読みやすくなる。
短文を意識しすぎると、文章が書きづらいかもしれない。そんな人は、一度好きなように文章を書いたあと、書き上げた文章をチェックして、読みにくい部分を訂正してあげればいい。
僕の入社以降、斉藤店長は、女性スタッフの退職が増えて、毎日16時間の労働を余儀なくされ、8年付き合った彼女に振られて不機嫌だ。
僕の入社以降、斉藤店長は不機嫌だ。女性スタッフの退職が増えて、毎日16時間の労働を余儀なくされたため、8年付き合った彼女に振られたのだ。
5修飾語と被修飾語は近づける
修飾語は被修飾語と近づけ、なにを修飾しているかをはっきりさせよう。
修飾語が2つ以上ある場合には、基本的に「長い修飾語」を前に、「短い修飾語」をうしろに置くといい。文がすっきりして、意味が通りやすくなる。
元気に経理部の中居さんは、外国人の彼氏を作るために、ニューヨークに旅立った。
経理部の中居さんは、外国人の彼氏を作るために、ニューヨークに元気に旅立った。
6あいまいな表現はさける
「〇〇的」「〇〇化」「〇〇性」など、あいまいな表現は文章の根拠を弱め、文意をぼやけさせる。とくにビジネス文書では、抽象的な言葉はさけよう。
ほかにも「きれい」「うつくしい」「多くの」など、受け取り方が人によって違う表現は、具体的な言葉に置きかたほうがいい。
なにが「きれい」なのか、どのように「うつくしい」のか、「多くの」とはどの程度なのか、を伝えるのが文章の役割だ。伝えたいことが読み手に届くような表現を心がけよう。
男性既婚者の減少化問題は、全国的規模で対策を練る必要性があると言われている。僕的には反対派だ。
男性既婚者の減少問題は、全国規模で対策を練る必要があると言われている。僕は反対だ。
7述語にかかる品詞はそろえる
医者は長生きするためには、栄養のバランスを考えた食事をとり、適度な運動と十分な睡眠が必要だと言った。そんなの常識だ。
医者は長生きするためには、栄養のバランスを考えた食事、適度な運動、十分な睡眠が必要だと言った。そんなの常識だ。
例文では、必要だという動詞に3つの要素がかかる構造になっている。「運動が必要だ」「睡眠が必要だ」は問題ないが、「食事をとりが必要だ」は文がおかしい。「食事は必要だ」となるように、述語にかかる品詞はそろえよう。
8重ね言葉には気をつける
「違和感を感じる」「頭痛が痛い」「車に乗車する」「店を閉店する」「習慣にする癖をつける」など、同じ意味をくり返す表現はまちがいだ。書き手の知性が疑われる。
「むずかしい表現を使いたい」と背伸びをすると、だいたい失敗する。誤用をさけるためにも、文章は自分の言葉で書くようにしよう。
連休で休日が続くと、商品の金額の値引きを要求する外国人観光客が増える。声を掛けられたときは、店長にすべてを一任して、接客対応を代わってもらう。だけど、店長には何もできない。製造メーカーから価格の値下げはするなと言われているのだ。店長にはなりたくない。本社からは次の後継者に指名されているけど、固辞する意向だ。 休日が続くと、商品の値引きを要求する外国人観光客が増える。声を掛けられたときは、店長に一任して、接客を代わってもらう。だけど、店長には何もできない。製造業者から値下げはするなと言われているのだ。店長にはなりたくない。本社からは後継者に指名されているけど、固辞するつもりだ。 「は」と「が」の使い分けはややこしい。基本的には、すでに知っている情報のあとには「は」、まだ知らない情報のあとには「が」がつく。 1は「斉藤さんが何になったのか」を伝える文。斉藤さんについて説明している。主語は既知情報なので、斉藤さん「は」になる。 2は「だれがエリアマネージャーに昇進したのか」を伝える文。斉藤さんを説明している。主語は未知情報なので、斉藤さん「が」になる。 以上の9ルールを守るだけで、文章は読みやすくなるはずだ。 ビジネスでのメールや、書類を作成するときにはぜひ試してみてほしい。9主語のあとにつく助詞は、伝えたいポイントで変わる
文章の書き方 基本ルール9;まとめ