スマホの携帯料金はいまや生涯払い続ける固定費のひとつだ。子どもからお年寄りまで、スマホは生活になくてはならない必需品となった。
必需品となったことで、スマホの携帯料金の支払い金額も増えている。総務省の調査によると、2人世帯以上における年間のスマホと携帯電話の通信料は2000年から2019年までの19年間でおそよ4.5倍に増えたという。
支出が増えたということは、裏を返せば見直せるところもたくさんあるということだ。節約することで得られるリターンはとても大きい。
ということで、この記事ではスマホの携帯料金をとにかく安くする方法として、大手キャリアのまま契約内容を見直す方法と、格安SIMに乗り換える方法の2パターンを紹介する。
mokuji
スマホの携帯料金を安くする方法【契約内容を見直す】
まずは、大手キャリアと契約したままスマホの携帯料金を安くする方法からはじめる。自分にぴったりの契約内容に見直して節約する、というやり方だ。
大手キャリアとは docomo、SoftBank、au、楽天モバイルの4社をさす。楽天モバイルについては、サービスがはじまったばかりだし、楽天回線の利用エリアもまだまだ狭いので、この記事では省いた。
スマホの料金の節約というと、格安SIMに乗り換えることをすすめられるが、大手キャリアと契約するメリットはなにかと多い。大手キャリアと契約するメリットはあとで書くとして、まずは契約内容の見直し方について話を進める。
契約内容の確認や手続きは各キャリアのマイページからおこなう。
大手キャリア3社のスマホの料金プランを表にまとめた。2020年5月1日時点のものを税込価格で表示している。間違っていても怒らないでください。

料金プランを最新のものと比較する
スマホの料金プランはたびたび更新される。同じデータ容量の契約であっても、新しいプランのほうが料金が安くなるということがある。
契約したときから契約プランをいちども見直したことがない人は、毎月の請求額と最新の料金プランとを比べてみよう。高くなるなら、もちろん現状維持だ。
docomoとauには直近の利用状況から自分にぴったりの契約プランをシミュレーションできるページがある。
docomoの料金シミュレーションで自分にぴったりの料金プランを確かめる
auのスマートフォン料金シミュレーションで自分にぴったりの料金プランを確かめる
毎月使っているデータ容量を確認する
契約しているデータ容量と、自分がじっさいに使っているデータ容量との差をみる。
たとえば、7GBで契約しているのに、じっさいには毎月4GBくらいしか使っていないということがある。ひとつ下のプランに変えれば、スマホの携帯料金はとうぜん安くなる。
オプションサービスを解約する
スマホを契約するとき、スタッフは会員限定のエンターテイメントサービスやら、保険やら、あれこれとすすめてくる。入った方が安くなるとか、すぐ解約すればいいとか、そういうこと言われるとついつい加入してしまう。そしてほとんどの人は解約するのを忘れちゃうのである。
たとえば会員費が月に500円だとすると、年間では6000円の支出になる。解約作業というのはちょっと面倒くさいけれど、使っていないのなら早めに解約したほうがいいだろう。
スマホの携帯料金を安くする方法【格安SIMに乗り換える】
スマホの携帯料金をとにかく安くしたい人は、格安SIMに乗り換えるのがおすすめだ。
利用が集中する時間帯(12時とか18時とか)は通信速度が落ちるなど、格安SIMにはデメリットもあるが、基本的な使い心地は大手キャリアとほとんど変わらない。
そしてなにより安い。通信費を安く提供できるのは、大手キャリアの回線を借りているからこそだ。スピードがちょっと遅くなるくらいは仕方がない。
データ通信と音声通話がどちらもできる格安SIM各社の料金プランを表にまとめた。2020年5月1日時点のものを税込価格で表示している。ちっちゃくて見にくいと思うけれど、いじめないでください。

表にある格安SIM各社の公式ホームページにはこちらからどうぞ。
格安SIMがどの大手キャリアの回線を使っているか確認する
まずは格安SIM各社が使っている回線を確かめる。
自分が契約している大手キャリアの回線を使っている会社だと、ほどんどの場合は手持ちのスマホがそのまま使える。SIMを交換するだけで、スマホを新しく買い換える必要はない。
サービスを比較する
回線の確認が済んだら、次はサービス内容を比べる。
よく見ておきたいのはデータ容量とその料金だ。GB(ギガバイト)はデータのサイズの単位で、通信量が多くなるほどたくさん消費する。
たとえば格安SIMの3GBの料金は1600円〜2000円程度で、この料金は大手キャリアの半額以下である。動画や音楽などは自宅でWi-Fiで楽しむ、という人はこれくらいあれば十分だろう。各社のプランを見比べる前に、自分が毎月使っているGBを確かめておこう。
注意してほしいのは外出先でも動画をよく見る人だ。30GB以上の大容量プランは大手キャリアと格安SIMとでそれほど料金が変わらないことがある。格安SIMに乗り換えるときは、大手キャリアのプランとも比べよう。
通話プランを確認する
よく電話をかける人は通話プランもしっかり見ておく。格安SIMに乗り換えても、通話料金のせいで思ったより安くならなかったということがある。
かけ放題プランがあるのは、UQモバイルとイオンモバイルの2社。あとは、家族との通話がお得になるIIJmioや、よく電話をかける3つの連絡先が無料になるOCNモバイルONEも選択肢に入るだろう。
サポート体制を確認する
ネット申し込みが主流である格安SIMは、大手キャリアと比べるとサポート体制が整っているとはいえない。スマホの故障などのトラブルは、自分でなんとかしてくださいと言われることがある。
格安SIMが初めてという人は、アフターサービスの評判がいいところを選ぶのもひとつの方法だ。
UQモバイルやワンモバイルは実店舗が多く、対面での相談がしやすい。mineoやIIJmioはオンラインサポートがしっかりしているとの評判だ。
ネットで申し込むと安くなるかも
格安SIMの会社はときどきキャンペーンをやっている。キャンペーン中に乗り換えると、ただえさえ安い格安SIMをさらにお得に買うことができる。
こうしたキャンペーンはネット申し込みのみ、というケースがある。店舗ではスタッフに相談できるというメリットはあるが、とにかく安くというならネット申し込みの一択である。
ほどんどのキャンペーンは期間限定だ。格安SIMに乗り換えるときは、キャンペーンをやっているかもしれないから、いくつかの業者を比較してみることをおすすめする。
格安SIMに乗り換えるとスマホの携帯料金はいくら安くなるの?
大手キャリアから格安SIMに乗り換えると、いくらくらい安くなるのかを計算してみた。
お得な家族割がないひとり暮らしの人でも、年間1万円以上の節約になることがわかった。3人家族、5人家族になると、スマホの携帯料金はさらに安くなる。
ひとり暮らし
【スマホの利用スタイル】
- 外でスマホを使う機会が長い
- 動画や音楽を楽しむことが多い
【現在の契約内容】
- docomo 30GBプラン7865円
【格安SIMに乗り換えた】
- OCNモバイルONE 30GBプラン6578円
30GBの大容量プランがあるOCNモバイルONEに乗り換えると、データ容量はそのままで月々1287円、年間では15444円も安くなった。
3人家族 夫・妻・子ども
【スマホの利用スタイル】
- 夫はメールやニュース記事の閲覧がメイン、電話をかけることが多い
- 妻と子どもは自宅のWi-Fiを利用することが多い
【現在の契約内容】合計12265円
- 夫 au 7GBプラン6765円 + かけ放題1870円
- 妻と子ども au 4GBプラン5115円×2
- ネット回線割引 -1100円×3
- 家族割 -1100円×3
【格安SIMに乗り換えた】合計7304円
- 夫 イオンモバイル 6GBプラン2178円 + かけ放題1650円
- 妻と子ども イオンモバイル 4GBプラン1738円×2
夫は電話をかけることが多いので、かけ放題プランのあるイオンモバイルを選んだ。妻と子どもはオプチョンをつけずにイオンモバイルに乗り換えた。年間では59532円も安くなった。
5人家族 夫・妻・子ども・祖父・祖母
【スマホの利用スタイル】
- 夫は外でスマホを使う機会が多い、動画や音楽を楽しむときは自宅のWi-Fiを使うことが多い
- 妻と子ども、祖父母は自宅のWi-Fiを利用することが多い
【現在の契約内容】合計23188円
- 夫 au 使い放題プラン11528円
- 妻と子ども au 4GBプラン5115円×2
- 祖父母 docomo 3GBプラン4565×2
- ネット回線割引 -1100円×3
- 家族割 夫妻子ども -1100円×3
- 家族割 祖父母 -550円×2
【格安SIMに乗り換えた】合計13673円
- 夫 mineo 30GBプラン7161円
- 妻と子ども LINEモバイル 3GBプラン1628円×2
- 祖父母 OCNモバイルONE 3GNプラン1628円×2
家族それぞれのデータ容量を見直した。夫は月30GB、夫以外は月3GBあれば十分だった。そのうえ格安SIMに乗り換えると、年間で114180円も安くなった。
大手キャリアと契約するメリット
格安SIMのあまりの安さに、大手キャリアと契約するメリットなんてないんじゃないの、と思った人もいるかもしれないがそんなことはない。
たしかに料金は高い。総務省による携帯料金の見直し指示で2019年6月から新料金プランがはじまったが、格安SIMと比べるとやはり割高である。
さらに新料金プランでは割引のウェイトのほとんどを家族割が占めているので、1回線契約では大幅な値下げは期待できない。月額料金だけで考えると、1回線のみで大手キャリアと契約するのはまったくおすすめできない。
新料金プランの最大のメリットは複雑な料金体系から変わったことで、料金を他社と比べやすくなったということだろう。
とはいっても、金銭面以外では大手キャリアと契約するメリットは多い。これらのメリットは格安SIMに乗り換えると受けられなくなる。
- キャリア独自のサービスが使える
- キャリア専売のスマホが買える
- データ通信量を気にせず使える
- 5Gが利用できる
- サポート体制がしっかりしている
- 店舗数が多く、対面で相談できる
- 通信速度が24時間安定している
よく考えもしないで、安いというそれだけの理由で格安SIMに乗り換えると、あとで後悔することになるかもしれない。
スマホの携帯料金をとにかく安くする方法 まとめ
この記事をまとめると、こういうことです。
- スマホの携帯料金は一生支払い続ける固定費である
- だから少しでも安いほうがいい
- 大手キャリアと契約している人は、契約内容を見直してみよう!
- スマホの携帯料金をとにかく安くしたい人は格安SIMに乗り換えよう!
- 格安SIMに乗り換えると、お得な家族割がない独身の人でも月々1000円、年間で1万円以上も安くなる
- 大手キャリアはたしかに携帯料金は高いけれど、いろんなメリットがある
- 安いというだけで格安SIMに乗り換えると後悔するかもしれないよ
スマホの携帯料金という表現に気持ち悪さを感じた人もいるかもしれない。僕は書いていて気持ち悪かった。スマホの料金と書くと、スマホ本体の値段みたいだし、スマホは電話も通信もできるから電話料金とか通話料金とか通信料金とかはちょっと違う。利用料金というのがいちばんしっくりきたのだけれど、むかしからの慣れで携帯料金と言ってる人が今も多いみたいだから、こちらにした。何が言いたいのかというと、変な日本語を使ったことに対するいいわけ、をしているわけであります。