東京オリンピック2020で金メダルが期待できる34競技種目を徹底解説!

東京オリンピック2020で金メダルが期待できる34競技種目を徹底解説!

東京オリンピック2020まで1年を切った。自国開催は実に56年ぶりだ。期間は7月24日から8月9日までの17日間。33競技、339種目がおこなわれる。

前回の東京五輪では16個の金メダルを獲った。銀メダル5個、銅メダル8個とあわせて合計では29個のメダルを獲得した。過去最多のメダル獲得数は、前回リオ五輪の41個(金12・銀8・銅21)。

オリンピックは自国開催がやっぱり有利だ。日本人選手にはメダルラッシュの期待がかかる。「東京五輪では金メダルを30個目指したい」。スポーツ庁の鈴木大地長官は宣言した。

東京五輪代表はまだ決まっていないが、選出が濃厚な選手の中から金メダル獲得が期待できる34競技種目を紹介する。

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東京オリンピック2020で金メダルが期待できる競技種目34

東京オリンピック2020では、追加種目で金メダル獲得が続きそうだ。空手、スポーツクライミング、スケートボード、サーフィン、野球・ソフトボールの5競技18種目が加わった。

複数の金メダルが期待される柔道やレスリング、バドミントンはもちろん、競歩やセーリング、フェンシングといった普段はなかなか見る機会がない競技にも金メダルが期待できる選手がそろっている。

競技種目や選手紹介のさいごに、東京2020公式サイトの競技説明ページや紹介選手のSNS、公式ホームページ、スポンサーページ、getty images(フォトストックサイト)へのリンクを貼っている。競技種目のルールや見どころ、選手の顔写真はそちらからどうぞ。

※記事中は敬称を省いている

空手・形 喜友名諒(29)

空手は東京オリンピック2020で初めて正式種目に決まった。空手には「形」と「組手」がある。形は1人で演武を披露して、その完成度を競い合う。

喜友名諒(きゆなりょう)は空手発祥の地、沖縄で育った。彼の全盛期に空手が正式種目になったのは、運命を感じる。得意とする形は「アーナンダイ」。ジグザクな足の運びと、攻防一体がその特徴だ。

喜友名の国際大会の実績は凄まじい。2年に1度おこなわれる世界空手道選手権は2014年から3連覇中。アジア大会は4連覇中。全日本空手道選手権大会は2012年から2018年まで、なんと7連覇中だ。

「もっとも金メダルに近い男」。空手の世界で、喜友名はそう呼ばれている。

空手のルールと見どころ – 東京2020公式サイト

喜友名諒の写真 – getty images

柔道・男女混合団体

柔道男女混合団体は、東京オリンピック2020から採用される新種目だ。

チームは計6人で構成する。階級は、男子が「73キロ以下」、「90キロ以下」、「90キロ超」の3人、女子が「57キロ以下」、「70キロ以下」、「70キロ超」の3人だ。試合は同じ階級の選手同士でおこなう。

この競技、金メダルはすでにもらったようなものだ。直近2年間、日本は男女混合団体で敗けたことがない。2017年と2018年の世界選手権を連覇している。

大きな声援も選手を後押しする。男女混合団体は、柔道競技の最終日におこなわれる。会場はかなり盛り上がるはずだ。選手には、ニッポンコールが四方八方から降り注ぐ。

柔道のルールと見どころ – 東京2020公式サイト

バドミントン・シングルス 桃田賢斗(24)

感謝の気持ちがほほを伝わった。桃田賢斗(ももたけんと)は2019年7月28日、東京五輪の本番会場「武蔵野の森」でおこなわれたジャパンオープンで大会2連覇を達成した。会場には「桃田がんばれ!」の大声援が響いていた。勝利の瞬間、桃田の目から大粒の涙が溢れ出した。彼は許されたのだ。

端正なルックスと世界ランク2位の実力から人気選手だった桃田は2016年、罪を犯す。違法カジノ店での賭博だ。無期限の出場停止処分を受け、選手生命の危機におちいる。

だが、彼は終わらなかった。地道な社会奉仕活動が認められて、2017年5月に復帰。世界ランク282位からの出発だった。

桃田はものすごい速さでランキングを駆け上がった。そして2018年9月、てっぺんにたどり着く。世界ランキング1位。日本男子では初の快挙だった。

名前の由来は映画『スーパーマン』のクラーク・ケントから。「世界でいちばん強い男になるように」。両親はそう願いを込めた。桃田はたゆまぬ努力で、両親の願いを叶えた。

桃田は国民の願いをも叶えるつもりだ。東京オリンピック2020バドミントン男子シングルスで金メダルを狙う。

視界は良好だ。行く手を阻むライバルは世界ランク2位のシー・ユーチ(中国)と、同5 位のビクター・アクセルセン(デンマーク)のふたり。2018年以降は、シーに3勝2敗、アクセルセンに6勝0敗と両者に勝ち越している。

もう誰も桃田を責めはしない。2020年、桃田は日本の孝行息子になる。

バドミントンのルールと見どころ – 東京2020公式サイト

桃田賢斗 – twitter

桃田賢斗 – instagram

桃田賢斗の写真 – getty images

レスリング・57kg級 川井梨紗子(24)

新旧交代を印象付ける試合だった。2019年6月の全日本選抜選手権で、五輪4連覇中の伊調馨を川井梨紗子が破った。7月のプレーオフでも再び川井が勝った。

これでよかったのかもしれない。それほど川井は強い。リオ五輪で金メダルを獲得して以降、国際大会では2018年のアジア大会(3位)を除いてすべての大会で優勝している。

東京オリンピック2020では、誰よりも重圧を感じるだろう。普段通りの柔道ができれば、金メダル獲得は堅い。だが、負けるようなことがあれば、伊調のほうがよかったという声が必ず聞こえてくる。プレッシャーに打ち勝ち、本番では圧巻の柔道を見せてほしい。

レスリングのルールと見どころ – 東京2020公式サイト

川井梨紗子の写真 – getty images

柔道・70kg級 新井千鶴(25)

新井千鶴は立ち姿が美しい柔道家だ。172センチの長身に、すらりと伸びる手足。バランスの整った体格は、柔道家でなくともうらやましくなるほど。

最大の武器は「足技」。長い手足と体幹の強さから繰り出される内股や大外刈りはまさに絶品。柔道着を掴まれないよう、相手選手は逃げ回るほかない。

そんな彼女も、高校までは強い選手ではなかった。中学では、いっしょに練習できる相手がほとんどいないほど、練習環境に恵まれなかった。

「同世代の人の誰よりも強くなりたい」。その思いが彼女を突き動かした。高校で柔道をやっている先輩に連絡をして、練習に参加できるように頼んだ。母に車で送ってもらい、毎週末高校に通った。

社会人になってからも壁にぶち当たったが、持ち前の行動力とたゆまぬ努力で世界ランキング1位まで登りつめた。世界柔道選手権では、2017年・2018年と2連覇中だ。

ライバルは世界ランク2位のマリーべ・ガイエ(フランス)と、同3位のアンナ・ベルンホルム(スウェーデン)。両選手ともに2戦2勝と負けはない。

新井千鶴 – 三井住友海上

新井千鶴の写真 – getty images

空手・形 清水希容(25)

美人すぎるとか、かわいすぎるとか、そんな手垢でべたついた形容詞は使いたくないが、ときには使わざるを得ない場合がある。そのひとつは清水希容(しみずきよう)を紹介するときだ。彼女のビジュアルはそれほど整いすぎている。

さらに強い。世界空手道選手権大会では2014年、2016 年と連覇。2018年はおしくも準優勝だった。2019年のアジア大会では2連覇を達成。全日本空手道選手権大会は2013年から2018年まで6連覇中だ。

弱点もある。呼吸音(息吹)の大きさだ。形では正確で適切な呼吸が大切とされる。2019年6月のプレミアリーグ中国大会の決勝では、呼吸音が減点の対象となり、ライバルのサンドラ・サンチェス(スペイン)に0.20点差で敗れた。

女子の形は清水とサンチェスが完全な2強。どちらかが金で、どちらかが銀だ。2019年は2勝4敗と負け越している。

だが、東京オリンピック2020では清水が勝つだろう。日本はサンチェスにとって完全なアウェイ。海外では演武中に拍手が起きるが、空手を神事扱いする日本人は静かに見る。会場は静寂に包まれる。この雰囲気に慣れていないサンチェスが、普段通りの演武をするのはむずかしい。

清水はまさにアニメの主人公になる。弱点を見抜かれた主人公がそれを克服して、負け越しているライバルを打ち倒す。そんなエンディングを期待している。

清水希容 – instagram

清水希容の写真 – getty images

バドミントン・ダブルス 松本麻佑(23)&永原和可那(23)

まるで雨のあとのタケノコのようだ。日本の女子バドミントンには、次々と新星が現れる。今回は松本麻佑と永原和可那。通称「ナガマツ」ペアだ。

ナガマツペアは彗星のように現れた。2018年の世界選手権で、他国選手の欠場による繰り上げ出場を果たすと、あれよあれよという間に決勝まで勝ち上がる。決勝では過去6戦6敗と相性の悪かった松島由紀&廣田彩花ペア(通称「フクヒロ」)を下して、初出場初優勝の快挙を達成した。

その後も世界トップレベルの攻撃力を武器に勝利を積み重ねた。ついには世界ランク1位に上り詰める。

だが、五輪レースが始まってからは調子がいまいち上がってこない。課題は守備力だ。攻撃型ペアとの試合では苦戦が続く。いちど防戦一方になると盛り返せず、そのまま押し切られてしまう。

苦手ペアもいる。五輪レース初戦のニュージーランドオープンと2019 年7 月のジャパンオープンでは、金昭映と孔熙容の韓国人ペアに2度続けて敗れた。

国内のライバルもだまってはいない。世界ランク2位には「フクヒロ」が、世界ランク3位にはリオ五輪金メダルの松友美佐紀&高橋礼華ペア(通称「タカマツ」)がいる。

出場枠は最大2枠。いずれのペアが代表になっても金メダル候補だ。東京五輪代表は、2020年4月時点の世界ランキングで決まる。

北都銀行バドミントン部公式サイト

松本麻佑 – instagram

永原和可那 – twitter

柔道・57kg級 芳田司(23)

芳田司(よしだつかさ)は、柔道57kg級のエースだ。ロンドン五輪金メダリスト「野獣」こと松本薫からバトンを受け継いだ。立ってよし寝てよし。芳田の柔道には隙がない。

必殺技は「ケツ股」。相手を尻にのせて投げる独特の内股だ。彼女は57キログラム級では小柄なため、相手を太ももではなく尻にのせる。

実績も十分だ。2018年の世界選手権では優勝。世界ランクは堂々の1位だ。

海外有力選手にも負け越しがない。世界ランク2位の出口クリスタ(カナダ)とは3勝3敗と互角だが、同3位のノラ・ヤコヴィには3戦3勝と圧倒している。

芳田司の写真 – getty images

柔道・66kg級 阿部一二三(21)

阿部一二三(あべひふみ)は兵庫県神戸市出身の柔道家だ。インパクトある名前には、「一歩一歩前に進んでほしい」という両親の思いが込められている。

彼のキャリアは一歩一歩どころか三段飛ばしで始まる。彼は2014年に、わずか17歳2ヶ月で講道館杯66キログラム級を制した。これは史上最年少記録だ。

勢いは止まらない。リオ五輪出場は逃したが、2016年からは全日本体重別選手権、グランドスラム東京大会を2連覇。世界選手権でも2017年の初出場から2連覇を果たした。国際大会での実績も十分だ。

だが、東京オリンピック2020出場は平坦な道ではない。国内にはライバルがいる。丸山城志郎だ。2019年4月の全日本体重別選手権では13分を超える死闘の末に敗れた。彼を打ち倒すことが、東京五輪代表の条件となる。

阿部一二三 – instagram

阿部一二三 – twitter

阿部一二三の写真 – getty images

柔道・53kg級 阿部詩(19)

阿部詩(あべうた)は、柔道男子66kg級阿部一二三の妹だ。「詩」という美しい名前は、生まれた彼女を見た父の頭にふと浮かんだという。本人も気に入っているそうだ。

彼女は強い。とくに外国人選手には強すぎる。国際大会では、2016年3月のデビュー以来40連勝と、海外選手にはいまだ負け知らず。爆発的な瞬発力で、バッタバッタと相手を投げる彼女の柔道は、まさに爽快。日本の夏にうってつけの選手だ。

しかも若い。東京オリンピック2020を迎える時点でまだ20歳。伸び盛りの年齢でこの強さ。野村忠宏氏の五輪3連覇を超えるのは彼女かもしれない。

年頃の女の子らしいところもある。験担ぎで、試合では毎回バナナ柄の靴下を身につける。足元にも注目だ。

2018年には世界選手権では、兄妹で世界チャンピオンになった。東京オリンピック2020では、五輪史上初の兄妹アベック優勝を目指す。

阿部詩 – instagram

阿部詩 – twitter

阿部詩の写真 – getty images

柔道・73kg級 大野将平(27)

大野将平は男の中の男だ。どんな相手に対しても真っ向勝負を挑む。外国勢に押し負けないパワーと強い体幹を持ち、接近戦でも一歩も譲らない。切れ味鋭い足技で、豪快に相手をなぎ倒す。

大野は大舞台に強い。リオ五輪では圧倒的な強さを見せつけて金メダルを掴みとった。心技体が高次元でそろったその勇姿は、井上康生や野村忠宏が引退して以降、ひさびさに現れた日本柔道の「教科書」と称された。

本番に向けての調整力には定評がある。リオ五輪以外では、2013年と2015年の世界柔道選手権で優勝している。

73キログラム級の海外有力選手にも圧勝している。世界ランク1位のルスタム・オルジェフ(アゼルバイジャン)には4戦4勝、同2位の安昌林(韓国)には5戦5勝と敗けがない。

大野将平 – instagram

大野将平 – twitter

大野将平の写真 – getty images

セーリング・470級 吉田愛(38)吉岡美帆(28)

セーリング・470級代表の吉田愛と吉岡美帆は、2018年の世界選手権の優勝コンビだ。

ふたりはバランスがいい。吉田はオリンピック3度出場経験がある大ベテラン。吉岡は身長177センチと高く、海外選手にも見劣りしない体を持つ。

自国開催も有利に働く。セーリングは、風や波といった自然条件に大きく左右される競技だ。自国開催の恩恵は、ほかのどの競技よりある。元競技選手で日本セーリング連盟の斎藤愛子氏は、「会場で練習できる時間が長いと、感覚的には20倍ほど有利」と語る。

プライドもある。五輪会場の「江の島」はふたりのホーム。地元では負けられない。江の島の風と波を知り尽くしているふたりに死角はない。

セーリングのルールと見どころ – 東京2020公式サイト

吉田愛と吉岡美帆の写真 – getty images

ソフトボール 全日本女子ソフトボールチーム

メダル獲得の確率がもっとも高いのは、宇津木監督率いる女子ソフトボールチームだろう。注目はそのメダルの色だ。金になるのか、それとも銀になるのか。ライバル・アメリカとの勝敗にかかっている。

過去オリンピックでは、アトランタ(4位)以外、シドニー(銀)、アテネ(銅)、北京(金)でメダルを獲得している。

女子ソフトボールチームの武器は、選手層の厚さだ。これまでは大エース・上野由岐子ひとりにおんぶにだっこだった。だが今回は、もうひとりのエース・藤田倭がいる。野手陣には複数のポジションを守れる選手がそろっている。

自国開催も有利に働く。ソフトボールは6日間おこなわれる。高温多湿のなかで過酷な日程。海外選手にはかなりこたえるはずだ。

心配なのは上野由岐子のケガの回復具合だ。上野は4月に打球をあごに受けて骨折した。ピッチング練習はすでに再開しているようだ。

開幕試合は、福島市の福島県営あづま球場でおこなわれる。メイン球場は横浜スタジアムだ。

野球・ソフトボールのルールと見どころ – 東京2020公式サイト

‎SOFT JAPAN Official Website

スケートボード・ストリート 西村碧莉(17)

東京オリンピック2020で正式種目となったスケートボードは、「ストリート」と「パーク」に分かれる。

簡単に説明する。ストリートは、階段や手すりなど構造物を利用してトリックを披露する。難易度やスピード、全体の構成などを採点する。パークはおわん型の斜面を使ってトリックを決める。独創性やかっこよさを評価する。

ストリートに出場するのは、西村家の3女・西村碧莉(にしむらあおり)だ。西村家はスケボー家族として有名。3姉妹と弟の名前の頭文字を並べると「SKATE」になる。S(沙菜)、K(詞音)、A(碧莉)、TE(晢偉瑠)だ。

この若さで実績も十分だ。世界のトッププロが集まるXゲームとストリートリーグで優勝経験がある。2019年1月にブラジルでおこなわれた世界女子選手権大会でも優勝。初代の女子世界王者になった。

世界を相手にしても縮むことのないその強心臓で、日本に金メダルを届けてくれるはずだ。

スケートボードのルールと見どころ – 東京2020公式サイト

西村碧莉 – instagram

西村碧莉 – ムラサキスポーツ

西村碧莉の写真 – getty images

フェンシング・エペ団体

畑を耕し、種を蒔いてきた。北京五輪銀メダリスト太田雄貴が日本フェンシング協会の会長に就いて以降、日本の競技レベルは着実な成長を見せていた。

強化はついに実を結ぶ。2019年3月、男子エペワールドカップ・アルゼンチン大会の団体戦で、日本代表は初優勝を手にした。見延和靖、加藤虹輝、宇山賢、山田優の4人のサムライがやってのけた。

その後は勝てない大会が続いている。だが、東京オリンピック2020の本番では、やってくれそうな気がする。なんたって、まさかの銀メダルをとった太田雄貴会長の孝行息子たちなのだから。

フェンシングのルールと見どころ – 東京2020公式サイト

公益社団法人 日本フェンシング協会 公式サイト

競歩・20km 池田向希(21)

いま、日本の競歩が熱い。20キロの世界ランクは、トップ3を日本人が独占。10位までに6人の日本人選手の名前が並んでいる。(2019年7月30日時点)

なかでも注目は池田向希(いけだこうき)だ。池田はとにかくクレバーな歩きを見せる。2018年に中国で開催された世界競歩チーム選手権では、国際主要大会出場が初めてとは思えない完璧なレース運びで優勝した。2019年にイタリアで開催されたユニバーシアードでも優勝。世界ランク1位に躍り出た。

そして朗報がある。競歩の観戦にはチケットは必要ない。必要なのは、帽子とタオルと水筒だけ。いい声で応援できるように、喉の調子は整えておこう。

競歩のルールと見どころ – 東京2020公式サイト

池田向希 – Google画像検索

体操・種目別ゆか 白井健三(22)

白井健三は文字通り体操界に名を残した男だ。ゆかと跳馬で6つのシライの名前がつく技を持つ。いままで誰も成功しなかった技を6度も成功させた。

白井は若くして頭角を現した。2013年の世界選手権の種目別ゆかでは、男子史上最年少17歳1ヶ月で優勝した。リオ五輪では、エース内村航平とともにチームを引っ張った。団体での金メダル獲得に貢献した。

怪我の影響もあって、ここのところ不調が続いている。2013年から6年連続で選ばれていた世界大会への代表入りを逃した。10月の世界選手権にはでられない。

だが、ポテンシャルと実績は日本人選手の中では頭ひとつ抜けている。気持ちを切り替えて、いちばん得意な種目別ゆかに照準を定めれば、一発逆転で金メダルも夢ではない。

体操のルールと見どころ – 東京2020公式サイト

白井健三 – twitter

白井健三 – instagram

白井健三の写真 – getty images

柔道・78kg超級 朝比奈沙羅(22)

朝比奈沙羅(あさひなさら)は愛される選手だ。彼女は無類のスポーツ好き。ラグビー、ハンドボール、水球、陸上など、東京オリンピック2020チケットを爆買いしようと申し込んだ。結果は、ことごとく落選。柔道にも応募したが1枚も当たらなかった。朝比奈は「(五輪に)でるしかないんだな」と決意を固めたという。このエピソード、好きだ。

文武両道の柔道家でもある。両親の影響で、現役引退後は医師を志す。東京五輪のあとは、医学部進学を希望している。

東京五輪では彼女の名前にも注目してほしい。ローマ字表記は「SARA」ではなく「SARAH」になっている。これは、彼女の名前が映画『ターミネーター』のサラ・コナーからきているからだ。両親は名前に「強くなってほしい」という願いを込めた。彼女はそのとおり強い女性に成長した。

ライバルはイダリス・オルティス(イタリア)。対戦成績は2勝5敗と負け越している。だけど、五輪本番では、きっと勝ってくれる。柔道78キログラム級は、個人戦の最終日におこなわれる。会場の大声援をパワーに変えて、朝比奈はさらに強くなる。

朝比奈沙羅 – twitter

朝比奈沙羅の写真 – getty images

フェンシング・エペ個人 見延和靖(32)

日本フェンシングのエース・見延和靖(みのべかずやす)は、女性誌の五輪特集で表紙を飾るほどのイケメン選手だ。鍛え上げられた見事な肉体は、男が見ても惚れ惚れするほど美しい。まるで彫刻のようだ。

見た目だけではない。2018〜2019年シーズンは、フェンシング・男子エペで日本人初となる世界ランク1位に上り詰めた。世界選手権では2回戦で敗れたが、年間王者に輝いた。

見延はかなりのフェンシングおたくだ。頭の中は100%、フェンシングで占められている。日常生活では、2、3年前からマジックハンドを取り入れた。剣と同じ長さのマジックハンドで「あえて近くのものを取ったりする」とあっけらかんと語る。マジックハンドはすでに7代目に突入した。

まったくクレイジーすぎる。すべてをフェンシングに捧げる男(しかもイケメン)に、勝利の女神が微笑まないわけがない。

見延 和靖 OFFICIAL WEB SITE

見延和靖の写真 – getty images

柔道・48kg級 渡名喜風南(23)

「死ぬこと以外、かすり傷」。渡名喜風南(ときなふうな)はこの言葉を胸に畳に立つ。大学入学後、結果が出ずに苦しんだ時期があった。そのときに、母がぼつりとつぶやいた言葉だ。「試合で負けても死ぬわけじゃない」。気持ちが楽になったという。

世界ランクは1位。だが、金メダル獲得には、大きな壁が立ちふさがる。その名はダリア・ビロディド(ウクライナ)。48キログラム級では規格外の172センチの長身選手だ。対する渡名喜は148センチとちんまり。身長差からどうしても攻めあぐねてしまう。対戦成績は3戦3敗だ。

舞台は整っている。渡名喜には、会場の声援を力に変えて、壁を飛び越えてもらいたい。

渡名喜風南 – instagram

渡名喜風南の写真 – getty images

卓球・ダブルス 水谷隼(30)伊藤美誠(18)

わくわくするペアが誕生した。水谷隼(みずたにじゅん)と伊藤美誠(いとうみま)だ。

滑り出しは上々だ。2019年7月のオーストラリアオープンでは、ペアを組んで2大会目ながら銀メダルを獲得した。随所で息のあったコンビプレーを見せた。このまま成熟していけば、おもしろい存在になりそうだ。本人たちも手応えを口にしている。

ふたりは同郷だ。ともに静岡県磐田市で育った。豊田町卓球スポーツ少年団の先輩・後輩で、幼い頃から家族ぐるみの付き合いがある。周囲は、以前からふたりのペアを心待ちにしていた。

卓球の個人戦で金メダルを取るのは、奇跡に近い。中国が強すぎるからだ。ただし、団体戦では可能性がある。日本が団体戦重視の戦術に切り替えれば、ひょっとしたらひょっとするかもしれない。

卓球のルールと見どころ – 東京2020公式サイト

水谷隼 – twitter

水谷隼 オフィシャルサイト 公式ホームページ

伊藤美誠 – instagram

伊藤美誠 – twitter

スポーツクライミング 楢崎智亜(23)

スポーツクライミングは、東京オリンピック2020で初めて採用された新種目だ。

東京オリンピックでは特殊なルールでおこなう。これまでの世界大会では、15mの壁を登ってその速さを競う「スピード」、5mほどの壁に設けた課題をいくつ登れたかその数を競う「ボルダリング」、12mを超える壁にあるルートをどこまで登れたかその高さを争う「リード」の3競技に分かれていた。

だが東京五輪では、3種目の総合ポイントで争う。それぞれの競技の順位を掛け合わせて、数字が小さいほど上位になる。総合力の高い選手が有利だ。

楢崎智亜(ならさきともあ)のクライミングは、まさにアンビリーバボーだ。手を伸ばしてもまったく届かない遠くのホールド(突起物)に次々と飛び移る。壁を縦横無尽に動きまわる姿から「フィジカルモンスター」と称される。

この若さで、楢崎は栄光と挫折をすでに経験している。2016年の世界選手権で日本人として初優勝を飾った。クライミング・ワールドカップでも年間王者に輝く。

だが、そのあと勝てなくなった。慢心による練習不足だった。練習量を元に戻しても、体のコンディションは上がってこない。辛い日々が続いた。

「考えすぎだ」。練習にメンタルトレーニングを取り入れたおかげで、心身ともに充実。みごと王座に返り咲く。2019年のクライミング・ワールドカップのボルダリングで、2016年以来3年ぶり2度目の年間総合優勝を果たした。

どん底から這い上がってきた男に、登れない壁はない。

スポーツクライミングのルールと見どころ – 東京2020公式サイト

楢﨑 智亜 – au x CLIMBING

楢崎智亜 – instagram

楢崎智亜の写真 – getty images

競泳・400m個人メドレーと200m個人メドレー 大橋悠依(23)

大橋悠依(おおはしゆい)にかかる期待は大きい。日本女子競泳界のエース・池江璃花子が闘病中で戦列を離れている。女子競泳陣で金メダルを期待できるのは、彼女しかいなくなった。

課題はメンタルの弱さだ。監督曰く、大橋は気が小さくて極度の心配性。終盤でのスタミナ切れを怖がって序盤から積極的な泳ぎができないことがたびたびあるという。

だが自己ベストは世界でもトップレベルだ。2017年の世界水泳では200m個人メドレーで銀メダルを獲った。

最大のライバルは実績で大橋を大きく上回るカティンカ・ホッスー(ハンガリー)。ホッスーは東京五輪では31歳になる。彼女に年齢的な衰えが見えれば、200m・400mの2種目で金メダルの可能性も見えてくる。

競泳のルールと見どころ – 東京2020公式サイト

大橋悠依 – twitter

大橋悠依 – instagram

大橋悠依の写真 – getty images

スポーツクライミング 野口啓代(30)

野茂英雄(野球)や中田英寿(サッカー)など、世界への道を切り開いた選手はパイオニアと呼ばれ、やがてレジェンドとしてスポーツ史に名を残す。女子のクライミングでは野口啓代(のぐちあきよ)がその存在にあたる。

野口は11歳でボルダリングを始めた。中高生を押しのけて、小学校6年生で全日本ユース選手権で優勝する。その後、アルバイトをしながら海外の大会を転戦。2008年には日本人女子として初めてボルダリングワールドカップで優勝する。ワールドカップでは通算21勝を誇る。

彼女の本気のクライミングが見られるのはこれで最後だ。東京オリンピック2020で、競技としてのクライミングを引退する。女子クライミング界のレジェンドの集大成を目に焼き付けたい。

プロフリークライマー 野口啓代 公式サイト

野口 啓代 – au x CLIMBING

野口啓代 – instagram

野口啓代 – twitter

野口啓代の写真 – getty images

体操・種目別ゆか 村上茉愛(22)

村上茉愛(むらかみまい)はとにかく筋肉がすごい。他の女子選手と並ぶと違いは明らかだ。その筋肉を活かして、スーパーボールみたいにぴょんぴょん飛び跳ねる。かわいらしいルックスと相まって、その姿は小動物を思わせる。

もちろん、実績も確かだ。リオ五輪では団体総合で4位入賞に貢献。2017年の世界選手権では、得意の種目別ゆかで金メダルを獲得した。日本人女子としては63年ぶりの快挙だった。翌2018年の世界選手権では、個人総合で銀メダルを獲得している。全日本選手権では2016年から2018年まで個人総合3連覇、NHK杯でも個人総合で2連覇している。

その村上が怪我に泣いた。腰の怪我で2019年5月のNHK杯を棄権。世界選手権の代表を逃した。2020年の全日本選手権とNHK杯が代表入りの最後のチャンスになる。

村上の怪我は、日本女子体操チームにとっても痛かった。東京オリンピック2020の団体枠は世界選手権の順位で決まる。女子チームはエース抜きで団体枠を取りにいかなくてはいけない。

村上茉愛選手応援サイト – HACHIYOH

村上茉愛の写真 – getty images

バドミントン・シングルス 奥原希望(24)

奥原希望(おくはらのぞみ)は応援したくなるバドミントン選手だ。156センチの体を精一杯伸ばしてシャトルを拾う姿は心を打つ。「がんばれ!」。彼女の試合では、いつの間にかそうつぶやいている。コートに入る前の感謝をつぶやくルーティンも好きだ。

実績もすごい。奥原は日本女子バドミントンの記録を次々と塗り替えてきた。

2015 年のBWF スーパーシリーズファイナルズ女子シングルスでは、日本人選手で初めて優勝。リオ五輪女子シングルスでの銅メダルは、日本人選手ではじめてのシングルスでのメダル獲得だった。2017 年には世界選手権女子シングルスで日本人で初めて優勝してる。

最近の試合では山口茜の後塵を排することが多い。リオ五輪の準決勝で戦った山口は現在世界ランク1 位。彼女も金メダル候補だ。東京オリンピック2020でふたりが対戦するなら、決勝の舞台にしてほしい。

奥原希望 公式ウェブサイト

奥原希望 – instagram

奥原希望 – twitter

奥原希望の写真 – getty images

ゴルフ 松山英樹(27)

松山英樹は日本が世界に誇るプロゴルファーだ。日本8勝・米国5勝の実績を持つ。

2011年には日本人最年少でマスターズ予選を突破。日本人初のローアマチュア(参加したアマチュア選手で最高位)に輝く。

2013年にプロに転向。ルーキーイヤーで賞金王となる。これは史上初の快挙だった。

翌2014年から主戦場をアメリカPGAツアーに移す。2017年の全米オープンではおしくも2位。当時、世界ランキングは2位まで上がった。(2019年7月時点では32位)。

日本の夏は松山に味方する。外国人選手にとっては季節が悪すぎる。ゴルフは7月30日、霞ヶ関カンツリー倶楽部でおこなわれる。高温多湿の野外で長時間のプレー、コースについての情報不足、独特のグリーンや海外との芝の違い…。松山の金メダルのお膳立てはすでにできている。

ゴルフのルールと見どころ – 東京2020公式サイト

HIDEKI MATSUYAMA × NOMURA(松山英樹選手スポンサーサイト)

松山英樹の写真 – getty images

フェンシング・フルーレ団体

馴染みがない人にとって、フルーレはちょっとややこしい競技だ。フルーレは攻撃を交互におこなう。優先権のある選手が攻めて、その攻撃をうまく防御すると優先権が移る。攻守がめまぐるしく入れ替わるのがこの種目の見所だ。有効面は背中を含む胴体部分のみ。

フルーレ女子団体チームは若さが魅力だ。メンバーは、東晟良(19 )、上野優佳(17)、辻すみれ(19)、菊池小巻(22)の平均年齢19.25歳。まさに伸び盛りの年齢だ。

成長も著しい。2019年6月のアジア選手権では優勝、7月の世界選手権では5位に入った。右肩上がりの成長曲線は、東京オリンピック2020までにどこまで伸びるのか。突き抜けてほしい。

女子フルーレ団体、日本が優勝 フェンシング、アジア選手権 – JOC

サーフィン 五十嵐カノア(21)

サーフィンは東京オリンピック2020から新たに採用された競技種目だ。1試合(1ヒート)は、20〜30分くらいで、4人同時におこなう。次の試合に進めるのは成績上位2人だ。

代表は五十嵐カノア。両親はともに日本人で、本人はアメリカで育った。「カノア」という名前は、ハワイ語で「自由」の意がある。

カノアはアジア人サーファーのパイオニアだ。2019年5月にインドネシアでおこなわれたサーフィン・チャンピオンシップツアー(CT)第3 戦でアジア人として初の優勝を飾る。CT に出場できるのは世界で32 人だけ。参戦自体がアジア人初の快挙だった。

自国開催は大きなアドバンテージになる。セーリングと同様に、サーフィンも天候や波の状況に大きな影響を受ける。

さらにサーフィンは位置どりが重要だ。ルール上、ひとつの波にはひとりしか乗ってはいけない。どこにいい波が来るのか、その見極めが勝利に直結する。会場となる千葉県一宮の釣ヶ崎海岸に慣れ親しんでいるはかなり有利だ。

本人も自信を口にする。釣ヶ崎海岸の波は海外の有名ビーチに比べると穏やか。拠点とする米カリフォルニアのハンティントンビーチに似ているため、アドバンテージがあると話す。期待しちゃうで!

サーフィンのルールと見どころ – 東京2020公式サイト

五十嵐カノアInstagram

五十嵐カノアの写真 – getty images

空手・組手68kg超級 植草歩(26)

植草歩(うえくさあゆみ)は空手界の広告塔だ。アイドル的存在で、空手界のきゃりーぱみゅぱみゅとも呼ばれる。

実力は折り紙つきだ。2016年の世界空手道選手権大会では、個人組手女子68キロ級超級で優勝。全日本空手道選手権大会は、無差別級で2015年から4連覇中だ。空手のプレミアリーグでも、2017年・2018年と年間王者を2年連続で達成している。

いまどき女子でもある。SNSではたびたびプライベートをアップする。私服姿がかわいいとなかなか評判だ。

東京オリンピック2020では彼女の髪色にも注目だ。大きな大会の前には必ず美容院に行く。験担ぎだ。過去の大会で金色のハイライトを入れて優勝したことがある。髪を整えると、気持ちが前向きになるそうだ。

植草歩のうえちゃんオフィシャルブログ

植草歩 – instagram

植草歩 – twitter

植草歩の写真 – getty images

野球 野球日本代表チーム

野球が五輪に帰ってきた。2008年北京以来、実に12年ぶりの復活だ。といっても正式種目に戻ったわけではなく、東京五輪だけの追加種目。今回限りの復活だ。2024年のパリ五輪では実施されないことがすでに決まっている。

過去日本はオリンピックに7回出場している。金1・銀2・銅2の合計5個のメダルを手に入れた。プロの参加が解禁された2000年のシドニー五輪以降は、4位・3位・4位と残念な結果に終わっている。

金メダルのライバルはやはり韓国だろう。実力ではアメリカやドミニカのほうが上だが、ベストメンバーで参加するとは思えない。オリンピックの開催時期は、野球シーズンの真っ最中だ。メジャー球団は参加をきっと許さない。一方、韓国は国を挙げて国際大会に臨む。とくに日本戦では目の色が変わる。

稲葉篤紀監督がどんなメンバーを選ぶのか、注目が集まる。あれほど毎年安定していた菅野智之が2019年シーズンに絶不調におちいったように、野球選手の成績はシーズンに入ってみないとわからない。稲葉監督には、人気選手や過去の実績と心中することなく、好調な選手を選び、試合に使っていってほしい。

次回、オリンピックの舞台で野球がいつ見られるかわからない。東京オリンピック2020ではぜひ金メダルを獲得して、五輪チャンピオンとして次の開催までピノキオの鼻で過ごさせてほしいところだ。

野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト

競泳・400m個人メドレー 瀬戸大也(25)

瀬戸大也(せとだいや)は日本男子競泳陣でもっとも金メダルが期待できる選手だ。

瀬戸といえば世界水泳だろう。日本人最多4個の金メダルを獲得している。2013年の世界水泳400m個人メドレーでは、日本人初となる優勝。同種目は2015年に連覇を達成した。2019年にも400m個人メドレーで優勝、200m個人メドレーとの2冠を成し遂げた。

ライバルはチェイス・カリシュ(アメリカ)。2019年の世界水泳まではカリシュが有利と言われていたが、ふたを開けてみれば瀬戸が優勝。カリシュはまさかの予選落ちだった。とはいえ実力のある選手、楽観視はできない。

瀬戸大也 – arena

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瀬戸大也の写真 – getty images

陸上・4×100mリレー

まさにチームワークで勝ち取ったメダルだった。陸上4×100mリレーの日本男子チームは、2016年のリオ五輪で銀メダルを獲得した。日本が世界に誇るアンダーハンドパスを見事につなぎ切った。

あれから3年、日本陸上界には個の力が育ち始めている。サニブラウン・ハキーム(9 秒97)や桐生祥秀(9 秒98)、小池祐貴(9 秒98)と、いまの日本には自己ベスト9 秒台の選手が3人もいる。

この3人に、気胸で治療中の山縣亮太(10 秒00)が加われば、リオ五輪のメンバーより自己ベストタイムを大きく上回るチームが完成する。山縣の1走での走りは世界でもトップレベルと評価されている。

ライバルはアメリカだ。日本が金メダルを取るには37秒代前半の記録が必要になる。リオ五輪のタイムは37.60秒だった。

だが不可能ではない。選手たちがそれぞれの強みを最大限に発揮して、アンダーハンドパスがうまくつながれば、金メダル獲得も夢ではないだろう。

桐生祥秀 – twitter

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小池祐貴 – twitter

小池祐貴 – instagram

テニス・シングルス 大坂なおみ(21)

大坂なおみは平成最後の日本をおおいに沸かせた。2018年の全米オープン・2019年の全豪オープンと、グランドスラム大会を連続で優勝。2019年1月にはアジア人初の世界ランキング1位を獲得した。

だが、好調は長くは続かなかった。つづく全仏オープンでは3回戦で敗退、全英オープンではまさかの1回戦敗退に終わった。

すると世論は一転した。「メンタルが未熟だ」、「サーシャコーチを切ったからだ」など、大坂を攻めた。期待の裏返しだとは思うが、21歳の女の子にちょっと厳しすぎやしないか? 潰れてしまうよ。そう思った。

だが、大坂なおみはマイペースを貫く。2019年7月の『日刊スポーツ』の取材に対して、「金メダルを狙いに行くに決まっている」と力強く答えた。旗手もやってみたいと語った。

現時点では、彼女に金メダルを期待するのは酷だろう。だが、幸いなことに東京五輪までには時間がある。不安定だからこそ、1年後には最高の大坂なおみに戻っているかもしれない。

ポテンシャルはどの角度から見ても明らか。復活を果たせば、金メダルの最有力候補だ。なりより、彼女のパワフルなテニスをオリンピックの舞台で見たい。多くのテニスファンが大坂なおみの笑顔を待っている。

テニスのルールと見どころ – 東京2020公式サイト

大坂なおみ公式サイト – NAOMIOSAKA.COM

大坂なおみ – twitter

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大坂なおみの写真 – getty images

まとめ 東京オリンピック2020を楽しもう!

新国立競技場の建築費用やエンブレムの盗作疑惑など、当初は大きく出鼻をくじかれた東京オリンピック2020。だが、いざふたを開けてみると、ボランティア募集もチケット販売も大盛況。なんだかんだ言いながら、東京五輪を心待ちにしている日本人は多いようだ。

東京オリンピック2020は、56年ぶりに日本でおこなわれる世界最大級のお祭り。楽しまなければ損だ。東京五輪肯定派の人も否定派の人も、会場やテレビの前で仲良く騒ごう! うぇーい!

東京オリンピック2020で金メダルが期待できる34競技種目を徹底解説!