メモの取り方のコツ9|シーン別の活用術でメモは仕事の武器に変わる!

メモの取り方のコツ9|シーン別の活用術でメモは仕事の武器に変わる!

メモやノートの重要性はわかっている。でも「いつも三日坊主でおわる」「新しいメモの取り方を試しては飽きるの繰り返し」という人は多いはずだ。

「わたしは記憶力がいいからメモは取らない」という人もいるかもしれない。

しかし、仕事でメモを取るのは大切なことだ。ここでは、メモの取り方のコツと、その活用術を紹介する。

メモを取る理由

人は忘れるからメモを取る。忘れないように書き残しておくのが、メモを取る理由だと言われている。

たしかにその通りだ。仕事では「あとでメモしよう」や「覚えておこう」などの場面がよくある。手元にメモ帳やノート、ちょうどいい紙切れがないときに限って、みんな頼みごとをしてくるからだ。

こうした少しの油断は、やがて大きなミスに膨らみ、自分のところに帰ってくる。取引先から「荷物届いてない」と連絡があったり、上司から「会議の資料できた?」とつっこまれたりする。そのときになって「あっ!」と気づくが、もう遅い。すでに、仕事での信頼は失っているのだ。

人は忘れる。エビングハウスの忘却曲線という有名な実験がある。その結果は次のとおりだ。

  • 20分後には覚えたことの42%を忘れる
  • 1時間後には覚えたことの56%を忘れる
  • 1日後には覚えたことの74%を忘れる

忘れるためにメモを取る

メモを取る理由は「忘れないように」ではなく、「忘れてもいいように」が正しい。メモを取ったあとは、すっかり忘れてしまってもいい。あとでノートを見返せば、そこに書いてある。覚えておく必要はないのだ。

忘れるためにメモを取るともいえる。心配事があると、次の仕事に100%で向き合えない。頭のすみっこのほうで、あれこれ考えてしまうからだ。目の前の仕事に集中するには、頭をリセットさせたい。そのために忘れるのだ。

忘れるという事実も忘れる

人は忘れるという事実も忘れる。二度と失敗しないと誓ったはずなのに、つい「あとでメモしよう」と考えてしまう。とくに、うっかりミスの多い人ほど、自分の記憶力を過信しがち。同じ失敗を繰り返す。

メモを取るのは、誰にでもできることだ。小学校低学年だってできる。年齢も、学歴も、他のどんなことも関係ない。メモを取るか、取らないかの二択だけだ。

誰にでもできるけれど、できる人が少ないのがメモを取ることだ。だからこそ、メモの取り方のコツを覚えれば、きっと仕事の武器になる。きちんとメモを取れるだけで他人に差をつけられるのだ。メモを活用しないのはもったいない。

手書きでメモを取る理由

手書きでメモを取る理由はふたつだ。

ひとつめは、パソコンやスマートフォンでメモを取っていると、まわりからは他のことをしているように見える。とくに年配の人は、スマホでメモを取れること自体を知っているか怪しい。もし知っていたとしても、マナー違反として不快に思うかもしれない。

お客様との商談や上司との打ち合わせでは、メモには記録ツール以外の大きな役割がある。それは相手の信頼を得ることだ。手書きでノートにメモを取る姿が、「話を聞いてくれている」と相手を安心させる。それが信頼感につながるのだ。

ふたつめは、パソコンを使うと発言を一語一句もらさず打とうとしてしまうからだ。じっとティスプレイとにらめっこしている会議に何の意味があるのか? 会議に参加する目的は、相手の発言を受けて考えること、自分の意見を発言することだ。記録するだけでいっぱいいっぱいでは、参加する意味がない。議事録係であったとしても、だ。

当たり前のことを当たり前にできるようになる

多くのノート術、メモ術がある。プレゼン資料を1ページにまとめたり、図表化したりなどの技術だ。ここでは、むずかしい技術を紹介するつもりはない。急にやろうと思っても、途中で投げ出してしまうのが関の山だ。

まずは当たり前のことを当たり前できるようになるのが大切だ。聞き逃さないこと、書き漏らさないことを目指し、聞いたことをすばやくメモする技術を身につける。背伸びしても、疲れるだけだ。

メモの取り方のコツ:基本のルール

1 1案件見開き1ページを徹底する

手書きメモの欠点は、検索できないことだ。パソコンのように日付や単語で並び替えできない。その欠点を補うため、メモを取るときのルールを作り、そのルールに従う。

そのルールとは、メモは「1案件につき見開き1ページ」を徹底することだ。書き込みが多いときは次のページに進んでいいが、別の案件がはじまったときは、たとえページのほとんどが余白だったとしても、次のページに進む。

いくつかの案件がひとつのページで混ざり、あとで探しにくくなるのを防ぐためだ。余白を残していると、あとで追加の書き込みもできる。

会議や商談では、はじめに次の事柄を記入する。

  • 日付
  • 件名
  • 参加者

次は、各ページに付箋などでインデックスを作り、貼り付ける。あとで見返すとき、目的のページが探しやすいためだ。あるいは、ノートにページ数を記入し、最後のページを目次として使う方法もある。書きっぱなしを減らし、あとで読み返せるメモの取り方のコツだ。

切り離せるノートを使うときは、書き終わったあと、案件ごとにフォルダやファイルに入れて管理すること。

2 見てわかるメモを心がける

読む人がわかりやすいメモ。これがメモを取るとき心がけることだ。メモを読むのは他人だけではない。あとでメモを見返す未来の自分も、立派な読む人だ。

わかりやすいメモを取るには、字を丁寧に書くのはもちろんだが、もっと大切なことがある。「読んでわかる」ではなく「見てわかる」メモを取ることだ。

メモには正しい文章や美しい表現は不要だ。箇条書きのほうがわかりやすい。次の事柄をはっきりと書くのが、わかりやすいメモの取り方のコツだ。意識することで、ヌケモレが防げる。

  • いつ
  • どこで/どこへ
  • 誰が
  • 誰に
  • 何を
  • なぜ
  • どのように
  • いくらで
  • どのくらいの量で

色を変えたり、大きく書いたりするなど、重要なところを目立たせるのも有効だ。ぱっと見るだけで理解できるメモを目指したい。

3「メモ=お金」として管理する

メモ帳を持っていないときに限って、大切なことを伝えられたり、すばらしいアイデアを思いついたりするものだ。そんなとき、あたりを見回し、適当な紙切れ(割りばしの入れ物、ガムの包み紙、手のひら?など)にメモを取るしかない。

覚えようとせず、がむしゃらにメモを取るその姿勢は、賞賛に値する。正しい行動だ。パチパチパチ!

しかし、ポケットに突っ込んだそのメモはきっとゴミとして捨てられる。それが運命なのかもしれないが、未来を変える方法もある。

その方法は、メモを財布に入れて保管することだ。大切な情報やアイデアは、お金にはかえられない。お金より大切なものだ。財布に入る条件は120%満たしている。メモの取り扱いのコツだ。

会社に戻ったあとは、ノートに貼り付けたり、書き写したりするのを忘れずに。メモは一箇所にまとめて管理したい。

メモの取り方のコツ:仕事での活用術

4 TODOメモ+制限時間+優先順位

TODOリストは、タスクを箇条書きし、上から順番に消していくのが主流だ。しかし、それだけではいつまでたっても仕事は終わらない。すべてのタスクが消えるまで、延々と働くことになる。

TODOメモをより効率的に使うには、ふたつの項目を追加することだ。

ひとつめは、TODOリストの各タスクに「〇〇時まで」と制限時間を設けること。時間を決めることで、集中力が増す。時間内に終わらせるための工夫もするようになる。

ふたつめは、優先順位をつけること。多くの人は面倒な仕事を先延ばしし、やりやすい仕事から手をつける。朝からメールの返信をはじめる。頭がスッキリしている朝こそ、むずかしい仕事に向いている。そのほうが仕事の成果も出る。

まず帰る時間を決めるのが、TODOメモの取り方のコツだ。帰る時間から逆算し、優先順位にしたがって「〇〇時 プレゼンの資料作り」「〇〇時 メールの返信」「〇〇時 会議」など、時間ごとのタスクを並べる。

やり残した仕事は、次の日のTODOリストの一番上に持ってくる。後回しにすると、次の日もできない可能性がある。また、翌日のリストに書き写すことで、タスクのヌケモレも防げる。

5 自分への引き継ぎメモを作る

仕事には3ヶ月に一度、半年に一度の間隔で発生するものある。四半期決算や人事考課、地方出張などだ。期間が空くことでよく起こるのが、前回の反省点や気づきを忘れること。「あ、また同じところで失敗した」など、同じ失敗を繰り返してしまう。そこで活用したいのが、自分への引き継ぎメモだ。

その業務で使う書類に反省点や改善点、疑問点を書いた付箋を貼る。例えば次のような事柄だ。

  • 「〇〇はミスしやすいので注意!△△すること」
  • 「〇〇の資料は集める必要なし。使わないことが多い」
  • 「〇〇には興味なし。次回は△△の話題を振る」

引き継ぎ書は後任者のために作るものだが、自分への引き継ぎメモは、現在の自分から数ヶ月後の自分に宛てたアドバイズだ。「こうやるとうまくいくよ!」のイメージがメモの取り方のコツだ。

6 備忘録メモでヌケモレを防ぐ

上司に指示を受けるとき、多くの人はメモを取る。聞きもらし、書きもらしが許されない状況だが、それほどゆっくり書いている時間もない。指示のヌケモレを防ぐメモの取り方のコツは、事前にメモのポイントを抑えておくことだ。

  1. 「2見てわかるメモを取る」で書いた6W3Hを意識する
  2. カタカナを活用する。カタカナは感じより画数が少ないため速く書ける。例「指示」→「シジ」など。人名の読み間違いも防げる。例「ワタベ」「ワタナベ」
  3. 指示した人と日付も書いておく。上司自身が指示したことを忘れるかもしれない。自分が上司として部下に指示した場合、その事実もメモに残しておくこと。
  4. 数字ではっきり書く。「今日中」と言われても「〇〇日〇〇時まで」か確認すること。
  5. メモの内容を復唱すること。相手の伝えたいことと、自分の認識の違いを埋める。

メモの取り方のコツは、6W3Hメモを作っておくこと。ヌケモレやあいまいな部分がすぐに見つかる。

7 伝えるメモで人を動かす

頼みごとをするとき、相手がメモを取らない可能性がある。相手が上司だった場合、「ちゃんとメモしてください」とは言いづらい。しかし、忘れられても困る。そこで、伝えたいことを相手が気づくようなメモを用意する。

このとき有効なのは付箋だ。ハンコをもらいたいときは書類に「ハンコお願いします」と書いた付箋を押してほしいところに貼る。付箋が外れるのを防ぐため、接着面の広いものを選ぶのが、メモの取り方のコツだ。

8 準備メモで聞きもらしを防ぐ

商談や打ち合わせでの聞きもらしは相手に失礼だ。貴重な時間を割いてもらったのに、「先ほど聞き忘れたのですが」などとメールを送ったり電話をしたりすると、相手は「一度で済ませてくれよ」とうんざりする。

こうしたミスを防ぐには、話す内容を確認できるメモを商談の前に準備しておくことだ。「質問すること」「雑談のネタ」などを書いた付箋を作り、自分のノートやメモ帳に貼っておく。

商談中、話終わった項目を消していくのがメモの取り方のコツだ。用意したのに聞き忘れたでは、悲しすぎる。付箋は相手に見られないように気をつけること。

9 名刺に直メモで人脈を広げる

ビジネスで欠かせない名刺交換。一度に多くの人と交換すると、誰と何を話したのかわからなくなる。これでは、せっかくの出会いが台無しだ。せっかくのビジネスチャンスを失ってしまう。

こういうときは、名刺の余白にあれこれ書き込むのがメモの取り方のコツだ。メモする情報は次のとおり。

  1. 日時
  2. 場所
  3. 案件
  4. 紹介してくれた人
  5. 会話の内容
  6. プライベート情報 (ゴルフ好き、野球よりサッカー好き、読書家など)

これだけ書いておけば、名刺を確認するだけで、相手のことを思い出せる。失礼な発言をすることもなくなるはずだ。

 

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