Googleスプレッドシート “同僚に差をつける”グラフの作り方を徹底図解

Googleスプレッドシート “同僚に差をつける”グラフの作り方を徹底図解

この記事では、グラフの作り方を徹底図解した。どちらかというと、初心者の人や、グラフを作るのが苦手な人向けの記事だ。

図解にはGoogleスプレッドシートを使っている。なぜExcelを使わないのか? それは、家に帰ってまでExcelを使いたくないという人が多そうだからだ。あの画面をひらくと、残業をしている気分になる。気が滅入るのだ。

それに、自宅用のパソコンにExcelを入れていない人も、最近では増えているように感じる。値段が高い割に、家ではほとんど使わない。そうですよね?

Googleスプレッドシートは、無料とは思えないほど優秀だ。グラフ作成については、ExcelでできることのほとんどがGoogleスプレッドシートでもできる。よっぽどテクニカルなグラフを作るなら別だが。余計な機能がない分、Googleスプレッドシートのほうが使いやすいくらいだ。直感的に作業できるのは、初心者向きだと思う。この記事にぴったりだ。

この記事の内容は、ほかの表計算ソフトにも応用できる。どの表計算ソフトでも、グラフ作成の手順は同じだからだ。とくにGoogleスプレッドシートは、使い心地がExcelに似ている。仕事でExcelを使う人にも、お役に立てるはずだ。

グラフの構成要素の名称と用途

グラフ作成では、聞き慣れない単語がいくつか出てくる。まずは、グラフの構成要素の名称と用途を覚えよう。

グラフの構成要素
  1. グラフエリア – グラフ全体を描いたスペース
  2. プロットエリア – グラフ本体(棒や線など)を描いたスペース。縦軸や横軸は含まない
  3. 横軸(x軸) – 横に伸びた線
  4. 縦軸(y軸) – 縦に伸びた線
  5. 目盛り線 – 縦軸が表す数値に沿った目盛り
  6. データ系列 – グラフが示す元のデータ。棒グラフでは棒を、折れ線グラフでは線を指す
  7. マーカー – 折れ線グラフで横軸と交差する場所を強調するポイント
  8. データラベル – データ系列の数値を示すラベル
  9. 凡例(はんれい) – グラフ内に複数のデータがあるときに、それぞれのデータ系列がどの項目を示すのかを説明する
  10. グラフタイトル – グラフにつけた題名

グラフの作り方

では、グラフの作り方を説明していく。今回は縦棒グラフを作る。ほかのグラフでも、グラフ作成の流れは同じだ。

この記事では、手を動かしながらいっしょに作れるように、Googleスプレッドシートを使う。Googleスプレッドシートは、オンラインで使える無料の表計算ソフトだ。使い心地はExcelに似ている。

グラフの作り方 01

Googleスプレッドシート – Google

Googleスプレッドシートのはじめ方

Googleアカウントを持っている人は、Googleスプレッドシートがいますぐ使える。

  1. [Googleスプレッドシートを使う]をクリックする
  2. [新しいスプレッドシートを作成]から[空白]を選ぶ
グラフの作り方 02

Googleアカウントを持っていない人は、下記リンクより無料で作成できる。

Google アカウントの作成 – Google アカウント ヘルプ

グラフを挿入する

はじめに、元となるデータ(表)を作る。

グラフの作り方 03

作ったデータ(表)を選択する。

グラフの作り方 04

表を選択した状態のまま、上部にあるメニューから[挿入]>[グラフ]を選択する。ツールバーにあるグラフのアイコンをクリックしてもよい。

グラフの作り方 05

初期設定のグラフとグラフエディタが出てくる。

グラフの作り方 06

グラフの種類を変更する

googleスプレッドシートでは、次のグラフが作れる。

グラフの作り方 07

グラフの種類は、グラフエディタの[グラフの種類]から変更できる。

  1. グラフをダブルクリックする
  2. グラフエディタの[設定]をクリックする
  3. [グラフの種類]の▼をクリックする
  4. リストからグラフを選ぶ

グラフの大きさを変える

グラフの大きさはいつでも変更できる。だが、文字の大きさなどを変更のたびに調整するのは、かなりめんどうだ。手間を減らすためにも、グラフの大きさはさきに調整しておこう。

  1. グラフをダブルクリックする
  2. グラフエリアの外枠8箇所に■が表示される
  3. ■にカーソルを合わせると→の形になる
  4. 大きさを調整する
グラフの作り方 08

googleスプレッドシートでは、グラフの大きさを指定することができない。特定のサイズを作りたい場合は、行と列のセルのサイズを変えて、セルの枠線を目安に大きさを整えよう。

セルの幅はピクセル単位で入力する。初期設定では、行×列が21×100ピクセルになっている。

グラフの背景色とフォントを変える

グラフの背景色とフォントは、グラフエディタの[グラフの種類]から変更できる。

  1. グラフをダブルクリックする
  2. グラフエディタの[カスタマイズ]をクリックする
  3. [グラフの種類]をクリックする
グラフの作り方 09

今回は、背景色とフォントは初期設定のまま進める(背景色が白、フォントがRoboto)。変更はなしだ。

縦軸の最小値と最大値を決める

縦軸の最小値と最大値は、グラフを挿入したときに、自動的に決まる。初期設定のままでも問題ない場合がほとんどだ。

最小値と最大値を調整すると、グラフの見た目が大きく変わる。「最大値を800」に設定した場合と「最大値を1000」に設定した場合を比べてみると、その違いがよくわかる。

グラフの作り方 10

最大値を小さく設定すると、グラフが上まで詰まる。余分な空間ができないため、細かく数値が読み取れる。

一方、最大値を大きく設定すると、グラフ上部にゆとりができる。どの月も量(大きさ)が少なく見える。

縦軸の最小値と最大値は、次の手順で設定できる。

  1. グラフをダブルクリックする
  2. グラフエディタの[カスタマイズ]をクリックする
  3. [縦軸]をクリックする
  4. 最小値と最大値を入力する
グラフの作り方 11

今回は、最小値を0、最大値を800に設定した。最小値は空欄でも0になる。

縦軸を非表示にする

今回は、データラベルで正確な数値を表示するため、横軸を非表示にする。

googleスプレッドシートには、縦軸を表示・非表示にする項目がない。だが、次の手順で横軸を見えないようにはできる。

  1. グラフをダブルクリックする
  2. グラフエディタの[カスタマイズ]をクリックする
  3. [グリット線]をクリックする
  4. [主グリットラインの色]をグラフの背景色に合わせる
  5. [横軸]をクリックする
  6. [テキストの色]をグラフの背景色に合わせる
グラフの作り方 12

今回は、背景色が白のため、グリット線の[主グリットラインの色]と縦軸の[テキストの色]を白に変えた。変更後のグラフは、こうなる。

グラフの作り方 13

凡例を非表示にする

凡例は2つ以上のデータがあるときに、どの線がどの項目を指しているのかを示すものだ。今回はデータが1つのため、もともと非表示になっている。

  1. グラフをダブルクリックする
  2. グラフエディタの[カスタマイズ]をクリックする
  3. [凡例]をクリックする
  4. [位置]の▼をクリックして[なし]を選択する
グラフの作り方 14

データラベルを表示する

データラベルは、データ系列に数値を示すラベルだ。初期設定では、データラベルは表示されていない。

  1. グラフをダブルクリックする
  2. グラフエディタの[カスタマイズ]をクリックする
  3. [系列]をクリックする
  4. データラベルの□にチェックを入れる
グラフの作り方 15

つづいて、データラベルの位置とフォントサイズを決める。データラベルの位置は「中央」「内側」「内側軸より」「外側」の4種類から選ぶ。

グラフの作り方 17

今回は、データラベルの位置を内側に、フォントサイズを18に変えた。変更後のグラフは、こうなった。

グラフの作り方 17

データ系列の色を変更する

次は、データ系列の色を変える。データ系列は、棒グラフでは棒の部分、折れ線グラフでは線の部分を指す。

  1. グラフをダブルクリックする
  2. グラフエディタの[カスタマイズ]をクリックする
  3. [系列]をクリックする
  4. [色]の▼をクリックする
  5. カラーパレットから色を選ぶ
グラフの作り方 18

今回は、ネイビーに変える。ネイビーは、見やすく、かつ落ち着きがある色のため、ビジネス資料にはおすすめだ。

変更後、グラフはこうなった。

グラフの作り方 19

グラフタイトルを変更する

グラフタイトルは、グラフにつけた名前だ。初期設定では「系列名」がそのままグラフタイトルとして自動的に上部に配置される。今回は金額になっている。

  1. グラフをダブルクリックする
  2. グラフエディタの[カスタマイズ]をクリックする
  3. [グラフと軸のタイトル]をクリックする
  4.  ▼で[グラフのタイトル]を選ぶ
  5. [タイトルテキスト]にタイトルを入力する

[グラフと軸のタイトル]では、[グラフのサブタイトル][横軸のタイトル][縦軸のタイトル]も入力できる。

グラフの作り方 20

今回は、[グラフのタイトル]と[縦軸のタイトル]の[タイトルテキスト]から「金額」を消して、サブタイトルに「グラフの単位」と入力した。位置は、右に寄せた。

変更後、グラフはこう変わった。ずいぶんとすっきりしたグラフになった。

グラフの作り方 21

横軸(x軸)のフォントサイズを変える

グラフのフォントやフォントサイズは、できるかぎり揃えたほうが見た目がよくなる。全体がまとまり、きちんと作り込まれた印象になるからだ。フォントサイズがばらばらだと、落ち着きがない印象を読み手に与える。

  1. グラフをダブルクリックする
  2.  グラフエディタの[カスタマイズ]をクリックする
  3. [横軸]をクリックする
  4. 横軸のフォントサイズを変える
グラフの作り方 22

今回は、フォントをRobotoに、ラベルのフォントサイズを18に設定した。

変更後のグラフは、こうなった。グラフ全体で統一感がでた。

グラフの作り方 23

プロットエリアを調整する

さいごに、プロットエリアを調整して、グラフ全体のバランスを整える。

  1. グラフをダブルクリックする
  2. プロットエリアの外枠8箇所に□が表示される
  3. □にカーソルを合わせると→の形になる
  4. 大きさを調整する
グラフの作り方 24

これでグラフは完成だ。初期設定のグラフと見比べると、ずいぶん見やすくなった(と、個人的には思うがどうだろう?)。

グラフの作り方 25

グラフをダウンロードする

Googleスプレッドシートでは、作成したグラフがダウンロードできる。ダウンロードの形式は、SVG、PNG、PDFの3種類だ。

  1. グラフをクリックする
  2. グラフの右上にある[…を縦にしたマーク]をクリックする
  3. [形式を指定してダウンロード] をクリックする
  4. ファイル形式を選ぶ
グラフの作り方 26

まとめ 見やすいグラフ作成のポイント

これでグラフの作り方の説明はおわりだ。さいごに、見やすいグラフを作るポイントをまとめておく。

  • データにぴったりのグラフを選ぶ
  • 縦軸、目盛り線、凡例など余分な要素は取り除く
  • データラベルを表示する
  • グラフには落ち着いた色を使う
  • フォントは色と大きさを統一する

見やすさにこだわるのは、ほとんどのグラフは、自分以外の誰かが見るために作るからだ。仕事では上司やクライアントがグラフを見る。プライベートでは友人に見せたり、ブログに載せたりする。グラフ作成には、読者視点が欠かせないのだ。

ここをこうすると見やすくなるかな、と考えながら、いろんなグラフを作ってみよう。

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